* 網野著書の翻訳
* Kannon/Kwannon (観音)
* 新規会員と変更など
* 石川大名児
* 能夏期セミナー
* 『日本文学研究協会の学会論文集』
* 芸能
* 能ビデオ・DVD
* 日本史・美術史学会(シカゴ)
* 「能楽における平家物語」学会(セント・ルイス)
* 『トップ・ガールズ』の雁の引用
* たのむの雁
* オンラインテキスト『兵範記』抜粋
* 和装本
* 頼朝の肖像
* 『延喜式』
* 武士道に関する菅野覚明の新刊書(朝日新聞記事)
メールの総数: 42
期間:2005年01月04日 - 2005年1月02月15日
リンクなどは最後にあります。
Date: Tue, 04 Jan 2004 21:07:00 -05:00
From: "James Guthrie" <rcgrad@hotmail.com>
Subject: [pmjs] 網野翻訳
Emiko Ohnuki-Tierney wrote
> David
Howellが翻訳した網野善彦の本の日本語原題を見つけようとしていますが、
>[...]ご教示お願いできますか。
ちょっと確認ですが、 Alan Christyのこれから出版になる "Re-reading Japanese History" のことをいっているのでしょうか。それだと『日本の歴史を読み直す』だと思います。この御著書以外のものが英語に翻訳されているのをまだ聞いたことはあり ません。
James Guthrie
Date: Wed, 05 Jan 2005 12:22:41 +0900
From: William Wetherall <bill@wetherall.org>
Subject: [pmjs] Kannon/Kwannon (観音)
Ms. Parkerからはじまった「わ行」の議論はとても興味深いものです。彌永氏と同じく、わ音(kwanや kwai)をはっきりと発音しているのを聞いたことがあります。その方々の出身などを調べておりましたならと思います。現在日本のように地理的に広く、人 口分布的に複雑な国で話されている生きた言語は、かつては京都や江戸という政治的中心地で広く使われていた今では化石化したものを含め、多くのバリエー ションを提示します。
DeWolf氏のe/ye/weに関するご指摘、魅惑的でした。全くの偶然ですが、歌川豊国三世「白井権八六合渡し舟上の立ち切腹」の 浮世絵(1856/1857)(歌舞伎版の権八の死の場面)」を手に入れました。これは1847年の尾上梅壽(三世菊五郎)による上演です。Onoeは普 通「尾上」とおっぽの「尾」 (o/wo)と「上」 (ue/uye/e/ye) と書かれ、"o-no-e"と発音されているのですが、この浮世絵には「斧」 (ono/wono)と「柄」 (e/tsuka/gara) と書かれ、よって発音は "ono-e"です。
インターネット検索では平仮名の "ono-we"に括弧して「斧柄」の字が書かれている例が一例ありました。表面的には "ono-we"も "o-no-ue"も"onoe"を表していることについては同じです。
漢字はそれを見る者自身の発音に対する反応においては、言語学におけるロールシャッハテストに似ています。頭で発音するように人間は文 字にします。ある古くからの知人は「ひ」と「し」をいつも混同していました。「ひがし」を「しがし」「しぶや」を「ひぶや」また、他にも「...は」の 「は」を「わ」と書く知人もいました。そういう私も、英語の「sure」(確かに)を「shure」と書いていました(いわゆる音韻の書記化の幼児退行で すね)。
[...]以下略。英語版を御覧下さい。
http://www.meijigakuin.ac.jp/~pmjs/logs/2005/2005.01.html
Date: Wed, 05 Jan 2005 08:06:58 -0600
From: emiko ohnuki-tierney <eohnukit@wisc.edu>
Subject: [pmjs] 網野英訳書
大変有り難うございました。確かに原題はそれですね。
Date: Wed, 5 Jan 2005 19:50:52 +0000
From: Michael Watson <watson@k.meijigakuin.ac.jp>
Subject: 新会員
Huaiyu Chen <ctxiang@yahoo.com>
所属 Princeton University 博士課程在籍
研究分野 東洋宗教 中世日本仏教と現代日本国粋主義の文化的側面
Thomas Lamarre <thomas.lamarre@mcgill.ca>
所属 McGill University カナダ ケベック州
研究分野 奈良・平安、明治・大正の思想史と情報伝達史
著書 "Uncovering Heian Japan: An Archaeology of Sensation
and Inscription" (Duke)
"Shadows on the Screen: Tanizaki Jun'ichiro on Cinema and
'Oriental' Aesthetics" (Michigan, CJS).
