午後の授業が空いた日に鎌倉へ行ってみてはどうだろうか。横浜校舎から横須賀線で2駅で北鎌倉、3駅目で鎌倉である。私にとって高校時代は遠い存在だった鎌倉が、入学後とても近いところとしてみることができるようになった。1日かけて鎌倉を見てまわる余裕はなくとも、半日ぐらいならまわれそうだという人は多いだろう。古寺や神社などの観光名所のほかにも緑が多く、自然を見て楽しむにも最高の場所と言えるだろう。心が和んだり癒されたりと、最近の「癒し」「なごみ」ブームを関連付けることもできると思う。日常生活の忙しさから解放されたいときに鎌倉にふらっと寄り道してみてはどうだろうか。そしてまた私たちは鎌倉に生活の場とは違う世界としてのイメージを抱いてはいないだろうか。特に北鎌倉は深い緑に包み込まれており、ビルなどの景色は全くない。自然が今でも残っているのはある意味で奇跡だったのかもしれない。西洋文化の波が押し寄せ、リゾート地として開発されていき、また関東大震災後に都市化が進み道路交通網の整備や住宅開発などの目覚しさが見え始めていたのを自然への危機に気付いた人達によって、自然保護への道へと変わっていったのである。これはやはり鎌倉という地に特別の感情を持っていたためではないだろうか。鎌倉は、宗教的な神秘さにとどまらず、私たちが年を重ねながら、その良さを発見できる場所としてみることができると思う。先日、ホープカレッジの学生と鎌倉へ行った。銭洗弁天でお金を洗っている彼女たちを見て、日本独特の思想や価値観を見たような気がする。お金を洗う由来は浮世の塵垢を落とすことだったのが、時代が経つにつれて、お金が何十倍にもなって返ってくるという信仰に変わり、今は知られている。鎌倉は、今まで気がつかなかったことが見えてくるそんな場所ではないだろうか。実際に訪れてみて分かることがたくさんあると思う。ふらっと寄り道をすることで新しいことが見えてくるだろうし、自分の好きな場所を鎌倉で見つけて、日常生活とは違った雰囲気を楽しみ、リフレッシュしてみてはどうだろうか。学生編集委員(白金通信2000年7月号)