大学には空き時間が多いが、その時間を何となしに空き教室や図書館など、キャンパス内でもそろそろもてあまし気味することが多くなってきた。白金では表に出たところで、駅周辺まで行かなくては空き時間をつぶせるような所などないためである。行って帰って小1時間、歩くためだけに駅まで行くには時間と体力がおしい。そんな時、高輪図書館はなかなか便利な場所である。本館一階正面玄関を出て左手、麻布方面へ桜田通りを6 - 7分程歩けば、「高輪支所」と大きく書かれた建物がある。中へ入って3−4階が図書館、中でも「こどもしつ」とCD・LDコーナーが楽しい。20歳を過ぎて「こどもしつ」に入るのは多少ためらわれるものがあるが、画集のように美しい絵本や図鑑、小学校の図書室に置いてあった「はだしのゲン」等を、居合わせた子供の目さえ気にしなければ楽しむことが出来る。CD・LDコーナーには昔の名作から「硝子の塔」まで、面白い品揃えである。何より学校の図書館と違うのは、空間である。天井の高い、広く明るい空間に、ゆったりと大きなソファーが置いてある。騒ぎ立てなければ注意もされず、休息所には飲物の自販機がある。勉強ではなく、休息のための図書館。その雰囲気を味わうべく居座ることもできるが、「港区通学」を生かして本を借りることもできる。近くに公園もあるので、本をつれて散歩の足をのばしてみるのもいいだろう。学生編集委員 心理学科 二ノ宮範子(白金通信1997年12月号)