1997年度の総合科目B(人間とは何か)の概要は以下の通りです。
池上先生,荒川先生,南條先生,そして私,岡明が担当しています。
岡明の担当は,11月25日からです。「教育における人間」というテーマで5回,講義を行います。
「人間とは何か」という問いに答えるためには,多種多様な答え方があろう。 定義する人の数だけ,答え方があるといっても過言ではない。 最終的には,学生一人ひとりが「人間とは何か」について 自分なりの答えを見つけていくことが望ましい。本講義では,その手助けとして,「教育における人間とは何か」を検討していく。
@「教育問題における人間像(1)−体罰を中心に−」
現在の教育現場では,裏表(本音と建て前)の人間観が存在し, それが大きな教育問題(登校拒否,暗記教育など)を引き起こしている。 教育現場において,児童・生徒がどのように捉らえられ, どのような人間に育成されようとしているのか,について, 新聞・雑誌を紐解きながら,問題状況の把握に努めていく。
A「教育問題における人間像(2)−教育改革を中心に−」
教育をどうしたら良いのか」ということで,改革流行りである。 教育改革の実態を,指導者vs学習者の側面で明らかにし, これまでどのような人間像のもとで, 教育がなされてきたのかを検討する。
B「教育における人間像−デューイの所論を通して−」
現代の教育問題を垣間みることで,現代社会の複雑な人間模様の一端が明らかとなった。 次に,私たちはどのような人間観を持てば良いのかが問題になる。 そこで,進歩主義的な考えを持ち, 今世紀初頭の教育界をひっぱてきたアメリカの教育学者, ジョン・デューイの著作を紐解きながら, 「教育によって生み出される人間」について検討する。
C「教育における人間像−ディスカッションを中心に−」
これまでの検討の結果をもとに,人間をどのように捉え,教育現場ではどのような人間を育成すべきか, について学生一人ひとりに自分なりの考えをまとめさせ,その具体的な方策について提案させていく。
1)人間をどのように捉えるか,なぜそのように捉えるのか
2)教育現場ではどのような人間を育成すべきか, なぜそのように考えるのか
3)そのような人間を育成するためにはどうすべきか
4)徐々に進めるとしたらまず何から始めるべきか