left2.gifup2.gifright2.gif pmjs 日本語版 14(2004.03.02)


*訃報(ルネ・シーフェール教授)
*講談社辞書(→研究社辞書)
*源氏物語人物系図
*丁寧な出版社
*愚管抄と藤原氏(1120-1156)
*日本国見在書目録
*東京ワークショップ
*南総里見八犬伝
*訃報(網野善彦先生)
*カズオ・イシグロ
*延喜式 


もしオフリストで質問者に直接ご返事頂けるときは、それぞれのメールア ド レスに直接返信して 下さい。その他の返事ならびに質問などはwat...@...eijigakuin.ac.jpに送って下さ い。英訳します。

メールの総数: 33通
期間:2004年2月15日 - 3月3日
リンクなどは最後にあります。


Subject: 訃報
From: Jacques JOLY <jolyj...@...e.fr>
Date: 2004年2月15日 15:33:21:JST

フランスを代表する日本研究者ルネ・シーフェール元Inalco (Institut National
des Langues et Civilisations Orientales) 教授が昨日(2月14日)亡くなりました。ご冥福を祈ります。住所は 10 avenue de la Republique 15000 Aurillac.

Jacques JOLY


Subject: 講談社辞書

From: rb...@...mes.cam.ac.uk

Date: 2004年2月16日 244:58:JST


翻訳に大きな功績をなしたルネ・シーフェール氏の死について言及してありましたメールのフッター(footer)で、講談社日英辞書について書かれてありましたが、リンクなどありませんでした。この辞書について知りませんが、どなたかもしご負担でないなら、手早く書評を出してくださらないでしょうか。多少変わった校訂がなされているとか聞きました。例えば項目が仮名文字になっているとか。日本語を読める方には良いでしょうが、ちょっと国際化の方向とは逆行していませんか。それから、もっと重要なことですが、アクセントの表記も無くなってしまったとか。本当でしょうか。とするなら、私は購入しないと思いますし、学生にも推薦しません。その他何か情報があればお教え下さい。

Richard Bowring


Subject: 講談社辞書

From: wat...@...eijigakuin.ac.jp

Date: 2004年2月16日 812:57:JST


研究社の英和辞書類(新和英大辞典、又英和、和英中辞典や他の辞書類がリンクに含まれています))に関するリンクを付け忘れました。すみません。

http://www.kenkyusha.co.jp/online-dic/on-dic1.html

http://kod.kenkyusha.co.jp/demo/


上のリンクは紹介文で、次が「あ」と「a」の項のデモ版です。


「翻訳のメーリングリスト」に短いのですが、貴重な議論と編集に携わったTom Gallyのコメントが載っています。

http://asia.groups.yahoo.com/group/honyaku/messagesearch?query=Kenkyusha

(文字化けする場合は、テキスト エンコーディングをEUCにするといいかもしれません)。


編集:以下略(英語版をご覧下さい)

Michael Watson


英語版:

http://www.meijigakuin.ac.jp/~pmjs/logs/2003/2004.02.html


Subject: 辞書

From: rb...@...mes.cam.ac.uk

Date: 2004年2月16日 846:33:JST


講談社ではなく、もちろん研究社でした。アクセント表記が無くなってしまったのは本当に残念です。

Richard Bowring


Subject: 求人オックスフォード大学(二年契約)

From: wat...@...eijigakuin.ac.jp

Date: 2004年2月16日 21:47:21:JST


編集:英語版をご覧下さい。 


Subject: 源氏物語人物系図

From: sbkl...@....edu

Date: 2004年2月17日 723:24:JST


皆様


ジェンダーと日本文学のコースで源氏物語を教えております。pmjsの源氏物語の巻名リストや人物リスト並びに系図は大変役に立っております。感謝いたします。


バウリング教授のMurasaki Shikibu: The Tale of Genji(再版良かったです)に付載されているすばらしい人物系図ですが、紫上の父兵部卿宮の父帝、先帝が藤壺宮の父として繋がれていませんが、この先帝は藤壺の父でもあるのですよね。


Susan


Subject: 源氏物語人物系図

From: duckho...@...dspring.com

Date: 2004年2月17日 11:46:51:JST


そうですね。この先帝は藤壺の父でもあるわけですね。「若紫」の巻にそうありますね。


Kenneth J. Bryson


Subject: 源氏物語人物系図

From: mgwat...@....com

Date: 2004年2月17日 12:27:17:JST


バウリング教授の本からスキャンして人物系図をpmjsに載せました時に、オリジナルを二カ所ほど少しだけいじりました。六条の名前のミスプリントの訂正と先帝は兵部卿宮と藤壺の父帝であるということをはっきりさせたことです。これは先帝からの縦の傍線を兵部卿宮と藤壺のきょうだいの横線に繋げるだけの簡単な作業でした。両方の訂正ともにそうしたことを明示してあります。

