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「戸塚まつり‘99」報告書-DRP(Dish Return Project)

湯浅智恵子(99年度 明治学院大学 戸塚まつり準備会 Dish Return Project担当 )

戸塚まつりとは?

明治学院大学横浜校舎でおこなわれる、大学と学生と地域が一緒になっておこなう大学祭です。正式名称を「明治学院大学戸塚まつり - コミュニティフェスティバル‘99 - 」といいます。99年度は、5月22日(土)、23日(日)に行われました。

基本理念の1つに「環境問題に積極的に取り組みたい」という項目があります。そこで、今年もDRPとゴミの分別がおこなわれました。

‘99戸塚まつりにおけるDRPについての概要説明

■DRPのしくみ

[図]DRPのしくみ[写真]食器を洗うお客さん

DRPとは、Dish Return Project の略です。その名のとおり、皿を捨てずに使いまわす取り組みのことです。戸塚まつりでは、お皿のほかに、お椀やコップ、スプ-ン、フォークも使いまわしました。食器類には、50円のデポジット金をかけましたが、スプーン、フォークにはかけませんでせした。

まず、模擬店に食器を一枚50円で買ってもらいます。食器の購入は、まつり当日で、種類や数などは、事前に希望を聞いて用意しました。

次に、模擬店は、商品の代金に食器代の50円をプラスした値段でお客さんに売ります。

それを買ったお客さんは、食べ終わったら食器を持って最寄りの洗い場へいきます。洗い場では食べかすを落としてお客さん自身に洗ってもらいます。そして、食器代50円を返金します。

[写真]図書館前洗い場 [写真]ヘボン像前洗い場 [写真]中央洗い場

■食器貸し出し・返却方法

貸し出しは、まつり当日朝9時から行いました。最初の貸し出し枚数は、100枚までとし、足りなくなったら追加購入してもらいました。追加購入は、まつり開催中随時受付け、あまった食器はその日のうちに返却してもらい、枚数分の額を返金しました。返却は、まつり終了1時間後までとしました。(受付け時に、時間、団体名、購入者名、食器の種類、金額をチェックリストに記入。また、食器の種類、数を記入したDRPカードを模擬店に配り、模擬店側の控えにしてもらいまいした。)

また、貸し出し・返却所は、洗浄機のある生協食堂に設置し、洗浄された食器がすぐ貸し出せるようにしました。

■洗い場での流れ

  1. 食べかすを生ゴミ入れに捨て、小さく切った新聞紙で食器の汚れを拭き取ってもらう。(新聞紙は、燃やすゴミの袋へ。)
  2. 石鹸水のはいったたらいで、スポンジを使って洗ってもらう。(割り箸、スプーン、フォークも一緒に。割り箸は、王子製紙に送って再生紙にするため、軽く洗います。)
  3. 水のたらいですすぐ。(2回)
  4. 割り箸、スプーン、フォークは、専用の回収ボックスへ入れてもらう。
  5. 食器をスタッフが受け取り、50円を返金する。
  6. 手ふきタオルで手を拭いてもらう。
※1時間ごとに区切って、種類別の数をチェックする。

■洗浄の仕方

お客さんが洗っただけでは、衛生上問題がありますので、熱湯消毒をします。

まつり当日は、生協食堂を貸し切りにしてもらい、洗浄機で昼ごろから回収された食器を洗い始めました。生協の方は、好意的で快く洗浄機を貸してくれました。

DRPには、食器を使用する模擬店は強制参加です。まつり開催中に、使い捨て容器を使用した模擬店には、ゴミ拾いのペナルティを課しました。

まつり当日までの準備

■食器集め

当初、食器は購入する予定でしたが、安く売ってくれる業者が見つからず、企業から要らなくなったものを提供してもらうことになりました。

方法としては、食堂や寮などを持っていそうな大きな企業を中心に食器提供願いメールを出しました。約60社ほどに出し、7社から食器の提供がありました。しかし、それだけでは、足りないので、慶応大学SAEIから食器を借りました。

明治学院大学横浜校舎から近いということと、種類や数が揃っているということからSAEIを選びました。 事前に一度下見に行き、2週間ほど前に借りにいきました。

借りた食器

青リッチェル、黒リッチェル、きゃんえこお椀、漆器のお椀、透明コップ、黄コップ

提供してもらったもので使用した食器

魚皿(四角い平皿)、日産(楕円形の平皿)、明治製菓(お椀)、エプソン(丸平皿)、ゆのみ、スプーン、フォーク

■模擬店参加者に向けて

模擬店の参加申込書を出した団体には、料理の詳しい内容や、皿必要枚数や形などを書いてもらう模擬店企画書を渡しました。 また、模擬店説明会で、お皿の実物を展示しました。企画書に書いてもらった数をもとに、全体の必要枚数と形の見当をつけて用意しました。

また、企画書を渡すと同時にDRPの説明を書いたプリントも渡し、模擬店説明会で説明しました。さらに、最終模擬店説明会では、当日の詳しい流れなどを書いたプリントを配布し、最終確認を行いました。

■前洗い

前洗いは、集めた食器をまつり前に一度洗うことです。

まつり1週間前から、放課後を使って生協食堂の洗浄機で洗いました。洗浄機は、熱湯消毒をするタイプのものです。

■その他

まつり当日の動き

  1日目 2日目
7:30 DRPスタッフのミーティング、洗い場の準備
9:00 食器の貸し出し開始
9:30 他大学からのお手伝いの方集合、ミーティング(仕事の説明など)
10:00 まつりスタート
  まつり開催中
16:00 (2日目)まつり終了
17:00 (1日目)まつり終了 洗い場を閉める
17:30 洗い場を閉める 食器の返却受付け終了。食器を洗って、数の確認。食器を移動。
18:00

食器の返却受付け終了
食器を洗って、 次の日のスタンバイ

2日間とも、たくさんの方にお手伝いにきていただきました。

反省点

■当日の反省点

[写真]洗い場の混雑 [写真]ただいま統計中

■全体を通しての反省点

この場を借りて感謝の意を表します。

■当日手伝いにきてくれた方

■食器を提供してくれた企業

担当者から

まつり当日は、両日とも晴天に恵まれ、なんとか無事に終えることができました。主婦や年配の方には特に評判がよかったらしく、うれしいかぎりです。

DRPを体験した人が、まつりという非日常の体験を、日常の生活に少しでも生かしててくれることを願います。

戸塚まつりで、DRPを実施するにあたって、たくさんの人に協力していただきました。準備段階でアドバイスをしてくれた方、当日手伝ってくれた方、そして何よりも励まし、応援してくれた方、本当にありがとうございました。


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