[...]以下略。英語版を御覧下さい。
Date: Sat, 15 Jan 2005 16:37:24 -0500
From: Michael Watson <watson@k.meijigakuin.ac.jp>
Subject: [pmjs] 石川大名児
小川靖彦(青山学院)助教授よりMeredith McKinney氏の(2004/12/19)メッセージへのご返事です。
石川Onakoは、石川郎女(「石川女郎」とも)のことです。「大名児
(おおなこ)」は『萬葉集』巻二の110番の歌の注の中に記された、石川
女郎の「字(あざな)」(=本名以外の呼び名)です。石川郎女については、
これから出版される岩波書店の古典文学小辞典について、次のような
解説を書きましたので、下にコピーしておきます。
(1)天智朝(662〜71)生存.歌人.蘇我倉山田石川麻呂の血縁者か.久米禅師の恋歌に
才気煥発に応じた.『萬葉集』に2首.(2)天武・持統朝(672〜697)に活躍,735年
(天平7)生存(70歳前後).歌人.石川女郎・石川(内)命婦・内命婦石川朝臣とも.蘇
我倉山田石川麻呂の血縁者として(壬申の乱後,蘇我氏は石川氏に改姓),持統の後宮
に出仕したか。草壁皇子に仕えていた時,大津皇子に通じる。後に大伴安麻呂と結
婚,坂上郎女の母.斬新な女歌を残す.『萬葉集』巻二の資料提供者か.『萬葉集』
に6首.(3)藤原宿奈麻呂(良継)の妻.『萬葉集』に1首.
御問い合わせの石川郎女は(2)です。大変興味深い歌人です。
日本語では、阿蘇瑞枝氏の『万葉和歌史論考』(笠間書院、1992)所収の「石川郎
女」、同氏の「石川郎女の歌」『セミナー万葉の歌人と作品』第1巻(和泉書院、
1999)が基本文献です。
残念ながら英語の資料については、情報を持っていません。『萬葉集』に関する
英語文献が増えることを強く願っています。御手伝いできることはいたします
(今回日本語でお答えしましたが、必要な場合には、出来る範囲で翻訳もいたし
ます)。
小川靖彦
青山学院大学
文学部日本文学科助教授
ogw5ootori@kjps.net
Date: Sun, 16 Jan 2005 06:57:25 -0500
From: Jonah Salz <jonah@world.ryukoku.ac.jp>
Subject: [pmjs]京都夏期能楽トレーニングプログラム
大学教員、学生、アーティストの方々のための第21回能楽トレーニングを下記のように開催致します。
トラディッショナル・シアター・トレーニング
2005年7月22日〜8月14日
於 キョウト・アート・センター
連絡先
T.T.T. 2002/Kyoto Art Center 546-2 Yamafusiyama-cho, Nakagyo-ku,
Kyoto, 604-8156 JAPAN
Tel 075-213-1000 Fax 075-213-1004
kacinfo@kac.or.jp
http://www.kac.or.jp/event/ttt/ttt_english.html
Jonah Salz
Ryukoku University
Seta Shiga 520-2194
jonah@world.ryukoku.ac.jp
Date: Wed, 19 Jan 2005 14:56:20 -0500
Subject: Pajls vol. 5
From: eiji sekine <esekine@verizon.net>
皆様
『日本文学研究協会の学会論文集』PAJLS(Proceedings of the Association for Japanese
Literary Studies)第5号が出版されました。以下が内容目次です。[編集:目次に関しては以下のサイトをご参照下さい]
http://www.cla.purdue.edu/fll/PMAJLS/
一冊あたり会員価格10ドル、非会員は15ドルです。注文については下記までご連絡下さい。
ajls, 640 Oval Drive, Purdue Univ.,
W. Lafayette, IN 47907-2039; esekine@purdue.edu.
Thank you very much for your attention.
Sincerely,
eiji sekine
Date: Sat, 22 Jan 2005 12:01:37 -0500
From: Lee Butler <lee_butler@byu.edu>
Subject: [pmjs] 芸能
皆様
「芸能」に関する英語における定義についてご教示頂けないでしょうか。どのようなアートを含め、何を含めませんか、またどのようなもの が芸能で、どのようなものがそうではないでしょうか。
Thanks.