確かバウリング教授ご自身がその時この二つの訂正箇所について私の注意を促してくれたのだったと思います。

http://www.meijigakuin.ac.jp/~pmjs/resources/genji/genji-chart.html


Michael Watson


Subject: 源氏物語人物系図

From: rb...@...mes.cam.ac.uk

Date: 2004年2月17日 17:41:05:JST


人物系図のこの縦の線も第一版の誤脱のひとつです。第二版では直っています。間違いはどうしても出てしまいます。二版の人物系図は、ずっとわかりやすくなっていますが、見開き頁の間が離れすぎていて横の繋がりが見づらくなっているのが少し残念です。よくあるように、もう訂正がきかなくなってから見せられても、です。丁寧な出版社を知っていたら教えて下さい。人物系図におけるもうひとつの訂正は、タイラー訳の呼称をいれておいたことです。

Richard Bowring


Subject: 丁寧な出版社

From: poll...@...l.rochester.edu

Date: 2004年2月17日 21:33:48:JST


コーネル大学の東洋シリーズを出しているところはThomas d. Conclanの著書"In Little Need of Divine Intervention: Takezaki Suenaga's Scrolls of the Mongol Invasions of Japan"(蒙古襲来絵詞)のような右開き本を出版するような面倒を喜んでやる出版社です。他のところだったら出版しなかったのではと思います。これを手元に持っていませんので、補助金が出ているのかどうかちょっと私はわかりません。


david pollack


Subject: 訂正

From: poll...@...l.rochester.edu

Date: 2004年2月17日 22:22:12:JST


著者名を間違えました。thomas d. conlanでした。助成金は、シリーズを見て調べてみましたが出ていないようです。

david pollack


Subject: 丁寧な出版社

From: tcon...@...doin.edu

Date: 2004年2月17日 23:51:08:JST


私の出版社はすばらしいです。コーネル大学の東洋学シリーズを出しています。

編集注:以下略英語版をご覧下さい。


Tom Conlan


Subject: 愚管抄と藤原氏(1120-1156)

From: nicole.rie...@....net

Date: 2004年2月18日 22:16:32:JST 


皆様


保元の乱前夜の藤原一族の(忠実、忠通、頼長の)仲違い、また慈円の愚管抄についての近年(九〇年代)の出版物について何かご存じの方はいますでしょうか。


修士論文の為に集めた論文や研究書の大半が一九六〇年代、七〇年代、八〇年代のものばかりです。


英語などで書かれている何十年にもわたる歴史雑誌などをみてみましたところ、近年この問題については、多少の例外はあるでしょうが、あまり研究がなされていないような印象を受けました。


ご教示お願い致します。


Nicole Rieder

(graduate student, University of Munich, Germany)


Subject: 愚管抄と藤原氏(1120-1156)

From: mgwat...@....com

Date: 2004年2月19日 13:28:47:JST


この時期について書かれた英語による最も重要な本はpmjs会員のMikael S. AdolphsonのThe Gates of Power: Monks, Courtiers, and the Warriors in Premodern Japan(University of Hawaii Press, 2000)です。忠実、忠通の仲違いは"Factionalism..."の章(一二六頁から)で論じられています。またThe Cambridge History of Japan_, Vol. 2 Heian Japan (1999)もご覧になったらいかがでしょうか。最後の竹内理三氏の"The rise of the warriors" で扱われています。索引を見ればもっと出てくるでしょう。


忠実、忠通は『今鏡』にも出てきますが、二人の仲違いについては全く触れられていません。John R. Bentleyの翻訳 _Historiograpical Trends in Early Japan_ (Edwin Mellen Press, 2002), pp. 173-4を参照して下さい。


雑誌論文に関してはあまり分かりませんが、どのようなものがあるか興味があります。

Michael Watson


Subject: 愚管抄と藤原氏 (1120-1156)

From: adol...@....harvard.edu

Date: 2004年2月19日 15:48:21:JST


Dear Ms. Rieder,


親切にもマイケルが拙著を引き合いに出してくれていましたが、もう少し深いことをお望みでしたら、貴方の研究にはあまり役に立たないと思います。一二世紀半ばの藤原氏の内紛に関してはもう長いこと手を付けていませんが、思いつくところでは二つほどあります。


