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2012年夏、最近の大学院について(座談会)

教授:今日は、4人の院生に集まってもらいました。博士課程3年のAさん、博士課程2年のBさん、修士課程2年のCさん、修士課程1年のDさんです。まず最初に、この大学院で勉強をしての印象はどうですか?

院生A:僕は、他大学から来たのですが、印象が違うなと思ったのは、本当にやりたい研究ができるということですね。以前は哲学科にいて、哲学に関する本を選んで、それ以外は読んではいけない、ぶれてはいけない、そういう前提がありました。それに対して明学は、哲学に関わっていれば何を選んでもいいというのがうれしいです。

教授:自分の専門ではない授業にも出ると思うのですが、何か刺激になりますか?

A:哲学史は、他の文学史と比較するといっそう面白いと思いました。

B:自由がきくことがいいですね。大学院に入ってから、授業が専門的になりましたが、自分の学んでいること以外も勉強できて、自分の勉強もより深めることができる、その点がすごくいいと思いました。他大学には行ったことがないのですが、他大の院生と交流する機会があって、「明学は先生が多い。それがうらやましい。」と言われました。こんなに先生たちと交流することもないそうです。院生同士の仲もいいですね。

C:院に入る前は、自分の研究だけをしていればいいと思っていたのですが、色々な研究をしている人がいたり、授業も様々な分野を勉強できて、自分が興味を持たなかったことも自然に入ってくる環境ですね。毎日学校に来ると新しいことを知ることができて、とても楽しいです。他大の学生と話したときに、やはり、「明学は、先生や院生同士の交流が盛んで、いいよね。」と言われました。

D:私は大学院に入って半年しかたっていないのですが、学部の授業と比べて、やはり、フランス語に触れる機会がふえて、楽しく過ごしています。他大学の授業も委託聴講制度を利用して受けることができるので、美術の授業を受けています。違う研究をしている人とも触れ合えるので、刺激を受けています。

教授:Aさんは哲学、Bさんは文学、Cさんは音楽、Dさんは美術と、異なる分野を研究しているわけですが、専門の違う仲間と一緒に研究をして刺激的なことは何ですか?

B:修士論文の中間発表や授業で発表するときに、その前に何人かで集まって、お互いに何をしているかを話します。みんな全然違う分野の研究をしているので、思ってもない視点からの指摘があったりして、興味深く、自分1人では出てこないような案や視点が出てくるので、すごくいいと思います。

教授:自分の研究分野と全く違っていても、意外なところで結びついたりすることがあると思うのですが、そういった経験はありますか?

C:音楽についての発表をしているときに、こういう映画を観たらいいのではないかと教えてもらったことがありました。

D:大学院に入るまで詩の授業を受けたことがなくて、初めて受けたのですが、違う見方ができて、詩と絵画という新たなつながりも見えてきました。

A:僕は最近、哲学と音楽の意外な共通点を見つけました。

教授:授業の雰囲気はどうですか?

B:人数が少ないので、毎週当たったりすることもあるので、そういう意味で予習量がふえました。

C&D:予習の量が格段にふえています。

教授:他大や学部時代と比べて、先生との距離はどうですか?

C:学部のときはゼミの先生としか深い関わりがなかったのですが、院では様々な先生と近くなれるので色々なお話を聞けることがふえてとても面白いです。

教授:授業が全部ゼミみたいなものなので、いくつもゼミに出ているようなものかもしれません。

D:学部のときよりも先生との関わりや飲み会などがふえて、近く感じました。

A:僕は前の大学で、どちらかというと、他の学生と比べたら、先生と食事に行く方でしたが、明学と比べると回数が違います。先生との距離がとても近い感じがします。勉強以外のいろいろことも教えていただきました。

教授:院生のための院生部屋がありますが、その中の使い方、雰囲気はどうですか?

C:各人の本棚があって、色々なものが詰まっていて面白いです。

B:棚を見るとそれぞれの性格がわかります。入っている本で、この棚は、どの人の棚なんだなとか、見ていると面白いです。

C:誰が今何を研究しているのかもわかります。

D:参考書や辞書もたくさんあります。

B:最近新しいパソコンがきて、便利になりました。

C:古い紀要があるので参考のために読んだりします。

B:先輩たちの置き土産で、『フランス文学史』の本がおいてあったり。

C:ホワイトボードには、みんなが持ってきた美術展の案内が貼ってあります。

教授:それはいいですね。そういった展覧会にはよく行くようになりましたか?

C:先輩と一緒に行ったりしますね。

B:DVDやCDもたくさんあります。

A:院生になってから、借りられます。

B:すごくたくさんあるので、充実しています。DVDはバレエやオペラ、CDでは音楽分野で希少な曲もそろっています。また、大学院に入ると図書館の個室も使えます。素晴らしいです。

一同:便利で使ってます!

B:本も60冊近く借りられます。これはかなり多く借りられる方だという話です。また、貸し出し期間も長く、8週間です。

教授:明学は、図書館がとてもいいですね。読みたいと思った本は大抵あります。他の大学にあってうちにない本というのはあまりないと思うのですが、どうですか?

C:探せば大抵あります。

A&B:院生の場合は、申請すれば本を買ってもらえます。

教授:先輩、後輩の関係はどうですか?

A&C:素晴らしいです(笑)

D:優しい先輩方がいっぱいで楽しいです。授業で分からないところを教えていただいたり、食事に誘っていただいたりもしています。

B:卒業された先輩も応援に来てくれるので、ありがたいです。

教授:では、修士論文を書いた経験とこれから書く意気込みについて、少し話して下さい。

B:修士論文を書き終わった後に、ある先生から、みんなは論文を書くという行為に対して認識が甘すぎる、というご指摘がありました。私自身、書く前は、40000字だったら前期で書くレポートを全部あわせたぐらいかな、などと考えていてかなり痛い目を見たので、確かにその先生がおっしゃるとおりだと思いました。自分で書かないと本当にわからないですね。

教授:やはり、長いものを書くというのは、意味がありますね。短いのを3本と、同じ量の長いの1本では全然違います。どうですか?

A:大変なんだろうな、というのは、ある程度思いながらやりましたが、全く想像以上の大変さがありました。書いていても、書いて、直して、書いて、直して、直してるのか、破壊してるのかわからなくなりながら、やっと書き上げた。今読み直すと、全然ダメだとなる。でも、とりあえず、出せてよかった。書いて何となく、自分がやりたいことがわかったし、やってよかったとは思います。

教授:終わってみると、通過儀礼なんですね。そこを通ってはじめてわかることがある。 それが成長ということでしょう。

教授:最後にみなさん、ひとことずつ。

A:僕は、他大学からきたので、明学にきて本当によかったと思いますし、もうすぐ留学もするのですが、ここでの経験を活かせるように頑張りたいと思います。

B:学会で発表したときに、先生方に色々指導していただいたり、励ましていただいたりして、本当に明学に来てよかったと改めて思いました。

C:これから、修士論文を書くのですが、先輩が頑張っている姿を見て、頑張らなきゃいけないなと実感しました。

D:私も来年は、修士論文を書くので、それにむけて、自分でテーマ、内容を固めていけたらいいなと思っています。