OHIKE Sotaro 大池 惣太郎

プロフィール

2020年から明学仏文科に赴任しました。ジョルジュ・バタイユという作家を中心に、20世紀から現代のフランス思想・文学に広く関心を持っています。授業では、主にフランス現代小説、現代哲学を扱っています。

大学からフランス語を学びはじめ、それから何度か留学に行き、フランス語と文化にどんどん惹かれていきました——と書きたいところですが、振り返ってみると、それは自分にとって楽しい発見というより、基本的にはまず居心地の悪いことだった(し今もそうだなあ)と思います。

ジョルジュ・バタイユが、「自分たちは言葉の世界に“挟まっている”(inséré)」という言い方をしていますが、外国語や思想、文学を学ぶことは、どうも私にとって、この「挟まった」感じ、言葉の隙間に異物のように差し込まれた状態に引き戻されることであるようです。

これはもちろん居心地の悪い、不安なことでありますが、同時に素晴らしいことでもあります。そういうときには、自明の言葉で編まれた世界がその強固さを少し減じて、無数の、固有の、惜しげもなく消えていく創造の連続があるのだと、鈍感な私にもぼんやり感じられるからです。

それに、自分が“挟まっている”と感じるときに、言葉の隙間に同じように差し込まれた誰かと出会えるのは、何よりも得難い好運だと思います。自分がフランス語を学び、留学に行って一番良かったことは、そんな形で何人かの得難い友人と出会えたことです。

皆さんにとって明学仏文科が、言語を学び、かつそこからずり落ちて、良い感じに「挟まった」自分を見出せるような場所あればと願っております。


ゼミ紹介

3ゼミでは、哲学、文学、思想の分野から、年度ごとに色々なテーマを取り上げています(2023年度は「動物の思考」)。ゼミの参加者それぞれが、自分の関心を通じて多角的にテーマを掘り下げていくような進め方を目指しています。研究書や文学作品だけでなく、映画を見たり、漫画を読んだりもします。秋学期以降は、各自でテーマ設定をして、自分で選んだ対象を分析します。

4ゼミでは、主に現代小説を扱います。早い時期から対象作家・作品を決め、まずは基礎的な文体論的の観点でテクスト分析をします(演習は全員でディスカッションしながら進めます)。オーソドックスなテクスト分析を経て、自分の扱うテクストが十分に異様なものに見えてきたところで、各人があらためてテーマを設定し、関心を掘り下げていきます。年に何回か課外授業も行います。ゼミを通じて、文学作品を読んだり、それについて書いたりすることが楽しくなってもらえたら何よりです。