研究会 「アフリカの砂漠化と闘う人々:現役森林官の証言 〜森を守るとはどんなことか〜」 <共催> グローバル化と平和プロジェクト
マンスール・ディオプさん(Mansour Diopさん) (セネガル森林局、森林官)
日時
2008年 2月15日(金) 18:00−20:00
明治学院大学白金校舎 本館8階 81会議室 http://www.meijigakuin.ac.jp/access/index.html
参加費 無料、通訳あり 定員 40名 共催 TICAD市民社会フォーラム
お問い合わせ先 prime@prime.meijigakuin.ac.jp 明治学院大学国際平和研究所 〒108-8636 港区白金台1-2-37 Tel: 03-5421-5652 Fax: 03-5421-5653 http://www.meijigakuin.ac.jp/%7Eprime/
みなさまのご参加を心よりお待ち申し上げます。
持続可能な世界=地球を砂漠化が進行しているアフリカの現場から考えてみるのが勉強会の目的でした 。 講師は西アフリカのセネガルのサバナ地域で20年以上にわたり森林保護行政(現在環境自然保護省管轄)に携わってきたディオップ森林官。 まずセネガルの気候区分が紹介され、いかに1970年代以降雨量の低下傾向(1976年は大干ばつ)で植生が失なわれたかが強調された。 この気候変動と増大する人口による薪炭需要増加、農地の拡大などの人為的原因で、樹木は急激に減少し、沙漠化が進行した。 対策として1970年代から欧米の援助でセネガル政府は大規模な植林事業に手がけた。 しかし有償植林のための人件費や苗の広域大量配布はすでに危機的財政難に陥っていたセネガル政府にとって、大きな負担となり、沙漠化対策の新たな取り組みが必要となった。 1980年代から住民自身が森林減少による土壌悪化に気づき、自ら植林するという参加型アプローチが開始された。 ディオプ氏が担当するサバナ地域では国連食糧農業機関(FAO)や日本の海外青年協力隊もこうした介入方式を採用。具体的には対象となる村落で、苗畑作りや植林技術などについての啓発セミナーが森林局により開催された。樹種としては成長が早く、建築材などに使われるため現金収入源になるユーカリの植林が村人の間で人気生産物となった。 他方大西洋海岸部では防砂林のための植林が進められ、2004年からはこの国有林に周辺集落に対し組合契約で伐採許可も試行的に出している。いずれにせよ沙漠化対策は息の長い事業で、植えっぱなしでなく、きめ細かい事後チェック、ないしはフォローアップが不可欠である。 コメントとして、ODAで世界各地で森林案件に携わる専門家の方からはそれぞれの稚気の特性や文化的背景が異なり、安易なモデル化はできないとして、何よりも地域社会と外部からの介入側との間の信頼関係がポイントであるとされました。 また屋久島の森を20年以上も守るために活動されているNGO代表の方からは、森林お大切さに人々が認知することがまずは不可欠として、近年森に対する関心が高まり、森林ガイドとして、生活がある程度立てられるようになったことは心強いという指摘がありました。