日本近代音楽館第3回レクチャーコンサートを開催

洋楽渡来考

講師:皆川達夫(お話・指揮)
出演:中世音楽合唱団


日時:2014年11月8日(土曜日) 14時30分開演
場所:明治学院大学白金キャンパス アートホール
入場無料(要予約) 

席数に限りがありますので、お早めにご予約ください。

ご予約:東京コンサーツ TEL03-3226-9755 FAX03-3226-9882

曲目:

『サカラメンタ提要』より かかる尊い秘跡をば 来たれ創造主なる精霊
『キリシタン・マリア典礼書写本』より めでたし海の星
ジョスカン・デプレ 千々の悲しみ
トマス・ルイス・デ・ビクトリア アヴェ・マリア
フランシスコ・ゲレーロ 贖い主のおん母
ほか

講師からのメッセージ:
ヨーロッパ音楽、洋楽が日本に導入されたのは明治開国前後の時期というのが、ほとんど常識のように受けいれられています。ところが実はそれに先立つ300年も昔、つまり今日からほぼ4世紀半前の16・7世紀、いわゆるキリシタン期のわが国にすでに洋楽が渡来し、日本人は積極的にそれに好奇の耳をかたむけ、自分たちで歌い奏(かな)でようとしました。残念なことに1614年(慶長19年)以降の「キリスト教禁制」のため、せっかく繁栄の途上にあった洋楽は根こそぎ絶やされることになりました。
 今回は、そうした状況下にあって奇跡的に残されたいくつかの手がかり・・・・・・唯一のラテン語聖歌楽譜史料である『サカラメンタ提要』、ラテン語による祈祷文を変体仮名で書き記した『キリシタン・マリア典礼書写本』(東京国立博物館所蔵)、今なお長崎県生月島の「かくれキリシタン」が歌い継いでいる「オラショ」、さらには箏曲『六段』に刻まれたラテン語聖歌の影響などを、中世音楽合唱団の演奏とCDをまじえてお話しします。   (皆川達夫)