横浜関内駅、スタジアム方向の改札口をでて、歩くこと10分程度。日本通り沿いに位置している。昨年の10月に出来たばかりの「新聞のことなら何でも分かる博物館」だ。建物は、旧商工奨励館と建て増しされた新館からなっている。入り口は1階、入場口は2階にある。静岡新聞が使っていたという大きな輪転機を眺めながらエスカレーターを上がると、ガラス張りのミュージアム・ショップが見える。向かいには、細長いホールを挟んでカフェがあり、いずれのお店も横浜とゆかりが深い。ホールには、2000年6月21日に制定されたばかりの「新聞倫理綱領」が示されている。新聞の役割を確認した、いわば報道各社の憲法である。館内は、2階、3階、5階が展示室となっており、他に3階の新聞製作工房、NIE全国センター、4階の新聞ライブラリーがある。2階にはニュースパーク・シアター、シーズンごとの企画が開かれる企画展示室がある。シアターでは、言論の自由の歴史、人々の知る権利獲得の過程を映像で学ぶことができる。館内のアンケート用紙で、私たちにも企画のリクエストができるようになっている。3階は、歴史ゾーン。民間新聞が普及し始める江戸時代末期から現代までの、新聞の形、内容、普及率、販売方法を、実物を通して知ることができる。所々に置かれるタッチパネルでは解説や年表といった資料を見ることができる。次の5階は現代ゾーンである。画像やゲームで遊びながら、記事や新聞印刷の制作過程を把握できるようになっている。体験型の展示は、この博物館の特徴でもある。この階では、実際に通信各社が流している最新ニュースも手に入る。例えば、それをもとに自分で記事を書くこともできる。館内で緑の制服を着ているのはボランティアの人たちだ。どの人も新聞への知識と想いが深い。3階のNIE全国センター、4階の新聞ライブラリーは入場料無料で使える。NIE全国センターでは、小学校や中学校の先生が新聞を授業に取り入れるために学ぶ教材や、実際に授業のできる施設がある。さて、4階の新聞ライブラリーでは全国の新聞が閲覧できる。マイクロフィルムやCD-ROMによる日刊新聞の検索も可能だ。学術的な研究の資料として使う人や、自分が生まれた日の新聞を捜しにくる人もいるという。館内を見回るには2・3時間は取ったほうがいいが、入場券は1日有効なので、海の見えるレストランでランチを取るのもよい。何度でも出入り可能。ここで展示されている資料は、当初予定されていたものの3分の1のスペースに収めてある。回を重ねると、見えなかったものも見えてきて面白い。新聞は私たちの身近にある。それはどこから生まれ、なぜ私たちの日常にあるのだろうか。新聞は歴史上どんな役割を果たしてきたのか。私たちにとって、何だったのか。これから何でありつづけるのか。日本新聞博物館へ行けば、見、触り、遊びながら答えを知ることができるのではないかと思う。学生編集委員(白金通信2001年4月号)
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