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明治学院大学の
国際化ビジョン

はじめに

明治学院大学はキリスト教による人格教育を基礎とした教育理念“Do for Others”に照らして、次の5つの大学の教育目標を設定している。

  • 他者を理解できる人間の育成
  • 分析力と構想力を備えた人間の育成
  • コミュニケーション能力に富む人間の育成
  • キャリアをデザインできる人間の育成
  • 共生社会の担い手となる人間の育成

グローバル化が加速的に進行する現代において、今日の課題に取り組み社会に貢献することのできる人間形成を行うために「国際化」は避けることのできない過程である。高等教育は閉じられた一国の中で行われるものではあり得ず、研究についても国境を超えた国内外の調査や分析・思考の交換なくして存在しないだろう。本学は、アメリカ人宣教師・医師であったJ.C.ヘボン博士を開学の祖として、キリスト教の精神やリベラリズムによる教育理念を掲げて、明治から大正・昭和期をへて現在にいたるまで、国際社会にも貢献し得る教養人の育成を目ざして来た。しかしこうした伝統の上に立って、今日の国際社会の流動化と重層化に応じて、知見を広く世界に求める学びの機会を提供するためには、本学の学生すべてが「国際教育」を受けられることを目標とし、それを世界に向けても発信することが必要であろう。2014年度に国際化のビジョンを掲げたが、大学をめぐる教育および社会環境の変化に対応するために、ここにあらためて本学の国際化ビジョンを策定する。





国際化の現状

ビジョン策定に先立って、本学の今日における「国際化」の現況を確認しておく。(2018年6月現在)

  • 学部の正規留学生数:175名、交換留学生数:111名(秋学期受入予定含む)、学部生に対する留学生の割合2.3%(12,171名中286名)
  • 留学協定校状況:75校(大学間協定61校、学部間協定14校) 2025年までの目標設定は83校(2015年 DECADE VISIONによる)
  • 外国語教育担当者:専任教員28名、非常勤教員113名 合計141名 (専任教員中 4.2%、非常勤教員中6.3%)
  • 留学を必修とする学科:国際経営学科(2006年開設、2016年留学必修化)、グローバル法学科(2018年度開設)いずれも2年時秋学期に実施
  • 海外で実施する単位認定をともなうフィールド・スタディの開講数20、履修者数は239名(2017年度実績)
  • 教職員の海外研究・研修:特別・在外研究による国外の研修実績:49.3%(270名中133名)
  • 職員の海外研修:ホープカレッジ夏期短期研修 2013-2018年度の累積13名




本学の国際化ビジョン 4つの柱

  1. グローバル市民の育成 
    Nurture Global Citizenship
  2. 世界各地域でのパートナーシップ構築 
    Build Worldwide Partnerships
  3. 国境なきラーニングの提供 
    Offer Borderless Learning
  4. 多文化共生社会へのアプローチ 
    Embrace a Diverse Community


1. グローバル市民の育成
Nurture Global Citizenship


異なる文化背景をもった他者の視点を理解し、こうした他者とともに働き目標を達成するためのコミュニケーション能力の育成を行う。

  • 英語教育・初習語教育のカリキュラムを全学的に体系化し、学修の達成目標を設ける。そのためにCEFRなどの語学力を示す国際標準やTOEFL,TOEICなど国際的に使用されている英語力測定テストを定期的に導入して指標とする。
  • 英語習得の位置づけや留学への志向性が異なる学部・学科においても学生の参加しやすいプログラムのデザインを試みる。
  • 学生・教職員の英語やその他の言語の運用能力向上を目的とするプログラムを導入し、その成果を還元させるよう、資格取得などモティベーションを向上させる。
  • 学生・教職員の異文化理解・コミュニケーション能力向上を高めるためのワークショップや、異文化交流のアクティビティやイベントを企画運営する。
  • グローバル市民育成を目標とする共同研究を協定校などと実施することにより、国際教育分野でのリーダーシップを目指す。
  • 個々の教員の研究活動をさらに組織化して、国際的な共同研究やシンポジウムなどの企画・運営をサポートする。