Lee Butler
Date: Mon, 24 Jan 2005 21:18:05 +0000
From: Richard Bowring <rb101@cam.ac.uk>
Subject: [pmjs] 芸能
パフォーミング・アート("performing arts"
)が最も無難なものだろうと思っていました。上手い具合に茫漠としています。
R. Bowring
Cambridge
Date: Mon, 24 Jan 2005 16:40:06 -0500
From: Michael Watson <watson@k.meijigakuin.ac.jp>
Subject: [pmjs] 芸能
パフォーミング・アートに賛成です。
『芸能史研究』(英訳タイトルHistory of the performing arts)をみると、田楽、白拍子、幸若舞、能、狂言、歌舞伎など、どういものが(伝統的に)「芸能」と見なされたのかわかります。
新刊号の目次は以下のサイトにあります。
http://www5b.biglobe.ne.jp/~geinoshi/
各論文の英訳タイトルが裏表紙に載っています。書庫で関連論文などを探すときに便利です。
http://webcat.nii.ac.jp/cgi-bin/shsproc?id=AN00072450
Michael Watson
From: Sharon Domier <sdomier@library.umass.edu>
Subject:謡曲ビデオ・DVD
Date: Mon, 24 Jan 2005 18:31:35 -0500
皆様
能一曲全編のビデオ・DVDについて質問を、ある人からうけました。すぐに見つかると思ったのですが、一般に手に入るものがなかなか見 つかりません。NHKなどの短いものとして、紀伊国屋の「ビデオ講座古典芸能シリーズ」(含「道成寺」「翁」)や「能楽特選名人の面影」のようなものしか ありません。でももっとありますよね。
また最近坂東玉三郎の舞踊のDVD5本セットを受け取りました。数々の演目から舞の場面を集めてあります。歌舞伎の演目ビデオなども見 つけるのはちょっとした挑戦です。『仮名手本忠臣蔵』は松竹からでていますけど。
ともあれ、謡曲です。パフォーミング・アートの講座をお持ちの先生方、正規のコピーなどはどこから手に入れていらっしゃるのでしょう か。個人的なコレクションをお持ちの先生方は多数存じ上げていますが、図書館としてはそれができません。版権などを侵さず正規に購入しなければならないわ けです。
ご教示よろしくお願い致します。
Best wishes,
Sharon Domier
sdomier@library.umass.edu
Date: Mon, 24 Jan 2005 16:06:48 -0500
From: Michael Watson <watson@k.meijigakuin.ac.jp>
Subject: [pmjs] 新会員、変更など。
Caroline Hirasawa <ck2@circus.ocn.ne.jp>
所属 Stanford University 博士課程
研究分野 博士論文題目 「Hellbent on Heaven?立山曼荼羅における女人往生」
Michael M. Lai <asianart@gmail.com>
所属 i4uuu Collection 2001年会館の美術館i4uuu の学芸員
研究分野 アジア美術 http://arts.i4uuu.com
Takio Sugawara (菅原多喜夫)
<simonpgm@pj8.so-net.ne.jp>
所属 インデペンデント研究者
研究分野 主たる関心は平安末期から鎌倉初期にかけての院政期社会全般。なかでも、この時期の政治・文学・宗教の結びつきに関心をもつ。文化社会学の手法
でこの問題に取り組んでいる。
この問題に関するウェブサイトをもつ。
http://www.furugosho.com/
同サイトでは『百人一首』の成立史に関する研究等を公開。
http://www.furugosho.com/inseiki/hitomooshi.htm
また、フランス語による中世史小事典あり。
http://www.furugosho.com/moyenage/index.htm
Karen Wigen <kwigen@stanford.edu>
所属 Stanford University
研究分野 19世紀日本アルプスの地理史
変更など
John R. Bentley <jbentley1@niu.edu>
所属 Nothern Illinois University (Associate Professor)
Stefania Burk <sb4at@virginia.edu>
所属 University of Virginia (Assistant Professor)
name = Tzvetana Kristeva <tzvetana@icu.ac.jp>
所属 国際キリスト教大学 International Christian University, Tokyo, Japan
著書・論文 『涙の詩学ー王朝文化の詩的言語』(名古屋大学出版会 2001年)312 pp.など。詳細は英語版を御覧下さい。
Robert E. Morrell <robertmo@artsci.wustl.edu>
所属 ワシントン大学名誉教授Professor Emeritus, Department of Asian & Near
Eastern Languages and Literatures, Washington University in St.
Louis, MO.
