新入生・在学生の皆さんへ



 2011年度の新学期を迎えるにあたり、このたびの東日本大震災により被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。

 平穏な生活を襲った自然の猛威は広範に及び、震災の影響は予想をはるかに超えて深刻です。被害の全貌はまだ明らかになっていませんが、復興の道程は険しいと言わざるを得ません。また、原子力発電所の連鎖的な事故も重なり、さらなる不安に私たちの生活が晒されています。

 新入生・在学生の皆さんは、今さまざまな困難と大きな不安の中で新学期の準備をされていることでしょう。社会の機能不全により必要な手立てが思うように得られないことに苛立っておられるかもしれません。しかし、どうかそれぞれこの事態と冷静に向き合い、落ち着いた対応を取られることを願います。

 本学はこの事態への対応として、入学式典を中止し、また授業の開始や新入生向けのオリエンテーションなどを遅らせることにより、皆さんが少しでもゆとりをもって新生活を立ち上げることができるよう措置いたしました。

 また、刻々と変化する状況に即応した大学の決定を速やかにお知らせするため、大学ウェブサイト、携帯サイト、学内ポータルサイト「ポートヘボン」を活用した伝達手段を立ち上げると共に、より直接的にはメール、電話、郵便なども利用しながら、連絡には万全を期しています。

 新入生・在学生の皆さんは、こういった情報に充分注意しながら、新学期にむけての準備・手続きを、それぞれの場所で希望を持って進めてください。特に被災地出身の新入生は、たとえオリエンテーションなどに参加できなかったとしても個別に対応しますので、心配しないでください。

 被災した学生には、物心両面でご支援すべく、学費の減免、奨学金の充実、学生サポートセンターを中心とした心のサポートなど、あらゆる面で安心して学べる環境を整備します。勉学や学生生活に関する不安や困難があれば、どんなことでもためらわず相談してください。

 また本学は、今こそDoforOthersの教育理念を掲げ、ボランティアセンターを中心とした全学的な被災地支援活動を推進しようとしています。新学期からの大学生活の中では、多くの学生がこのような復興活動にも積極的に参加してくださることを願います。建学の精神と教育理念については、オリエンテーションの期間にチャペルで行なわれる入学礼拝において、新入生にはあらためてお話するつもりです。

 過去に例を見ない未曾有の災害による甚大な被害を蒙っています。しかし、この苦しみは、私たちすべてが分かち合わなければならない試練です。これから新学期を迎える学生ひとりひとりが、明治学院大学の学生として私たち教職員と共にこの困難を担い、一致して事態に立ち向かうとき、復興への大きな力がこの大学から生まれると信じます。

 どうか安全に充分な注意を払いながら、あせらず新生活への準備を整えてください。そして、新緑の候、皆さんとお目にかかれることを楽しみにしています。


2011年3月25日

明治学院大学
学長 大西晴樹

[*] 交通アクセス
[#] お問い合せ
[0] トップへ戻る

(C) Meiji Gakuin University