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明学は、最後で最高の学生生活

2023.11.22

どんなことでも自分なりの意味や目的を見出すことが得意な菅生さん。やりたいことが変わっても自分自身を肯定的に受け止め、何でもすぐにやってみる。勉強もアルバイトもそんなスタンスで取り組み、将来に対する確固たる考えを見出すまでに至りました。英語力、法学、プレゼンテーション能力の3点に磨きをかけた菅生さんが行き着いた、その考えとは?

菅生 ジェレミー 健希 法学部 グローバル法学科 4年 得意の英語力を生かし、自分と大切な人たちを守る武器として法律の知識を学びたいという思いから、グローバル法学科に入学。会社法、環境法、EU法など国内外のさまざまな法律を貪欲に学び、3年次には刑事訴訟法のゼミに所属。塾講師やブライダルスタッフ、飲食店のホールスタッフなど多彩なアルバイトも経験。座右の銘は「夢よりも目標」。

学ぶなら、ここだ!

「英語と法律の知識を一緒に高めることができる大学ってどこだろう」 そう考えてさまざまな大学を調べていた時に出会ったのが明治学院大学でした。大学のWebサイトに掲載されていたムービーを見て、グローバル法学科の先輩が語る学科の魅力や将来の目標に触れ、「学ぶなら、ここだ!」と心に決めました。Facebookを通じてその先輩とやり取りできたことは幸運でした。オープンキャンパスに参加したいと伝えたところ、当日に快く出迎えてくれました。オープンキャンパスの模擬授業では、申美穂先生が担当された「国際私法」を受講しました。日本でドイツ人が罪を犯した場合、日本とドイツ、どちらの国の法律で裁かれるのか。日本のグローバル化に伴い訪日外国人が増える中、複数の国にまたがる法律問題に強い関心を持っていた自分としては、大変興味深い模擬授業でした。また、会場にいらっしゃった学科の先輩や高橋文彦先生、阿部満先生とお話しし、グローバル法学科の気さくな雰囲気に惹かれ、「法律=固そう」なイメージが良い意味で覆されたことを覚えています。

オンライン授業がもたらした成長

2020年4月。私の大学生活はオンライン授業からスタートしました。「大学に入ったら自然豊かな横浜キャンパスで友人や先生たちと楽しく切磋琢磨して過ごしたい」こう思っていましたので出鼻をくじかれたことは否定できません。学科ガイダンス、はじめての授業、友人との初対面、すべてがオンライン中心の生活を1年半ほど送りました。対面の活動を考えれば考えるほどオンラインの活動がつまらなくなることもありましたが、「このしんどい経験を乗り越えたら何かが成長できる」「社会に出たらやりたくないこともあるだろうから、今はその肥やしになる」と自分なりの意味を見出し、がんばっていました。

オンライン授業ではレポートによる課題提出が中心でしたので、とにかくレポートをたくさん仕上げました。大変ではありましたが、レポートの基本となる起承転結、ロジカルシンキングを学ぶ良い経験になったと考えています。授業中にたくさん発言する機会にも恵まれました。私の名前のおかげからか、英語の授業でよく先生から指名されることがありました。「ジェレミーだったらどう思う?」と。対面で会ったことのない大人数の学生たちの中で発言することは緊張しましたが、回数を重ねていくうちに、自信とともに「どうすれば相手に伝わるか」を意識できるようになりました。これまでもプレゼンテーションをするときのコツのようなものを考えることがありましたが、結局、コツをおさえるには場数を踏むのが重要なんだな、ということを学んだような気がします。

2年生の春学期まで過ごしたオンライン授業中心の学生生活でさまざまなことを学びましたが、やはり対面に勝るものはない。そう感じたことも事実です。その気持ちも手伝い、2年生の秋学期から少しずつスタートした対面授業には格別の思いがありました。