五味文彦『院政期社会の研究』は大変役立ちます。ただこれは一九八四年に出版されているので、ご覧になったとは思います。もうひとつは本木泰雄『院政期政治史研究』(日本語の研究書のタイトルの多様性に乾杯ですー笑ーネ)これは一九九六年の出版です。藤原氏についての非常に詳しい論述があります。すくなくとも「武士階級の登場」という観点から保元の乱を扱ったものを除いては、一般に、この時期については欧米ではあまり取り扱われていません。


言うまでもないことですが、Bodart-Bailey教授ご指摘のように(編集注:Bodart-Bailey氏による皆もっと『雑誌記事索引』にあたるようにというメールが送られましたが、この一連のやり取りは今回は削除してありますので、興味のある方は英語版のほうをご覧下さい)、『雑誌記事索引』をご覧になったらいかがでしょう。私はみていませんが、いろいろな検索語で探してみれば、論文がいくつか見つかるのではないでしょうか。


Good luck,


Mikael Adolphson

Associate Professor, Japanese History

Department of East Asian Languages and Civilizations

Harvard University


Subject: 日本国見在書目録

From: lc...@...thlink.net

Date: 2004年2月20日 16:51:03:JST


『日本国見在書目録』は中国に現存しない書物も含まれているということで、中国の研究者の興味を惹くところのものですが、当該書が中国の研究者の注目を集め始めたのはいつごろのことかどなたかごぞんじでしょうか。 


Lewis Cook


Subject: 日本国見在書目録

From: guelb...@...eda.jp

Date: 2004年2月22日 18:26:52:JST


同僚のMeng Sun教授が『日本国見在書目録』の研究をしており、これに関する中国語の論文を出しています。日本語に翻訳されているもの(早稲田大学法学部『人文論集』No. 38, 1999, pp. 71-101)もあります。ご本人に直接お訊ねになってはいかがですか。メールアドレスは以下の通りです。

sunm...@...eda.jp


Sincerelly yours


Niels Guelberg


Subject: 日本国見在書目録

From: lc...@...thlink.net

Date: 2004年2月24日 221:57:JST


ありがとうございます。 Sun教授に連絡を取ってみます。またオフリストでのメールもありがとうございました。


L Cook


Subject: 東京ワークショップ

From: wat...@...eijigakuin.ac.jp

Date: 2004年2月25日 011:35:JST


十二月の忘年会の前に八人ほどが集まって、研究の展望について語り合いましたところ、いろいろと有益でしたので、同じようなワークショップをまた開催します。三月十二日(金 於明治学院大学白金校舎)です。幾人かの方にはオフ・リストで連絡を取りましたが、発表者現在四人ほど集まっています。発表したい方がいれば、まだ受け付けます。ラウンドテーブルを囲んでの会となりますが、まだ席に少し余裕があります。おそらく十二名ぐらいは入れると思います。また参加者は、発表をしなくとも自分の研究の展望などについて話してもらうこととなります。原稿を読むという形でもかまいませんし、気楽に語って頂くという形でもいいです。私としては、本文から引用とその翻訳とを提示してもらうという形式を取りたいと思っています。そこから、いろいろな話題をはじめるというふうにしたいと思います。


参加希望者はオフリストでご連絡下さい。

Michael Watson <wat...@...eijigakuin.ac.jp>


於 http://www.meijigakuin.ac.jp/~watson/zu/shirokane.jpg


Subject: 南総里見八犬伝

From: wal...@....harvard.edu

Date: 2004年2月25日 604:22:JST


滝沢馬琴、特に『南総里見八犬伝』を中心に博士論文をまとめています。博論には『八犬伝』の一部の翻訳を載せるつもりです。これまで英訳された部分は確認しているつもりですが、まだ発表していない翻訳を進めていっらしゃる方がいましたら、ぜひ知っておきたいと思います。


Thanks,


Glynne Walley

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Subject: 南総里見八犬伝

From: mstou...@...anlan.umass.edu

Date: 2004年2月25日 10:01:19:JST


修論の一部として、『八犬伝』の翻訳をやっています。長期にわたるプロジェクトです。


近年の『八犬伝』関連論文などは以下にあります。

Shirane Haruo編集 _Early Modern Japanese Literature_. Columbia UP, 2002.


