―実施報告―
現在98歳になる元陸軍兵士の絵鳩毅さんは、小学五年生のときに関東大震災を経験され、そして今回の「3.11」も体験されました。二つの大震災を体験した絵鳩さんは、「3.11」後の日本社会の歩みに対して大きな危機感を感じておられます。つまり、関東大震災の前後には経済不況、社会的統制が続き、その復興をアジアへの侵略戦争で乗り越えようとしました。現在もきわめて類似した社会環境にあり、困難な復興への道を再び「戦争」によって克服しようという考えが出てこないとも限らないとお考えだからです。
中国での侵略戦争を4年にもわたって経験された絵鳩さんは、戦争は破壊と悲惨しかもたらさないことを強く主張され、再び同じ轍を踏んではならないと警世のビデオ・メッセージを寄せて下さいました。
カフェではこれを学生たちと観たあと、議論を行いました。絵鳩さんが感じているように、現在が「戦争前夜」に似ているとすれば、どのような点がそうだと言えるのか、活発な意見が飛び交いました。今後もこのような取り組みを続けてほしいという声もあがりました。(参加者約10名)