アルバイトのススメ

大学生活の4年間ではやりたいことがいろいろと変わるかもしれない。社会人になる前にさまざまな仕事を経験してみたいと考えていましたので、コロナ禍であってもいくつかのアルバイトに時間を注ぎました。1つめは塾講師。中学生向けの国語を担当しました。「『走れメロス』をいかに面白く学ぶか?」など、題材ごとに適切な授業方法を都度考えながら対応していました。こちらからの一方通行の授業ではなく、生徒の一人一人の反応を可能な限り確かめながら、授業を進めることを意識しました。2つ目はブライダルの挙式モデルです。挙式の見学にいらっしゃる方々向けに、新郎モデルとして挙式のイメージをお伝えしたり、披露宴ではスタッフとして接客を担当しました。挙式モデルのアルバイトは自分にとっては日常のルーティーンであっても、式を挙げる方々にとっては、人生で一度、あるかないかの大切なイベント。日々のアルバイトで最善を尽くすことを考えるうちに、尊敬語、謙譲語や接客の仕方など、社会人になっても必要と思われる多くの基礎を学ぶことができました。この学びは大学の授業で接する先生方や学科の友人たちとのコミュニケーションにおいても、大いに役立っています。そして現在も続けている3つ目のアルバイトが居酒屋のアルバイトです。キッチンとホール、両方の仕事を経験しています。

アルバイトの経験を通じてわかったことは、自分は人を喜ばせることが好き、ということ。喜んでもらえると心が温まり、こちらも嬉しい気分になりますし、そのためには何が必要かを考えながら行動し、気遣いや心遣い、プレゼンテーション能力の大切さを学ぶこともできました。授業も挙式モデルも接客も、限られた時間の中で相手に物事を伝え、理解してもらう、という点でプレゼンテーションと同じことだと思っています

これまでの経験を総動員

英語力、プレゼンテーション能力の向上。そしてキャリアに対する考え方の確立。この3点の確かな学びを感じた私は、3年生から4年生春学期まで、「Global Legal Studies」の授業に力を注ぎました。Global Legal Studiesは私法、環境法、アメリカ環境法などさまざまな国の法律を英語で学び、その成果をプレゼンテーションする授業です。アメリカ環境法では連邦法、州法により法律的な問題解決の仕方が異なるアメリカの事例を学びました。連邦法と州法の存在により、仮に連邦政府が不正をしても州政府は手を出すことができません。このような事例を解決するために2つの法律の必要な箇所を要件別に書き出し、ピラミッドなどを用いて構造化して捉えるプロセスは、法律を立体的に捉える新たな視点に触れたような気持ちになり、とても新鮮でした。授業は火曜日5限目で1日の後半に位置する時間帯の開講でしたが、毎週の授業が楽しみで仕方がありませんでした。

もう一つ、Global Legal Studiesで学んだ授業で忘れられないのが、企業法の授業でした。BtoBのケーススタディとして案件の契約締結の仕方やA社とB社など実際の企業側に分かれて模擬交渉を実施しました。A社が建築物を建てるためにB社にどのように出資してもらうか、といった具体的な例と向き合い、社長や法務部、財務部門、経営戦略などの担当に分かれ、1チーム6名、2~3週間の時間で徹底的にチーム内でディスカッションをし、交渉に臨みました。どれだけ自分たちが納得できても相手のチームがわかるように説明しなければならず、そのためには法的根拠が必要となります。一般的にも難解な企業法、そして英語に、プレゼンテーション。まさにこれまでの経験を総動員する体験でした。プレゼンテーションを終え、授業をやりきり、単位を修得できた時の安堵感、高揚感は自分に大きな自信を与えてくれました。

法学×英語×他者への貢献

卒業後は航空会社の客室乗務職として働く予定です。学科の学びで培った法学の知識、英語力、そしてプレゼンテーション能力。そしてアルバイトの経験で気づいた「人に喜んでもらうこと」の尊さ。まだ働いていないので確証は持てませんが、卒業後の進路は、学生生活のすべての経験を掛け合わせた答えの1つ、と言えるかもしれません。空を眺めると身近に感じる飛行機ですが、電車やバスと比較すると身近と言いにくい。日常と非日常が混在し、国境をも越える飛行機の乗車体験に大きな魅力を抱きました。現在は客室乗務職としての活躍の幅を広げるため、手話やスペイン語の習得にも力を入れています。

どんな人も笑顔にできる客室乗務職。この目標に出会えた明治学院大学の学生生活は、間違いなく「最後で最高の学生生活」、と自信をもって言えます。卒業後に期待しつつ、残りわずかな学生生活も大切に過ごしたいと思います。

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