研究分野:中世日本仏教文学、説話、仮名反古、釈教歌など。詳細は英語版を御覧下さい。
http://artsci.wustl.edu/~robertmo
Date: Tue, 25 Jan 2005 14:08:11 +0900
From: Noel Pinnington <noelp@u.arizona.edu>
Subject: [pmjs] 芸能
20世紀の学者は茶道、華道、連歌などを芸能に含めています。
平安後期や中世においては、(『徒然草』にあるように)会得した技芸を意味します。網野善彦の『日本中世の民衆像』でこれに関する議論 があったと思います。またこれを貧困層や被差別者集団の活動と関連づける人々も居ます。似たような認識は全7冊に及ぶ『日本芸能史』を支配しています。 よって、どういうふうに使うかは社会的立場を反映すると言うことになります。
ともあれ、少なくとも三種の使用法があります。
(下層民と関連づけられる)会得された技芸ー歴史学者の認識
道ー二〇世紀前半の学者の認識
パフォーミング アートー最近の認識
そうして、また「芸術」「芸道」「演芸」「演劇」などの用語をどのよう識別するのかという問題もあります。
Noel Pinnington
Date: Thu, 27 Jan 2005 13:56:57 -0600
From: "Hans Thomsen" <thomsen@uchicago.edu>
Subject: [pmjs] 日本歴史・美術史学会3月30日、31日(シカゴ)
[編集:詳しくは英語版を御覧下さい]
http://www.meijigakuin.ac.jp/~pmjs/logs/2005/2005.01.html
Date: Sat, 29 Jan 2005 01:30:53 -0600
From: Elizabeth Oyler <eaoyler@artsci.wustl.edu>
Subject:「能楽における平家物語」学会(セント・ルイス)(3月27日〜29日)
http://www.artsci.wustl.edu/~veap/heike_no/jindex
[編集注:詳しくは英語版を御覧下さい]
Date: Sun, 30 Jan 2005 21:52:53 -0500
From: Lee Butler <lee_butler@byu.edu>
Subject: Re: [pmjs] 芸能
芸能についてのご返信有り難うございました。最近の中世そして特に近世初期の日本人歴史家の、ややルースなこの語の使用法で、気に留 まったのです。田楽、白拍子、能、歌舞伎などに付け加えると、茶道、連歌、生け花など「演じられるものではない」タイプのものもまれに芸能の範疇に含まれ ます。ある美術史家は芸能という語は美術史家の間では殆ど使われないと言っていました。
ちなみに、あの日葡辞書では芸能を日本の「yoqi xiuaza (よき仕業)」と定義しています。そして、 日本やシナの諸学芸であるとし、「芸」は礼儀、音楽、弓射、乗馬、書道や算術を含み、「能」は琴、棋、書 (書道)、 画としています。
Lee Butler
Date: Tue, 01 Feb 2005 09:30:57 -0500
From: Joshua Young <ty23@cornell.edu>
Subject: [pmjs] 『トップ・ガールズ』の雁の引用
皆様
同僚からCaryl Churchill's "Top Girls"(キャリル・チャーチル著『トップ・ガールズ』)の次のような一行の元を探してくれと頼まれました。
ーーおそらく日本(もしかしたら原典は中国の物語で日本語に訳された)の10世紀の物語からです。
"Let the wild goose come to me this spring"
(「この春は雁を私のもとにやって来させよう」)
キャリル・チャーチルが『トップ・ガールズ』という劇の中でこの文章を使っています。ーー
チャーチルがこの作品を書くのに英訳『問はず語り』を使ったのは知っていますが、ざっとみたところ上の言葉にあてはまるような部分は出 てきませんでした。『問はず語り』は10世紀ではありませんし。『源氏物語』とか『伊勢物語』でしょうか。
pmjs会員諸氏の人間データーベースのご助力を賜りたく。よろしくお願い致します。
Joshua Young
編者注:キャリル・チャーチル著 『トップガールズ』 安達紫帆訳(東京 : 劇書房/構想社, 1992)
Date: Thu, 03 Feb 2005 15:33:37 -0700 (MST)
From: anthony.chambers@asu.edu
Subject: [pmjs] 『トップ・ガールズ』の雁の引用
夕霧が雲井の雁にあてたものかもしれないのでは。
Tony Chambers
Date: Thu, 3 Feb 2005 15:20:05 -0700
From: Laurel Rasplica Rodd <Laurel.Rodd@colorado.edu>
Subject: [pmjs] 『トップ・ガールズ』の雁の引用
Karen Brazellの『問はず語り』英訳の1ページめからの引用かもしれません。
'As a result, everyone was quite drunk when Go-Fukakusa passed
his sake
cup to my father and said, 'Let 'the wild goose of the fields'
come to me this
spring.'" (原文:上下ゑひすぎさせおはしましたるのち、御所の御かはらけを大納言に給はすとて、「この春よりは、たのむのかりも我がかたに
よ」とて給ふ。)
Date: Thu, 3 Feb 2005 16:09:49 -0700
From: Laurel Rasplica Rodd <Laurel.Rodd@colorado.edu>
Subject: [pmjs] 『トップ・ガールズ』の雁の引用 -> 「たのむの雁」
