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法律を知ると、世の中も未来の可能性も広がります - 卒業生 井口加奈子さん

法律を知ると、世の中も
未来の可能性も広がります

スクワイヤ・サンダース・三木・吉田
外国法共同事業法律特許事務所 弁護士

井口 加奈子さん
1986年度卒業

9年かけて司法試験に合格
教授の言葉がなければ頑張れなかった

実は私、「刑事」になりたかったんです。
その昔、「Gメン'75」という刑事ドラマがあって、登場する女性刑事がかっこよくて憧れました。あんな女刑事になりたい、それなら、まずは婦人警官からだな、公務員試験を受けなくちゃな……というわけで、大学は公務員試験の合格率の高い法学部に狙いを定めていました。

明治学院大学法学部に入学後は、体育会のフェンシング部に入部しました。女刑事を目指していたので、体力をつけておかなくてはと思って(笑)。誰もが大学生から始めるようなスポーツだったらついていけるかも、と思ったんです。

でも、体育会だったので週6日練習があり、しかもマイナースポーツだから、日中、授業がある時間帯にしか体育館がとれない。おかげで、授業にはほとんど出られないし、出席できても爆睡。それでも、夕方からの公務員試験対策講座だけは真面目に出席していました。

雑誌モデルの先輩がいたりと、明学にはお洒落な学生も多く、当時からとても洗練された学校でした。そんな中、私は早朝からノーメイク、ジャージ姿でキャンパスに通い、日中は練習をして、夕方から授業。1日12時間くらい大学にいて、大学で暮らしている感じでした。

女刑事を目指して公務員試験と格闘していた私ですが、試験にはちっとも合格しなくて、夢を諦めかけていました。でも、なんとなく就職はしたくなかった。資格を持つほうが迷いなく働けるのかなという思いもあったんです。
それで、司法試験を受験することにしました。当時は合格率2%という時代でしたし、勉強していなかった私が合格するなんて1ミリも思えませんでしたが、「難しい試験を受けるの」と言えば、親も就職しなくても納得してくれるかなと思って。私、そんな不純な動機で司法試験を受けようとしたんです(笑)。

司法試験を受ける決意を、所属していたゼミの教授に報告すると、教授は『民法案内』(我妻栄著)という本をくださり、こうおっしゃいました。
「司法試験は人生をかけて受ける試験です。この本を読んで、この仕事が自分に向いているかどうか、もう一度考えてからでも遅くないよ」

そんなものかな、と思いながら読み始めたその本は、すごく面白かった。それまで、試験で単位をとる以外の、本当の意味での「学ぶ」ということをしてこなかった私にとって、「法律ってこんなに面白いんだ」と初めて実感した瞬間でした。迷わず、司法試験を受けることを決めました。
司法試験予備校に通いながら勉強を始めて9年目、32歳の時に合格。明学法学部では女性初の合格者となりました。不純な動機だったのに9年も同じ勉強を続けられたなんて、不思議ですよね。

今思えば、勢いで受験しようとしていた私を一度立ち止まらせてくれた教授の言葉がなければ、私は本当の意味で法学の面白さを理解することなく、9年も勉強を続けられなかったと思います。
明学には、私みたいな生徒でもちゃんと向き合ってくれる温かい教授がたくさんいました。マンモス校にはない細やかさがあり、授業にも追い込まれすぎないから、自分と向き合う時間も生まれるような気がします。

プロフィール

井口加奈子 (いのくち・かなこ)
1962年広島県生まれ。法学部法律学科卒業後、95年に司法試験合格。98年に最高裁判所司法研修所終了後、旧三木・吉田法律特許事務所へ。2003年のワシントン大学ロースクール留学を経て、04年に復職。専門は知的財産法にかかわる取引、訴訟・調停・仲裁、一般企業法務。特に、IT関連の総合的な企業法務を得意とする。明学では、白金法学会・白金士業倶楽部のメンバーとして文化祭などで無料法律相談会を行うほか、フェンシング部(現在は休部中)のOB会長も務める。第二東京弁護士会所属。

スクワイヤ・サンダース・三木・吉田外国法共同事業法律特許事務所

法学を生かせる仕事はたくさんある
誰にも負けないことを一つ、見つけたい

今、私はおもに知的財産権にかかわる交渉・ライセンス・訴訟といった仕事をしています。クライアントは、IT企業、ソフトウェアやシステム開発の会社、半導体などのハードを扱う会社などが中心です。

例えば、あるソフトウェアを作った人がいます。その人が権利を保護してほしいと思う一方で、そのソフトウェアを自由に使わせてほしいというリクエストもあります。社会は技術の積み重ねで発展していくもの。誰かが開発したものでも、それを自由に使うことができれば、もっと社会や経済は発展し、生活は豊かに便利になるかもしれません。権利者保護もとても大切ですが、そこを優先しすぎると社会が停滞することもある。そういう対立する利益を法律や準則で調整するのも私の仕事です。

画像:井口 加奈子さん

法学部出身者の仕事というと、やはり弁護士というイメージがあるかもしれませんが、実は法学的な見地を生かせる仕事はたくさんあります。企業でその業界固有の問題を扱うこともできるし、消費生活センターなどで仕事をしている友人もいます。法律を知っていることで活躍できる場は、皆さんが思っている以上にあるし、何よりも、法律が分かると世の中はもっと広がります。

フェンシング一筋だった私の学生時代の心残りは「もっと勉強しておけばよかった」ということです。皆さんには、大学に入ったら是非、勉強をしてほしいです。試験勉強のような勉強ではなく、自分が興味を持ったことを掘り下げる「学び」をしてほしいですね。そして、誰にも負けないことを一つ身につければ、それは大人になってからとても役立ちます。明学法学部には、それに応えてくれる機会や教授との出会いがたくさんあります。

あとは、仲間。私も大学時代にたくさんの仲間ができました。ゼミの仲間、部活の先輩や後輩、そして教授ともいまだに交流があります。どこよりも、人とのつながりができる学校ですし、仕事も結局、人とのつながり。学生時代のつながりを大切にしてほしいなと思います。

(所属・肩書きは2012年2月現在のもの)

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