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 東アジアの「過去」と「現在」を見つめ直し平和を語るカフェ
     2010年度第3回 アジアへの『まなざし』を捉え直す

    「衛生兵としての戦場体験と戦後の歩み」

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アジアへのまなざしを捉え直す:
「衛生兵としての戦場体験と戦後の歩み」
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日時:11月22日(月) 5限16:45〜18:15
場所:明治学院大学 横浜校舎 631教室

〒244-8539 神奈川県横浜市戸塚区上倉田町1518
http://www.meijigakuin.ac.jp/access/

中国や韓国をはじめとする東アジアとの関係は深まるばかりですが、日本におけるアジアへの「まなざし」はグローバルな時代に対応したものとなっているでしょうか?  昨年、多くの学生が戦争経験者の語りに耳を傾けた「東アジア平和カフェ」を、今年はさらにパワーアップして開催します。  戦争当事者が高齢化するなか、学生が直接語り合える貴重な機会は今しかありません。 第3回の講師・松本栄好さんは相模原市に在住する牧師であると同時に、近年に入り御自身の陸軍衛生兵としての戦場経験を広く語り伝える証言活動も始められました。現在の日本の状況を考えるとき、実際に中国の戦場で行ったことを特に若い人たちに伝えることは「自分の責務」であるとお感じになっています。 今回は、東アジア諸国からすれば自身の戦争行為はどのような意味をもって捉えられるのか、戦後はクリスチャンとしてその経験にどう向き合ってきたのかについてお話して頂きます。

講師:松本栄好さん(88歳、元陸軍衛生兵・日本キリスト教会)
共催:国際平和研究所・教養教育センターによる共同開催 (2010年度「アジア文化祭」行事の一つとして)


【お問い合わせ】
明治学院大学国際平和研究所(PRIME)
URL: http://www.meijigakuin.ac.jp/~prime
〒108-8636 港区白金台1-2-37
Tel:03(5421)5652/Fax:03(5421)5653
E-mail:prime@prime.meijigakuin.ac.jp


【報告】new!!
東アジアの和解や平和をめぐって、あの戦争の経験が現在の東アジアでどのような意味を持っているかを考えるために、戦争経験者から実際に戦争で何を経験したのか、そこからいま現在何を感じているかを学ぶことにしました。そこから、被害国と加害国との間の認識のギャップの意味を考えることが目的です。
今回は、陸軍衛生兵として中国山西省で従軍した経験をもつ松本栄好さんに語って頂きました。衛生兵とは軍医の助手のような立場で傷病兵の看病などを任務とするものでしたが、それだけではなく月に1回は日本軍の性奴隷=従軍「慰安婦」の性病検査などを担当されました。また、日本軍部隊が進軍した部落では掠奪や放火、農民や女性の拉致が日常的に行われていたということです。松本さんは、そんな日本軍の蛮行を可能にしたのは天皇制だとお考えです。そして、現在も天皇制が残り、何も疑問を感じず「天皇なんて関係ない」と思っている国民が多い点は、戦争の歴史を繰り返しかねない危険な兆候であると主張されました。
証言の後、複数の学生から活発で積極的な質問が行われました。「天皇制教育を受けた国民は、戦後すぐに民主主義に染まっていったというのは本当か?」「日本の総理大臣が靖国神社に参拝することには反対か?」といった質問に対し、松本さんは懇談的に対話をされました。終了時間を大幅に過ぎても質問が途切れず、非常に熱心な語り合いの場となりました。
参加者からは「自分なりに戦争について調べたり考えたりしてきたが、実際に経験者から証言を聴けて、自身の認識が浅いことに気付けた」といった感想が聞かれました。




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