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「東アジアにおける和解の模索」
サブプロジェクト公開研究会(兼東アジア平和カフェ・第四回)
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【開催概要】
テーマ:「東アジアにおける和解」のための整理と展望
「東アジアにおける和解」を模索するために、いま何を考えておく必要があるのだろうか――今年度までの取り組みを振り返りながら、今後の展望について議論したいと思います。
なお、この研究会は、予定していた「東アジア平和カフェ」第4回の場を兼ねたいと思います。第4回は戦争経験者による証言の機会を準備していましたが、依頼していた二名の方が直前になって亡くなられました。代わりに証言して下さる方を見つけるのも困難であったため、急遽中止としました。
今年は戦争経験をつぶさに語る証言者が相次いで亡くなりました。みなさん90歳前後以上の方ばかりです。証言者がいなくなりつつあるなかで、戦争とは何かをどのように知ることができるのか、戦争責任というものをどのように捉えていくのか、難しい課題が残されています。しかも、この課題を解決して「東アジアの和解」を実現しなければ、東アジアの危機を再び招来してしまいかねない状況にあります。
そこで、今年度の本サブプロジェクトはもちろん、昨年からの学生との東アジア平和カフェ、『PRIME』31号特集「東アジアにおける戦後和解:戦争は「終わった」のか?」、戦後65周年シンポジウム、アジア文化祭、平和教育週間、プロジェクト・メンバー独自の取り組みなどを振り返りながら、何ができて、何ができなかったのか、今後何を始めていくかについて議論していきたいと思います。
その際、今後は多くの所員、研究員、学生と連携した活動を深めていくために、期末試験前ではありますが、幅広いみなさんの参加も歓迎し、どのように現状を捉え、取り組みを具体化させていくかをともに考えていきたいと思います。これは、今後、サブプロジェクト研究の成果を学生に還元する場として、「東アジア平和カフェ」を積極的に位置づけていきたいという考えにも基づいています。
プロジェクト・メンバーもそれぞれの問題関心やこれまでの経過について率直にお話しして、問題意識を共有していければと思います。
日時: 2011 年 1 月 24 日(月) 16:30〜
場所: 横浜校舎 8号館3階ラウンジ
参加者:学生・教職員の参加を歓迎します。
プロジェクトメンバー 秋月所員、石田研究員、張宏波所員、ほか
【報告】
第4回目のカフェも、本来は戦争当事者の証言を予定していました。しかし、依頼していた証言者が相次いで亡くなられ、実現できなくなりました。証言活動が物理的に困難になっていることをあらためて感じさせられました。
第4回は、東アジア平和カフェを含めた戦争責任問題に関する今後の研究活動について、研究プロジェクトのメンバーを中心にして議論する機会としました。期末試験期間中でもあり、特に学生には呼びかけませんでしたが、複数の学生の参加がありました。そこで、東アジア平和カフェは学生向けの勉強会ですので、学生がどんなことについて学びたいと考えているのかを踏まえながら検討することができ、貴重な機会となりました。
これまでの東アジア平和カフェには一度も参加していない学生もいましたので、これまでの歩みを振り返りながら話を進めました。その中で、学生からは以下のような有益なコメントが聞かれました。「いきなり戦争というテーマで呼びかけると重くてなかなか近づきがたい。しかし、韓流ブームで韓国音楽など文化に興味がある若者は多いので、文化を入り口にして社会や歴史の問題に深めていくと、参加者も増えるのではないかと思う」「中国人の先生が日本の歴史問題について話をすると、反日的だなと感情的に反発を覚えるところがある。
日本人の先生が話をするとそういう反発は生じにくいので、両方の先生がいることはいいことだと思う」「もっと多くの明学生とこういう問題に関して議論したいので、時間や曜日の設定にも工夫してほしい」などというものでした。 学生と一緒に平和カフェを作っていくという側面を来年度は強くした方がよいという方向性を明確にすることができました。
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