2002年10月

10月30日

 チャーマーズ『意識する心』(白楊社)[bk1amazon]をちゃんと読むため、飯田『言語哲学大全 V』[bk1amazon]で可能世界意味論を付け焼刃。むずい。

 『ミシェル・フーコー講義集成 5 コレージュ・ド・フランス講義 1974-1975年度 異常者たち』(筑摩書房)[bk1amazon]、ほんまにそれでええんかと思いつつ買う私。すみません。

10月28日

 今月から Amazon.co.jpもリンクします。

 ダン・スペルベル『表象は感染する 文化への自然主義的アプローチ(新曜社)[bk1amazon]、前提となっているらしいスペルベル&ウィルソン『関連性理論 伝達と認知(研究社出版)[amazon]に手が出なくて一年ぐらい積ん読だったが、思うところあって読んでみた。難しいところもあるが、非常に有意義である。彼の「表象の疫学」構想は、ミーム論を生産的に乗り越える(表象は時に遺伝子のようにも、あるいはウィルスのようにも、あるいは最近のようにも、またあるときはただの汚染物質のようにも振る舞うのであって、その一般理論などあり得ない?)ものだと思う。

 飯田隆『言語哲学大全 T・U・V・W』(勁草書房)bk1amazon(Wのみ)]、15年を経ての完結を記念して全巻一挙購入。最初からちびちび買ってよんどけばよかった。ちなみに『W』のテーマはデイヴィドソンの意味論。更にデイヴィドソンの構想を本格的に日本語に適用した作業として、同著者の『日本語形式意味論の試み』は専門家の方々にのみおすすめ。

 竹森俊平『経済論戦は甦る』(東洋経済新報社)[bk1amazon]、70年前のフィッシャーとシュンペーターに思いをはせつつ、日本の経済政策を巡る論戦の、現時点での交通整理として好適。シュンペーター流「創造的破壊」論を検証したCaballero & Hammour(1996,2000)の紹介がポイント高し。結論的には、「創造的破壊」論はやっぱだめみたい。したがって「構造改革」も……。なお不良債権処理は「ポンプの水圧を上げる役には立たないが、水の通りをよくする役には立つ」とのこと。

 マイケル・マン『ソーシャル・パワー:社会的な〈力〉の世界歴史T』(NTT出版)[bk1amazon]はマクロ歴史社会学の大著で畠山さんの『動員史観』のネタ本の一つ、続編の翻訳も出るようにみんなで買いましょう。

 今年も『SIGHT』恒例「べすとぶっくすおぶびじねすあんどさいえんす」の季節がやって参りました。今年は対談じゃなく原稿なのでおいしさがいまいち。


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