忘れていました。Karen Brazellの注記によると、ここは『伊勢物語』第十段の引用だそうです。
From: Robert Khan <rk16@soas.ac.uk>
Date: Thu, 3 Feb 2005 22:56:21 +0000
Subject: [pmjs] 「たのむの雁」(たのもの雁)
もし、まだどなたもご指摘でなかったら…この『問はず語り』の「雁」は『伊勢物語』第十段の歌に拠っています。
みよしのの たのもの雁も ひたぶるに きみがかたにぞよるとなくなる。
わがかたによるとなくなる みよしのの たのもののかりをいつか忘れん
『問はず語り』では、後深草院が、男がその女を望んだ伊勢十段(「たのもの雁」は女をあらわす)の女の母と同じように、二条の父にその 女を自分の愉しみのために所望したわけです。話のポイントは都から遠く離れた田舎でさえも「色好みの振る舞い」があったというとで、実際その通りですね。
Robert Omar Khan
University of London, SOAS
Date: Thu, 03 Feb 2005 18:44:20 -0800
From: "Miki Wheeler" <planetgrrl@hotmail.com>
Subject: [pmjs] 「たのむの雁」
これは多分『伊勢物語』十段の話ですね。母がその娘を所望している男と歌を交わすという話です。[...]で、それが『問はず語り』に
引かれていて、それがキャリル・チャーチルの目に付いたということかもしれません。
Date: Tue, 01 Feb 2005 19:31:23 -0500
From: "Takio Sugawara" <simonpgm@pj8.so-net.ne.jp>
Subject: [pmjs] オンライン兵範記』抜粋
PMJSメンバーの皆さん、私のウェブサイトに、以下のとおり日記『兵範記』の抜粋のページを開設致しました。
http://www.furugosho.com/inseiki/hyohanki/index.htm
『兵範記』は、摂関・藤原忠通につかえ、1156年7月に保元の乱を目撃した平信範(1112-87年)による漢文日記です。その記述は、保元の乱『の経
緯を研究するための最も重要な史料として知られています。
今回、『兵範記』のなかから、1155年、1156年の主要記事を公開致しました。それらには、近衛天皇および鳥羽法皇の死と葬儀、後白河天皇の皇位継承
(これらの儀式の詳細とその費用)、保元の乱の記事が含まれております。
このテクストが皆さんの平安時代末期の歴史の研究に寄与できれば幸いです。
菅原多喜夫
(主旨は日本語大意のとおりですので、英文の誤り訂正して頂ければ幸いです。)
Date: Fri, 4 Feb 2005 05:55:40 EST
From: Ingrid Parker <INGPARK@aol.com>
Subject: [pmjs] 『兵範記』
菅原多喜夫の寛大なる御好意によるオン ライン版抜粋『兵範記』についてのメールを拝見致しました。興奮いたしまして、早速氏のサイトを訪れました。12世紀後半の朝廷にお ける人々についての情報として、興味尽きない保元の乱はもちろんなのですが、これは最適のものかと思われました。ああ!でもすべて[私には読むことの出来 ない]日本語(漢文) だったのです!
(院生はこのごろ何をやってるのかと不審な)I.J.Parker
編集注: 氏は日本を題材にしたミステリー作家です。
Date: Fri, 04 Feb 2005 12:14:05 -0500
From: Joshua Young <ty23@cornell.edu>
Subject: [pmjs] 「たのむの雁」
Laurel Rodd, Robert Khan そしてお返事を頂きました皆様に御礼申し上げます。一ページ目を素通りして大系のページをあちこちめくったりする前に、直接に英訳『問はず語 り』を見るべきでした。キャリル・チャーチルの引用は疑いなく二条のフィルターを通した『伊勢物語』の贈答ですね。
Josh Young
Date: Fri, 4 Feb 2005 15:01:07 +0900 (JST)
From: Tzvetana Kristeva <tzvetana@icu.ac.jp>
Subject: [pmjs] 「たのむの雁」
マイケル、
もし、Karen Brazell或いは他のどなたかが、「たのむの雁」の謎について言及していませんでしたら、以下の内容を皆様にお伝え下さい。
キャリル・チャーチルの『トップ・ガールズ』の引用はLaurel Resplica Roddの言うように『問はず語り』からだというのは疑いのないところですが、さらにこれは『伊勢物語』第十段からの引用で、Karen も注記しています。
また、これが夕霧と雲井の雁にも関係しているのでは、というご意見もありましたが、ちょっと無理なようです(源氏CD-ROMで確かめ ても)。『伊勢物語』第十段の状況から判断しまして、源氏と紫上の関係に当該贈答の影がかろうじてたどれるかも知れません。実際、第十段は武蔵野に設定さ れていて、これは若紫のアイデンティティーの指標でもありますので、隠れた引用といえるかもしれません。ただ Karenはこちらについては英訳では言及していません。
With best wishes,
Tzvetana
Date: Fri, 4 Feb 2005 16:28:16 -0500
From: Matthew Stavros <mstavros@Princeton.EDU>
Subject: [pmjs] 頼朝の肖像
皆様
中世日本の講義をするたびに、源頼朝の肖像をパワーポイントに取り込みたいと思うのですが、あの有名な頼朝像が足利直義を描いたものだ という最近の結論との間でジレンマに陥ります。中世史における直義の重要性について強い認識を持っている者として、彼の肖像を頼朝の肖像だ、と言うことが できません。どなたかが、別なある程度信頼するに足る頼朝像をご教示下されば、私の問題は解決するのですが。
Thanks.