また Leon Zolbrodさんの博論(Columbia Unversity, 1963)を入手されるとよいと思います。出版されたもの(といっても、今手元にありませんが、馬琴に関しての英語による唯一の参考書のようです)よりももう少し深いと思います。


Mark Stought

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Subject: 南総里見八犬伝

From: rleut...@...e.weeg.uiowa.edu

Date: 2004年2月25日 12:54:52:JST


皆様

そろそろ、いごこちのいい教室の環境から抜け出して、私の昔からの翻訳プロジェクトについて皆様に発表するべき時期かもしれません。『八犬伝』、ではなくて、『弓張月』のほうです。約三分の一ほど終わりました。授業では最初の数巻しか取り上げませんが。『八犬伝』を訳している人がいるのかどうか分かりません。でもこれだけ豊穣な本文に関して何かやっている人はお互い機密に連絡を取り合うべきでしょう。馬琴の引用した文献や漢字やルビの選択などの複雑な事柄や翻訳にどう反映させるかどこへむかうかなどのメモを取り、作品そのものについてどのように紹介すべきかなど、『弓張月』をやりながら、一日たりとも苦しまない日はありません。


討論をはじめるに充分な関心が皆様にあるでしょうか、それとも馬琴は依然として古くさい気取り屋すぎるでしょうか。


Bob Leutner

Iowa


Subject: 南総里見八犬伝

From: ajbry...@...iana.edu

Date: 2004年2月26日 849:06:JST


ああー

『八犬伝』の英訳は私の長い間の夢です。最高におもしろいですよね。どの部分を翻訳しようと思っていますか?

Tony


Subject: 訃報

From: mstav...@...nceton.EDU

Date: 2004年2月27日 14:43:13:JST


皆様

網野善彦先生の死亡についてたった今知りました。網野先生を個人的にご存じの方々にとってこれは大きな喪失です。


皆様と先生との思い出を分かち、追悼の意を表したいと思います。


Matthew Stavros


Subject: [Eminent Medieval Historian Amino Yoshihiko Dies]

From: brown....@....edu

Date: 2004年2月27日 15:12:15:JST


網野善彦氏が76歳で逝去されました。私よりも先生とご親交の篤かった方々がその御業績については詳しいことでしょうから、以下に読売新聞の記事を写すだけにしておきます。

Philip Brown


*中世日本史の第一人者、網野善彦氏が死去*


 日本中世史研究の第一人者で元神奈川大特任教授の網野善彦(あみの・よしひ

こ)氏が27日、都内の病院で亡くなった。76歳だった。


 自宅は、東京都練馬区関町南4の5の31。


 山梨県生まれ。東大文学部卒。奥能登地域の時国家に残されている古文書の調

査などを通じ、日本が古来、水田稲作を中心とした農業社会だったとする従来の

「水田中心史観」を否定。日本中世が商人や手工業者、漁民などをはじめ多様な

職業の人々が活躍した社会だったことを明らかにし、中世史研究に大きな影響を

与えた。


 主な著書に、「日本の歴史をよみなおす」「日本社会の歴史」「日本中世の非

農業民と天皇」「『日本』とは何か」など。編集した「日本の中世」シリーズで

昨年、毎日出版文化賞を受賞した。


 4年前に肺がんの手術を受け、その後通院していたが、先週の初めから体調を

崩し、入院していた。


 森浩一・同志社大名誉教授の話「中世史の専門家というより、日本文化全体を

見渡すことのできる、かけがえのない文化史家だった。日本社会にとって大きな

損失だ」


(2004/2/27/14:13 読売新聞)


Subject: カズオ・イシグロ

From: ...@...s.ac.uk

Date: 2004年2月27日 17:08:44:JST


皆様 

同僚の英文学者からカズオ・イシグロの小説の一部について次のような質問をうけました。ご教示を。


>ちょっと伺いたいのですが、カズオ・イシグロの_When We Were Orphans_(邦題『 わたしたちが孤児だったころ 』 )に関していま調べています

>が、以下の文章の出典を探っています。


>「みんな」、と車の外を指して、「こんなに苦しんでいます。私たち日本の歌人で大昔の宮廷女房が『どん>なにつらいことか、もし年老いて自分たちの幼年時代のことがまるで、外国の国のことのようになってしま>うのは』と詠んでいました。」


>この宮廷女房というのは紫式部でしょうか、それとも別のだれかでしょうか。和歌の原典はどうやって探せ>ば良いでしょうか。


Thanks.


