白金キャンパスから日吉坂方面に歩くと、お洒落なカフェがある。QUICHE&TARTEは、その名の通り、キッシュとタルトを専門に出すお店だ。扉を入ってすぐ左にショーケースがあり、色鮮やかなキッシュとタルトが並ぶ。どれも美味しそうで目移りしてしまい、注文を決めるのに時間がかかりそうだ。細長い店内を見渡すと、中央の花の飾りの付いた大きなシャンデリアが目を引く。テーブルや椅子はもちろんのこと、コーヒーカップや灰皿に至るまで、全てがスタイリッシュだ。それもそのはず、新横浜ラーメン博物館の総合プロデュースや、すかいらーくのデザイン全般を手掛けたデザイン会社が経営している。コンセプトもユニークで、「ロンドンに在学していた女学生がパリに行って食べたタルトがすごく美味しくて、自分のお店を開いた」という架空のストーリーにあわせ全てをデザインしている。このコンセプトを崩さないように、くつろげる雰囲気を演出し、お客さま第一のサービスを提供しますと、セールス&プロデュースの綱川さんはいう。お客さんは、20代前半から30代の女性が多い。ランチ時に友達同士で利用したり、夜はデートに使っても、気がきいた感じで、生活の様々な場面で活躍するお店だ。明学生もよく利用していて、試験前などにはお茶しつつ、勉強している学生も見かけるとか。キッシュは、卵とベーコンとほうれん草のスタンダードな定番品キッシュロレーヌが、一番人気がある。タルトは、栗が丸ごと入った贅沢なモンブランと、フレッシュで見た目も美しい苺のタルトが、大人気のメニューだ。どちらも日替わりがあり、常時五・六種類づつ楽しめる。日替わりには、豆腐と三つ葉や、小豆とクリームチーズなど、一風変わった取り合わせのものもあり、勇気のある人はぜひトライしてほしい。メニューの開発は、シェフが中心となって行うが、会社が提案することもある。デザインを手掛ける会社が、直接カフェを経営し、逆の立場に立つと、デザインされる側の要望など、見えなかったものが見えてくるという。この飽くなき向上精神から学ぶことは多い。学生編集委員(白金通信2000年2月号)