「小川政亮文庫・戦後日本社会保障資料」の解説と目録
この目録は社会保障学者として活躍された小川政亮先生のご厚意により、明治学院大学図書館に寄贈された各種資料を整理したものです。
この目録は閲覧利用請求のためにご利用ください。許可なく複製・転載・再頒布はできません。
小川政亮(おがわ まさあき)先生について
昭和後期-平成時代の法学者。
1920年 (大正9) 1月25日生、2017年 (平成29) 5月7日没。1941年東京大学法学部卒、日本社会事業大学教授を経て、1980年 (昭和55) 金沢大学教授、1985年 (昭和60) 日本福祉大学教授。日本社会事業大学名誉教授、全国老人福祉問題研究会名誉会長を務めた。専攻は社会保障法。朝日訴訟に原告側証人としてかかわり、生存権保障理論を構築。堀木訴訟中央対策協議会会長をつとめるなど、社会保障の定着化に寄与しました。
小川資料の内容と他の資料との関係
日本社会保障法の最初の学者であり第一人者の小川政亮先生の所有した戦後の日本の社会保障成立期と発展期に関する、体系的な一次資料と図書等で構成されています。なお「沖縄資料」と「公務員運動」関連の大半は日本社会事業大学図書館に寄贈され、明治学院大学図書館の所蔵と重複する図書雑誌は明星大学人文学部に研究資料として移管されました。
目録作成チーム
整理: | 明治学院大学図書館資料管理課・末永睦子・鏡玲子 |
監修: | 小川政亮 (日本社会事業大学名誉教授) ・井上英夫 (金沢大学大学院教授) ・垣内国光 (明星大学教授) ・ 矢嶋里絵 (首都大学東京教授) ・河合克義 (明治学院大学教授) ・末永睦子 (明星大学非常勤講師・社会保障研究者) 肩書は2012年1月現在 |
整理方法
原資料全体は段ボール箱500箱以上の大量の資料であり、第一次整理段階が済んだ状態としてここに公開します。
資料分類は利用を考え「事項別 (テーマ別) 」という方法によったため、整理は困難を極めました。歴史的にみると現在の社会保障学や社会福祉学は現実との格闘の中で発展を獲得してきたため、現在の分化した学問体系から過去の全資料を内容判定する事態に向かい合うこととなりました。
基本となった小川政亮先生の分類と資料整理は素晴らしいものでありましたが、なお、ファイルを再度分解し、資料内容や時期を確定する作業が大量に発生しました。また一つの資料が現在の各分野にわたることも多く、十分に現在のテーマに分解できない資料もでて、格闘する中で第一ステップの実現に5年の歳月を要しました。
資料分類に精緻を期すことができないのは、このような歴史的事実変遷の結果であるので、資料目録は関連する分野を広く検索することを推奨します。
図書雑誌であっても、一次資料と密接な関連があり、別置が望ましくないと思われるものや散逸しやすいと判定された資料は、一次資料と合わせてファイリング形式で所蔵することとしました。
逆に報告書等であっても、各大学の所蔵資料と関連して利用するため広く公開し、役に立てるほうが良いと判定したものは、図書館間相互利用を利用できる「小川政亮文庫」に配置しました。
例:「被爆者援護・原水爆禁止・反核」関係資料についての注意
被爆に関する各種調査はいくつかの節目ごとに実施され、調査報告書が発行されています。報告書として冊子にまとめられているものについては広く公開するため、OPACで検索できるよう図書として配架することとしました。調査はそれぞれ目的をもって実施されているので、調査が実施された時期ごとにまとめられた小川資料と合わせて閲覧されることをお勧めします。
利用方法
下記の (1) 図書については明治学院大学図書館OPAC (蔵書検索) で書誌データが公開されています。来館による館内閲覧と大学図書館間相互利用が可能です。
(2)雑誌/機関紙/スクラップブック類の部、(3)戦後日本社会保障資料、(4)訴訟資料・研究メモは、下記に限って、資料の閲覧が可能です。ただし、個人情報が含まれる場合もあり、資料によっては閲覧を制限させていただくことがあります。
■ 利用目的
学術研究目的に限る
■ 利用資格
明治学院大学に在籍する研究者(大学院生以上)
明治学院大学に在籍する学部生(利用資料に制限あり)
他大学・他機関に所属する研究者(大学院生以上)
■ 閲覧上の注意
・閲覧は平日の9:00~18:00のあいだで受け付けます。
・「小川政亮戦後日本社会保障資料閲覧願」(以下「閲覧願」)裏面の「閲覧上の注意」の内容を理解し、同意いただける場合のみ閲覧可能です。
・「閲覧願」で申請し、許可された資料以外の閲覧は認めません。
・資料状態が非常に悪いものが一部あります。保管状態等によって閲覧できない場合があります。
・資料の複写はできません。
■ 利用の手続き
▼ 明治学院大学在籍の方
ウェブサイト掲載の目録から閲覧希望資料を特定のうえ、「閲覧願」を記入(両面とも)し、