2. 世界各地域でのパートナーシップの構築
Build Worldwide Partnerships


世界の複数の地域において、質の高いパートナーシップをもとめ、本学の教育目標の達成を図るとともに、パートナーの目標達成のためにも有効な関係を構築する。

  • 本学が協定締結している大学や、国際赤十字社、UNHCRなどの国際機関との連携を強め、実質化する。また、新たな国際機関・民間企業・NGOなどとの連携・協働の可能性を探る。
  • 世界の諸地域へのフィールド・スタディやボランティア実習などのプログラムを開発し、社会貢献とグローバル教育の機会を本学のコミュニティに提供する。
  • 今後に大きな高等教育のニーズが生じるであろうASEAN・中国・中東などの諸地域に対して重点的なアプローチと連携強化を行う。
  • 本学の研究・教育資源として国際平和研究所・キリスト教研究所あるいは「内なる国際化」プロジェクトなどの活動との情報共有化、また共同事業の展開を行う。
  • 本学が所在する東京都港区及び横浜市戸塚区、あるいは連携協定を締結している長野県小諸市や岩手県大槌町の地域のイベントや学校の活動への関わりをさらに強める。本学学生とくに留学生の参加を促し、海外の協定大学などと共に実施するプログラムを通して、地域の活性化、国際化に貢献する。


3. 国境なきラーニングの提供
Offer Borderless Learning


ICTテクノロジーなどを使った教育技法を導入し、国境を越えた教育機会をより多くの学習者に提供することで、本学の国際社会への貢献を図る。

  • 実社会に触れるフィールド・スタディやインターンシップなどの学習をオンライン教育との併用などでさらに充実させ、その学びを他者と共有するプラットフォームをつくる。
  • 国内外の協定校やその他の機関と協力体制をコンソーシアムなどの形成で強化し、COIL (Collaborative Online International Learning)の実践により、より多くの学生に国境を超えた学習と文化コミュニケーションの機会を作り出す。
  • MOOCsなどオンライン教材とLearning Analyticsを学内に導入することにより、国際教育との統合と標準化を図る。
  • 国際社会でリーダーシップを発揮できる学生の育成のため、国内外でのリーダーシップ育成プログラムやプロジェクトを導入する。
  • 外国人留学生の日本語学習と日本人学生の英語や中国語を含む言語教育を充実させることにより、多言語と多文化環境の元での教育を提供する。


4. 多文化共生社会へのアプローチ
Embrace a Diverse Community


本学学生とともに、アジアやその他の地域の人々が学び、対話を行う「ゲートウェイキャンパス」をつくり、多文化共生コミュニティのモデルとなる大学を目指す。

  • 英語による授業開講比率を各教育課程において高め、ダブルディグリー、ジョイントディグリーなどの制度を充実させて、外国人留学生にとって魅力的な教育環境をつくるとともに、卒業後のキャリア支援を行う。各学科における英語による開講比率の目標設定を導入する。例えば現行300開講足らず(4.4%)を2025年度までに500~600開講(約8%)程度をめざす。
  • 系列校・指定校との高大連携による外国語・国際教育の共同開発、また国際バカロレア課程をもつ高校、スーパーグローバルやスーパーサイエンス・ハイスクール、TOEFL・IELTS導入などの先進教育を実施する高校との連携を強める。
  • 多様で柔軟な入試制度の導入、協定校制度の活用、さらに世界各国から短期・長期留学生の受け入れ制度を拡充して、留学生比率を増加することにより、多文化・多言語共生キャンパスの創出を目指す。UNHCRとの連携による難民子弟の入学をさらに拡充すること、あるいは全学における9月入学の実施をめざすことが望ましい。これらを通じて2025年度までに非日本人の学生比率5%の実現をめざす。
  • 教員に占める外国人及び外国の大学で学位を取得した専任教員等の割合を増やすため、国際公募の実施率を向上させる。





まとめ

以上に述べたビジョンに基づいた「国際教育」を実施するために、全学的にその位置づけとプロセス、成果について共有化・可視化を図ることが肝要であろう。諸施策の実施を通じて、どのような成果が達成されているかについて国際化に関わる種々のデータを集めて、分析を行い、「ファクトブック」やウェブサイト上に公表することを提案する。さらにその結果に基づき、さらなる改善点への見直しを行い(PDCAサイクルの導入)、本学の教育と研究の中に国際社会へのアプローチと統合を大学の基本理念の中に構造的に組み込むことをめざす。本ビジョンの実現の目処を2025年度までとする。




「国際化ビジョン2018」の数値目標について

2025年までの数値目標は下記の通りとする。

  1. 協定校数  83校
  2. 派遣学生数 800名(単位認定をともなう海外学生派遣数)
  3. 受入学生数 600名