Matthew Stavros
追記:あの肖像が頼朝であるかないかの学問的議論に関してはかなり武装してあります。ここでその議論をはじめても良いですが、このメー
ルの目的は特にそこにあるわけではないのです。
Date: Sat, 5 Feb 2005 15:25:17 -0500
From: Michael Watson <watson@k.meijigakuin.ac.jp>
Subject: [pmjs] 頼朝の肖像
Matthew、同情します。頼朝だと言われている木彫り像については知っていますか。神奈川県立美術館がそのレプリカを収蔵していま す。オリジナルがどこにあるのか私はわかりません。もちろんこの信憑性をたしかめなければなりませんが、もしこれが、神護寺の肖像より確実な根拠が出てき ましたら、ぜひ教えて下さい。『中世鎌倉の発掘』(29頁です。プリンストン大学ゲスト図書館の僕のテーブルに載っていますので、通りがかることがあった ら見て下さい)。ただオンラインではもっと大きな写真が見つかります。以下リンクです。
http://ch.kanagawa-museum.jp/english/english-2.html
http://www.muromachi.de/bunka27.html
http://www.cam.hi-ho.ne.jp/ryukou-matumoto/yoritomo-masako.html
かなりひどい彫像や、江戸期の浮世絵、また切手など更にもっと目も当てられないようなのが以下のリンクにはあります。
http://images.google.co.jp/images?q=yoritomo
Michael Watson
Date: Sat, 05 Feb 2005 13:51:10 -0700 (MST)
From: anthony.chambers@asu.edu
Subject: [pmjs] 頼朝の肖像
あの著名ですばらしい肖像画が本人像でないという事実には関心を惹きつけられました。マイケル・ワトソンが書いていたもの以上のもの は、ご提案できないですが、人々が時代を経て頼朝をどのようにイメージ化していったのかという例として学生に示す価値はあるのでは、と思いました。
Tony Chambers
Date: Sat, 05 Feb 2005 21:42:31 +0000
From: "James Guthrie" <rcgrad@hotmail.com>
Subject: [pmjs] 頼朝の肖像
Matthew,
Jeff Mass がその著書 "Yoritomo and the Founding of the First Bakufu"の表紙に使っていた写真を使うことを考えてみたことありますか。彫像の写真ですけれど、すくなくともこれは頼朝だとわかっているわけです。
James Guthrie
編者注:http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/0804735913/
http://images-jp.amazon.com/images/P/0804735913.01.LZZZZZZZ.jpg
Date: Sat, 05 Feb 2005 17:36:38 +0800
From: Tom Conlan <tconlan@bowdoin.edu>
Subject: [pmjs] 頼朝の肖像
皆さん
善光寺には頼朝の彫像があります。一番古い姿をうつしています。知っている限りでは、本人かどうかの疑いはなく、Jeffrey Massの著書の表紙になっています。またこの彫像の写真は米倉迪夫の論文にもでていました(詳細は失念してしまいました)が、あの有名な頼朝肖像画を足 利直義の像だとしている論です。
2002年の春に神護寺で頼朝と重衡の絵の原物を見るチャンスがありました。(それぞれ米倉迪夫が足利直義、尊氏だと論じているわけで す)。尊氏のに比べて直義のほうの状態の良さに驚かされました。尊氏と比較するなら、直義の早世と政治的失脚が比較的近年の徳川期まで、こちらの絵があま り公開されなかったということでもあるのでしょうか。
ところで、マイケル、神奈川県立博物館のものは北条時頼だと考えられています。
http://ch.kanagawa-museum.jp/english/english-2.html
Tom Conlan
Date: Sat, 5 Feb 2005 20:23:36 -0500
From: Matthew Stavros <mstavros@Princeton.EDU>
Subject: [pmjs] 和装本
会員の皆様
私の学生の一人が日本の本の製本について学ぶことに興味をもっています。もし可能なら、日本での夏期講習などに参加したがっています。 グーグルでざっと検索しても何も引っかかりません。上級日本語をマスターしている外国人を受け入れてくれるプログラムなどに関してどなかたご存じではない かと一縷の望みをここに託しています。
Thanks,
Matthew Stavros
Date: Tue, 8 Feb 2005 16:34:16 -0500
From: Sharon Domier <sdomier@library.umass.edu>
Subject: [pmjs] 和装本
私自身まだやったわけありませんが、以下からはじめてみてはどうでしょうか。講座や展観などがあるようです。
http://bookbinding.jp/
千葉にある美術館にも興味深いトレーニングコースがあります。
http://www.chiba-muse.or.jp/MURA/saiji/honkawaraban.htm
上記に何もなければ、神田町周辺ではいろいろなコースがあるのではないでしょうか。
学生さんは次の本は持っていますよね。Japanese Bookbinding: Instructions from a Master Craftsman?