Drew Gerstle

SOAS

University of London


Subject: カズオ・イシグロ

From: rb...@...mes.cam.ac.uk

Date: 2004年2月27日 17:49:04:JST


ピンと来るものはありません。実際平安和歌からの引用とは考えにくいです。幼年時代のことを扱った和歌というのも、思い出せる限りではあまりなかったように思います。が、百人一首のようなものじゃないですか。同僚の方がどうしてこれが実在の和歌から取られたと思ったのかということに興味ありますね。

Richard


Subject: カズオ・イシグロ

From: wat...@...eijigakuin.ac.jp

Date: 2004年2月27日 17:49:58:JST


玉鬘の乳母が右近に、長い不在から京にもどってきてみると、京はまるで、みしらぬ国のようだ(「しらぬよのここちする」)と語る場面が「玉鬘」にあります。カズオ・イシグロは『源氏物語』を読んだとしても、英訳で読んだと考えられます。英訳のほうが近似してますね。英訳は以下のようです。

"I gave up house and hearth, quitted sons, daughters and friends, and came back to the City which is now as strange to me as some foreign town" (Waley, p. 451 in Tuttle ed.)


"...so I threw away pots and pans and children and came running back to the city. It might as well have been the capital of a foreign country." (Seidensticker, p. 399)


"...set out toward what for me might as well be the unknown" (Royall Tyler, p. 418).


Michael Watson


Subject: カズオ・イシグロ

From: ...@...con.co.uk

Date: 2004年2月27日 22:41:30:JST


マイケル・ワトソンが引いていた英訳はカズオ・イシグロの引用の原典(すくなくともどれかひとつは)だという可能性がありますが、リチャード・バウリング教授がおっしゃるように、全く平安時代的ではありません。


とはいえ、カズオ・イシグロの小説の言葉は L. P. Hartley's 1953 novel 'The Go-Between(邦題『恋を覗く少年 』、 L.P.ハートレイ著)の冒頭文を思い出させます。多分、「過去は見知らぬ国だ、いろんなことが違ったふうになされる」というような書き出しだったと思います。また、これが、1970年の映画化の際に語り手(ジュリー・クリスティー)の言葉として有名になりました。1900年の幼年期の出来事が「過去」として問題になっているものです。これは日本古典文学の翻訳と現代英文学の古典(Hartleyの小説は英国の「近代の古典」シリーズなどに収められています)との「引用された記憶の混成」(contamination of allusive memory)の興味深い一例かもしれません。


でも、この基本的な考え方は、比喩としては一般的なものです。会員の方々は何か他の日本語や英語の用例を思い出すかもしれませんね。


Robert Khan


Subject: カズオ・イシグロ

From: i.b.sm...@....LeidenUniv.nl

Date: 2004年2月27日 22:45:07:JST


うーむ。一年ほど前にこの小説の文章を読んだ時には、英語の表現の変形だと思いました。「過去は外国だ」。東洋ではなく西洋のほうを探すべきかもしれませんね。


Ivo Smits


Subject: 南総里見八犬伝

From: wal...@....harvard.edu

Date: 2004年2月28日 13:12:06:JST


相当『八犬伝』に惹かれているっていうことを別にしても、罰を受けるのが好きな方、自分で自分に全部を翻訳すると約束してしまったのです。とはいえ、博論のレベルとしては、最初の十四巻、伏姫の死ぐらいまでを翻訳するつもりです。


Glynne Walley


Subject: 延喜式

From: nostr...@....org

Date: 2004年2月29日 713:09:JST 


皆様

近刊の『延喜式』の全巻についてご存じの方はいますか。巻1(1ー10、集英社、2000年)までを借りることができましたが、他大学から借りたのですが、後の巻についてははっきりしないのです。私は 31, 32, 33, 35, 37, 39, 40を見たいのです。


Thank you very much.


Barbara Nostrand


Subject: 延喜式

From: joa...@...il.usc.edu

Date: 2004年3月2日 17:00:01:JST


バーバラそして皆様


去年の夏に調べましたときに、あとの部分はまだ出版されていないということでした。


J. Piggott



英語の原文は以下のページにあります。
http://www.meijigakuin.ac.jp/~pmjs/logs/2004/2004.02.html

pmjs メールアドレス: p...@...eijigakuin.ac.jp (直接リスト全体へ)
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pmjs ホームページ(日本語)http://www.meijigakuin.ac.jp/~pmjs/indexj.html
日本語版の過去ログ http://www.meijigakuin.ac.jp/~pmjs/jpn/index.html
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