閲覧希望日の一週間前までに白金図書館カウンターにご提出ください。
学部生の方は、「閲覧願」の指導教員による利用目的の確認欄の記入が必要です。
閲覧の可否の連絡は決定次第、図書館よりご本人連絡先に行います。
▼ 他大学・他機関所属の研究者の方
ウェブサイト掲載の目録から閲覧希望資料を特定のうえ、「閲覧願」をご自身で記入(両面とも)し、所属大学・機関図書館に本学図書館への所蔵調査照会を依頼してください。
閲覧の可否の連絡は所属図書館に対して回答します。
所属図書館からの所蔵調査照会が、閲覧希望日の遅くとも一週間前には行われるようにしてください。
閲覧当日は指定の時間に所属図書館発行の紹介状と「閲覧願」原本をご持参のうえ、ご来館ください。
▼ 他大学・他機関の図書館の方
小川政亮戦後日本社会保障資料のうち、「雑誌/機関紙/スクラップブック類の部」「戦後日本社会保障資料」「訴訟資料・研究メモ雑誌」に分類された資料は、上記利用資格に当てはまり、学術研究目的が明確な方の閲覧に限定しています。
閲覧希望者から所蔵調査照会の依頼がありましたら、貴図書館所定のフォームによる所蔵調査照会と閲覧希望者が記入した「閲覧願」をFAX(03-5421-5178)にて本学図書館にお送りください。
所蔵調査照会は閲覧希望日の一週間前までにお願いします。
本学図書館にて閲覧の可否を決定後、貴図書館に対し回答をご連絡します。
閲覧許可となった場合、貴図書館より閲覧希望者に紹介状の発行をしてください。
-
図書 (2,275点)
OPAC (蔵書検索) で検索してください。 OPAC (蔵書検索) の詳細検索画面で文庫区分「小川政亮文庫」を指定するとリスト取得ができます。
小さな団体が発行し、短い時間で発行を終えた雑誌や、特集のみの雑誌は図書扱いとして登録しています。なお、小川先生からの寄贈図書雑誌で、本学の所蔵と重複した図書雑誌は、明星大学人文学部に再寄贈しました。 -
雑誌 / 機関紙 / スクラップブック類の部
2-1. 雑誌 (289タイトル)
別置扱いとし、分野別に分類しています。雑誌も新聞と同様に誌名変遷が多いため、発行元や表題の入れ替わりなどに注意してください。
2-2. 機関紙などの新聞 (86タイトル)
紙名ごとに収録号数を記載しています。ただし、運動の発展や衰退とともに紙名変遷をしているものが多いため、前後の継続にご注意ください。
機関紙ごとに書棚に収蔵しています。また、一次資料と密接なものは一次資料とともに保管し、一次資料のリストにも記載しています。2-3. スクラップ資料の部 (418冊・7コンテナ)
主に各種新聞記事を中心にテーマ別・年代別に小川政亮先生と夫人がスクラップしたものです。該当する時代の関連記事をテーマ別に連続して読むことができます。
-
戦後日本社会保障資料
コレクション中最大の資料です。当時の資料を現在の課題テーマにより分類するとともに、日付記載のない資料も極力資料発行時期の確定に努めました。資料は社会保障の発達期の資料が多く、現在のような細かいテーマにより取り扱われておりませんので、該当がない場合は関連テーマに検索範囲を広げてください。
3-1. テーマ別社会保障資料 38テーマ (186コンテナ)
項目をクリックすると、目録がダウンロードできます。
医療 (15) / 国民医療研究所 (3) / 医療ソーシャルワーカー等 (1) / 公的扶助 (12) / 高齢者 (17) / 年金 (3) / 子ども・女性 (12) / 障害のある人 (12) / 雇用・労働・社会保障運動 (13) / 社会事業・地域福祉 (6) / 総合社会福祉研究所 (3) / 自治体資料 (5) / 研修資料 (1) / 民間社会福祉施設等 (1) / 非営利団体等 (1) / ホームレス (1) / 沖縄 (1) / 国会資料 (4) / 官公庁・与党・財界資料 (3) / 社会福祉構造改革 (2) / 公害・薬害 (1) / 社会運動・民主運動 (5) / 災害 (1) / 被爆者援護・反核 (13) / 法と人権 (2) / 国籍・外国人 (5) / 日本学術会議 (13) / 日本科学者会議 (1) / 憲法研究 (2) / 研究会 (6) / 学会 (9) / 学生ゼミ連合・セツルメント (2) / 研究資料 (6) / 海外社会保障資料 (5) / 大学問題 (1) / 日本社会事業大学・日本福祉大学 (3) / 戦後補償の部(1) / 平和運動の部(1)
-
訴訟資料・研究メモ
4-1. 社会保障訴訟資料 (38コンテナ)
戦後の国内での社会保障訴訟を、訴訟テーマ毎・訴訟毎に分類した資料です。
4-2. 小川政亮研究ノート・メモ (161冊・25コンテナ)
小川政亮先生が、研究のための聞き取りや論文発表のために作成したノートとメモで、主として京大式カードに記載されています。