ご幸運を
Sharon Domier
Subject: [pmjs] 和装本
Date: Wed, 9 Feb 2005 11:10:04 +0900
From: "Yasuhiko Ogawa" <ogw5ootori@kjps.net>
Subject: [pmjs] 和装本
Matthew Stavros様
以下のようなコースのどれに学生が興味をお持ちでしょうか。
1.和書の作成
(1)写本
府川次男氏の朝日カルチャーセンター(新宿)と産経学園(吉祥寺)での講座をおすすめします。氏は工芸家であり書家でもあります。また 『はじめての和装本』(文化出版局 2003年)という写本製作についての大変便利なハンドブックを書いています。
(2) 巻子本
表装並びに拓本の第一人者であり更に綜芸舎部長である藪田夏秋氏のご教示を受けることをおすすめします。氏は講座などを持ってはいませんが、私は、毎年九
月に私の学生と共に特別講習を東京(氏は在京都)にて受けています。
御著書には『あなただけの巻物・折り本づくり』(日貿出版社 2002年)があります。
2 特別な研究講座
(1)国文学研究資料館にコースがあると思いますが、ウェブサイトには今年のスケジュールはまだ載っていません。
http://www.nijl.ac.jp
(2)東京大学図書館司書講座
前近代の製本について学習できます。(おそらく)これは一年間の講座だったと思います。が、学生さんに聴講の可能性はあるかもしれません。数年前私自身が
許可を得た経験があります
http://www.lib.u-tokyo.ac.jp
各関係機関や図書館にお問い合わせになってみてはいかがでしょう。
Best wishes,
Yasuhiko Ogawa
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Associate Professor
Department of Japanese Literature
Aoyama Gakuin University
Date: Mon, 7 Feb 2005 17:11:32 -0800
From: Susan Matisoff <matis@berkeley.edu>
Subject: 頼朝の肖像
頼朝の肖像についてですが、先頃偶然山梨県甲府善光寺を訪れました。その博物館には頼朝の彫像があり、鎌倉期のもので、現存では最も古 い頼朝の像であるということでした。かなり傷んでおりました。信憑性についてはわかりません。またその写真が寺などで売っているのかもわかりませんが、頼 朝像探索の方々の一応ご参考までにお伝えしておきます。
Susan Matisoff
--
Professor of Japanese
Department of East Asian Languages and Cultures
104 Durant Hall
University of California
Berkeley, CA 94720-2230
Phone: 510-643-5388 Fax: 510-642-6031
Date: Wed, 9 Feb 2005 17:50:09 -0900 (AKST)
From: Joshua Badgley <logan@modzer0.gi.alaska.edu>
Subject: [pmjs] 『延喜式』
『延喜式』のよいテキストを探しています。何かおすすめはありますか。また近づかない方がいいものは? オンラインテキストは?
