日本近代音楽館レクチャーコンサートシリーズVI 前衛の種子たち―「グループ・音楽」の日々

開催日 2017年11月11日(土)
時間 14:00開演(13:30開場)
会場 明治学院大学白金キャンパス アートホール
主催 遠山一行記念日本近代音楽館
講演 佐野光司.............音楽学
座談会 水野修孝.............作曲家、「グループ・音楽」メンバー
塩見允枝子...........作曲家、「グループ・音楽」メンバー
一柳慧................作曲家
佐野光司(司会)
音源再生

即興演奏「デュエット」(小杉武久+水野修孝 1958)
集団即興「オートマティズム」(グループ・音楽 1960)
集団即興「メタプラスム・9-15」(グループ・音楽 1961)
ほか

グループ・音楽 戦後日本の最前衛

 1950年代の終わり頃、日本の現代音楽の最前衛は「軽井沢現代音楽祭」(57-59)に集約されるようにセリー音楽だった。ジョン・ケージの名前は知られていたが彼の音楽の内容・意味は全く知られていなかった。「グループ・音楽」という名称は何年に付いたか定かではないが、彼等が自分たちの即興音楽を開始したのは1958年からだ。つまりセリー音楽が最前衛だった時代に、60年代を支配する不確定性の音楽(当時はまだこの言葉は普及していなかった)を始めていたのだ。
 水野修孝、小杉武久たちが目指したのは、一口に云えば「生きている音を楽譜の中に閉じ込めない」というものだったと思う。そうした思考はケージが早くから持っていたが、彼等はケージの思考を知る前に日本で始めたのだ。「グループ・音楽」第1回演奏会は1961年、つまりケージの来日の前年である。彼等は集団で即興演奏を試み、そこから各々の道を見出していったが、集団による即興演奏がヨーロッパで話題にされたのはシュトックハウゼンの《7つの日より》(68)からだから「グループ・音楽」が如何に時代に先行していたかが分かろう。
                               (佐野光司)

ちらし ちらし

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