特色あるコレクション
明治学院大学図書館で所蔵している、特色あるコレクションについて、主なものをご紹介します。一部の資料は貴重書となり、ご利用には申請が必要となります。
また、これらの一部はデジタル化し、デジタルアーカイブスにて公開しております。
- 1. 幕末・明治英学辞書コレクション
- 2. 聖書和訳コレクション
- 3. 明治学院草創期教員コレクション
- 4. 卒業生コレクション (戦前編)
- 5. ダダとシュルレアリスム・コレクション
- 6. 絵本とメルヘン・コレクション
- 7. 旅とエグゾティスム・コレクション
- 8. ボードレールとフランス近代詩コレクション
1. 幕末・明治英学辞書コレクション
このコレクションは、明治学院初代総理ヘボン (J.C.Hepburn) が編纂した日本初の和英辞典『和英語林集成』を中心に、幕末期からの辞書、英語教育書、日本語研究書等を集めたコレクションである。主に明治学院創設期からの蔵書と、卒業生で辞書史研究家である、故岩堀行宏氏の寄贈図書により構成されている。
幕末から明治は「英学 (英語圏の学問) 」の時代であり、日本人が最も英語を学んだ時期でもあり、西欧世界が日本語を学んだ時期である。通詞たちは海外の辞書を翻訳し「英和辞典」を作り、宣教師たちは日本語を研究・収集し「和英辞典」を作成した。開国から明治へ、近代国家としての日本の成立の中で、近代日本語の整理とともに、和英辞典、国語辞典の成立につながっていく。
『和英語林集成デジタルアーカイブス』にて紹介、一部は画像を公開している。
2. 聖書和訳コレクション
このコレクションは明治学院創設期からの蔵書と、元ルーテル神学校教授・福山猛氏旧蔵の個人コレクション「九華文庫」を中心とした資料により構成されている。
ヘボンは英学塾「ヘボン塾」を開いて英語教育に携わったが、一方で「宣教医」として医療活動に携わるとともに、聖書の和訳に取り組んだ。聖書和訳の歴史の中で、ヘボンをはじめとして奥野昌綱、井深梶之助、フルベッキ、植村正久など、さらに戦後の都留仙次、村田四郎、吉田泰など、明治学院の関係者がそれぞれの時代の翻訳事業で大きな役割を果たしており、明治学院大学図書館には聖書和訳に関連した貴重な資料が所蔵されている。
『聖書和訳デジタルアーカイブス』にて紹介、一部は画像を公開している。本デジタルアーカイブスでは、明治学院の旧神学部から移管された資料を所蔵する東京神学大学図書館の資料も一部公開している。
3. 明治学院草創期教員コレクション
ヘボン (J.C.Hepburn) 初代明治学院総理・ヘボン塾・『和英語林集成』編纂・新・旧約聖書和訳・医師
ブラウン (S.R.Brown) ブラウン塾創設者・東京一致神学校・新約聖書和訳・英会話書・英語教育法
フルベッキ (G.F.Verbeck) 明治学院教授・大学南校教頭・聖書翻訳・法律学
アメルマン (J.L.Amerman) 、アレキサンドル (T.T.Alexander) 、J.Hバラ (James.H.Ballagh) 、カロザース (Carrothers) 、カロザース夫人 (Mrs J.D.Carrothers) 、フォールズ (Henry Faulds) 、インブリー (William Imbrie)、ノックス (G.W.Knox)、ラマート (Willis.C.Lamott) 、マコーレー (J.M.McCauley)、マクラーレン (S.G.McLaren) 、マクネヤ (T.M.McNair) 、ライシャワー (A.K.Reishauer) 、ワイコフ (M.N.Wykoff)
井深梶之助・石本三十郎・植村正久・瀬川浅・田村直臣・山本秀煌等
東京一致神学校蔵版・明治学院蔵版の書籍など
4. 卒業生コレクション (戦前編)
林董・島崎藤村・馬場孤蝶・戸川秋骨・沖野岩三郎・賀川豊彦らの著作や直筆原稿を集めたコレクション。
5. ダダとシュルレアリスム・コレクション
主にヨーロッパやニューヨークで発行された「ダダ」と「シュルレアリスム」関係の資料およそ230点からなる日本有数のコレクションである。資料は書籍、雑誌、機関誌、写真、パンフレット類などがある。
6. 絵本とメルヘン・コレクション
ヨーロッパ各国の、主に19世紀以降の美しい挿絵入り本と、ちりめん本のコレクション。西洋の出版物の歴史の中で刊行されてきた「挿絵入りのお話しの本」を中心としたコレクションであり、子供用の絵本というよりは、より幅広い内容を集めたものとなっている。(メルヘンMarchen ドイツ語で広く「お話し」口承の昔話、御伽話)ちりめん本は、明治期に日本在住の西洋人が日本の昔話を訳したものだが、明治学院創設者ヘボンも訳に携わっており、コレクションに含まれている。
コレクションの形成に携わった、巖谷國士名誉教授監修により、2018年7月、目録冊子を刊行した。
『絵本とメルヘン : 明治学院大学図書館貴重書コレクション』(巖谷國士監修 明治学院大学図書館発行)
7. 旅とエグゾティスム・コレクション
文部科学省私立大学研究設備整備費等補助金(2005年度)採択により購入された資料を基礎に、旅 (Voyage) とエグゾティスム (Exotisme) を主題に集めたおよそ80点の原典コレクションである。1580年刊ニコライ著『トルコ旅行記』や1617年刊テヴェ著『東方誌』などの旅行記のほかに、シャルルヴォア『日本誌』などの日本に関する重要な文献も入っている。ナポレオンⅠ世とともにエジプト遠征に赴いたドノンを中心とする学術調査団による1802年刊の大判『エジプト誌』は美しく精密なエッチングにより、交戦の模様・建築・遺跡・古代芸術、そしてさまざまな人々が緻密に記録され、抒情的ともいえる多彩な図版で、正確なエジプト像をヨーロッパに伝えたものである。
8. ボードレールとフランス近代詩コレクション
文部科学省私立大学研究設備整備費等補助金(2021年度)に採択されたボードレールとフランス近代詩関連資料14点(17冊)と、過去に所蔵済の『悪の華』(第二版)からなる日本有数のコレクションである。近代詩の礎を築いたフランスの詩人・批評家であるシャルル・ボードレール(1821-1867)の著作・翻訳書の初版が揃っている。1845-1866年出版と出版後150年以上経過しているが、資料状態は良好である。禁断詩編が収録されている初版『悪の華』(1857年)および1861年刊行の第二版だけではなく、デビュー作で大変貴重な『1845年のサロン』、亡くなる前年1866年に刊行された『漂着物』(フェリシアン・ロップスの口絵付)、さらには『人工楽園』(1860年)、小冊子で刊行された『リヒャルト・ワーグナーと「タンホイザー」のパリ公演』(1861年)などが含まれている。