また英訳はありますでしょうか。
-Joshua Badgley
Date: Fri, 11 Feb 2005 16:45:40 -0500
From: Michael Watson <watson@k.meijigakuin.ac.jp>
Subject: [pmjs] 『延喜式』
英訳は、以下を御覧下さい。
For English translations of the Engishiki see:
Bock, Felicia G. _Classical Learning and Taoist Practices in Early Japan, with a translation of Books XVI and XX of the Engi-Shiki_. Occasional Paper No. 17, Center for Asian Studies, Arizona State Univ., 1985. // Bock, Felicia G. "The Enthronement Rites: The Text of Engishiki, 927." MN 35 (1982): 307-37. // Bock, Felicia G. _Engi-shiki : procedures of the Engi Era. Monumenta Nipponica monograph_. 2 vols. Tokyo: Sophia University, 1970-1972.
http://www.meijigakuin.ac.jp/~pmjs/trans/trans_af.html#Engi
他の翻訳(英語のみならず他言語でも)がありましたら、ぜひデータベースに加えたいと思います。
Michael Watson
Date: Fri, 11 Feb 2005 14:22:36 -0800
From: Thomas Howell <thowelljr@earthlink.net>
Subject: [pmjs] 頼朝の肖像
McCallumが善光寺の頼朝像について著書Zenkouji and its Iconの中で論じています。黒白の写真が載っています(図12)。McCallumは「甲府善光寺には源頼朝と実朝を写した彫像がある。これらはおそら く武田信玄によって他の蒐集品が持ち込まれたのと同時期に16世紀に甲府に来たのであろう。彫像の正確な制作年代については諸説あるが、鎌倉期に属するも のであろう。(p. 67)
この像はマイケル・ワトソン指摘のものとは相違するようです。
Tom Howell
Date: Fri, 11 Feb 2005 22:49:01 -0500
From: Barbara Nostrand <nostrand@acm.org>
Subject: [pmjs] 『延喜式』
お仲間の皆様。
>『延喜式』のよいテキストを探しています。何かおすすめは ありますか。
完全な英訳はありません。最初の十巻と更に幾つかの進んだ巻が二人の異なる翻訳者によって訳されている二冊本があります。これらの翻訳
の一冊はまだ出ていません。博士課程の学生の研究です、というのがすくなくとも二,三年前私が『延喜式』テキストを探し回っていた頃の状況でした。
--
Your Humble Servant
Solveig Throndardottir (Barbara Nostrand)
Amateur Scholar
Date: Sun, 13 Feb 2005 22:01:30 -0800
From: Meyer Pesenson <misha@ipac.caltech.edu>
Subject: [pmjs] 『延喜式』
当リストを長い間購読させていただいておりますが、皆様の知識とそれを分け与えて下さる御寛容さには刺激を受けております。
Thank you very much,
Misha Pesenson
Date: Sun, 13 Feb 2005 21:55:55 +0000
From: "James Guthrie" <rcgrad@hotmail.com>
Subject: [pmjs] 武士道に関する菅野覚明の新刊書(朝日新聞記事)
皆様のうちどのぐらいの方が(おそらくかなりの方がと思いますが)日本歴史( H-Japan )リストの会員かわかりませんが、二,三週間前に、武士道とそれの現代映画における(『ラスト・サムライ』や『たそがれ清兵衛』風な)描写についての議論 がありました。これらの議論を読んで、どういう風に学生達にサムライと武士道について教えたものかと考えさせられました。と同時に、朝日新聞紙上で武士道 について教えている方々の興味を惹くのではないかと思われる記事に出くわしました。[...] 菅野覚明教授の新刊書『武士道の逆襲』とそこで強調されている論について扱ってありました。ご興味があって、記事のコピーが手に入らない方はお知らせ下さ れば、お送り致します。将来サムライについての講義をするたびに授業での参考となるのは確実だと思われます。
James Guthrie
Date: Mon, 14 Feb 2005 16:00:21 -0500
From: Karl Friday <kfriday@uga.edu>
Subject: [pmjs] 武士道に関する菅野覚明の新刊書(朝日新聞記事)
菅野の本は見ていませんが、朝日新聞のサムライに関する議論の記事はCappy Hurstの "Death, Loyalty
and the Bushido Ideal" (Philosophy East and West
40.4
[1990])、また拙論 "Bushido or Bull? A Medieval Historian's Perspective
on the Pacific War & the Japanese Military Tradition"
(The History Teacher 27.3 [1994])と近似しているようです。両論ともにオンラインバージョンがあります。
http://ejmas.com/jalt/jaltframe.htm
http://ejmas.com/jalt/jaltart_friday_0301.htm.
[編集:以下略]
Best
Karl Friday
Dept. of US & Miscellaneous History
University of Georgia
Athens, GA 30602
英語の原文は以下のページにあります。
http://www.meijigakuin.ac.jp/~pmjs/logs/2005/2005.01q.html
pmjs メールアドレス: pmjs@k.meijigakuin.ac.jp (直接リスト全体へ)
pmjs 編集メールアドレス: watson@k.meijigakuin.ac.jp (編集を通してリストへ)
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日本語版の過去ログ http://www.meijigakuin.ac.jp/~pmjs/jpn/index.html
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