8. 研究分野から生成されたコレクション
8-1. ダダとシュルレアリスム・コレクション(フランス文学科)
主にヨーロッパやニューヨークで発行された「ダダ」と「シュルレアリスム」関係の資料およそ230点からなる日本有数のコレクションである。資料は書籍、雑誌、機関誌、写真、パンフレット類など多彩で、美術館からの出展要請も多い。
8-2. 絵本とメルヘン・コレクション(フランス文学科)
ヨーロッパを中心とするメルヘン (昔話) や創作物語の美しい挿絵入り本と、絵本史上の名作の数々、初版本・稀覯本などを集めている。このコレクション形成に中心的役割を果たす明治学院大学名誉教授巖谷國士氏監修による解説目録を発行した。
8-3.旅とエグゾティスム・コレクション(フランス文学科)
2005年文部科学省補助金により購入した資料を基礎に、旅 (Voyage) とエグゾティスム (Exotisme) を主題に集めたおよそ80点の原典コレクションである。1580年刊ニコライ著『トルコ旅行記』や1617年刊テヴェ著『東方誌』などの旅行記のほかに、シャルルヴォア『日本誌』などの日本に関する重要な文献も入っている。ナポレオンⅠ世とともにエジプト遠征に赴いたドノンを中心とする学術調査団による1802年刊の大判『エジプト誌』は美しく精密なエッチングにより、交戦の模様・建築・遺跡・古代芸術、そしてさまざまな人々が緻密に記録され、抒情的ともいえる多彩な図版で、正確なエジプト像をヨーロッパに伝えた。
8-4.ボードレールとフランス近代詩コレクション(フランス文学科)
2021年度文部科学省補助金に採択されたボードレールとフランス近代詩関連資料14点(17冊)と、過去に所蔵済の『悪の華』(第二版)からなる日本有数のコレクションである。近代詩の礎を築いたフランスの詩人・批評家であるシャルル・ボードレール(1821-1867)の著作・翻訳書の初版が揃っている。1845-1866年出版と出版後150年以上経過しているが、資料状態は良好である。禁断詩編が収録されている初版『悪の華』(1857年)および1861年刊行の第二版だけではなく、デビュー作で大変貴重な『1845年のサロン』、亡くなる前年1866年に刊行された『漂着物』(フェリシアン・ロップスの口絵付)、さらには『人工楽園』(1860年)、小冊子で刊行された『リヒャルト・ワーグナーと「タンホイザー」のパリ公演』(1861年)などが含まれている。
8-5.学術研究コレクション
- Gasetzgebung des Deutschen reiches (法学部)
- Corpus Mensurabilis Musicae (文学部)
- Western books on Asia:Japan (欧文アジア関係文献集成日本編) (国際学部)
- Presbyterianism (長老制文献コレクション) (経済学部)
- A History of Public Health and Social Welfare in Britain. (社会学部)
- マイクロフィッシュ版 欧州統合・移民・市民権コレクション (社会学部)
- フランス革命期法政史料集成 (法学部)
- 日本におけるアメリカ教育の受容と定着に関するコレクション (文学部)