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コラム「キャンパスCLINIC」

ウンチ苦

白金通信2013年7月号

皆さんの便通はいかがですか?便通異常は便の回数・性状に異常を来たした状態で、感染性腸炎など急性のものから慢性的な下痢便秘などがあり、必ずしも病気でないこともあります。食べた物は、食道・胃・小腸・大腸の総延長9mの消化管を通って、肛門に達するまで24~72時間位かかります。基本1日1回が理想ですが、1日2回でも2日に1回でも、その人の生活習慣であれば異常とは言えません。1日の便の量は200-300gですが、ちなみにゾウは1日100kgの便を出すそうです。

便秘
便秘は女性に多く、腹筋が弱く我慢することや不規則な生活のため便秘になりがちで、妊娠・出産を機の便秘もよく見られます。若い人で過度のダイエットから便秘になるケースもあります。直腸に便が溜まって便意を催すのが自然ですが、我慢を繰り返していると、神経反射が鈍くなり便意が遠のき宿便の状態から慢性便秘となります。便秘解消には、野菜・果物など繊維質を多くとり、水分摂取、ストレッチ体操など運動とともに毎日決まった時間にトイレに行く習慣作りが大事です。朝、冷たい牛乳やコーヒーを飲んで胃腸の動きを刺激することも良いでしょう。下剤も便秘が長く続いてから服用するのでなく、毎日の排便が習慣になるように上手にコントロールする必要があります。便秘は大腸癌の一因とも言われ、逆に大腸癌が便秘の原因のこともあります。たかが便秘されど便秘!

下痢
慢性の下痢には過敏性腸症候群のように器質的病気のない場合もありますが、若い人でも潰瘍性大腸炎やクローン病のように難治性疾患もみられ、下痢便に粘液や血液が混入するようなら専門科を受診してください。

血便・タール便
排便時に鮮血が出るときは痔だけでなく直腸癌のこともあります。大腸の出血は部位によって赤~赤黒い血が見られ、大腸憩室炎・虚血性腸炎・大腸癌などの可能性があります。一方、胃や十二指腸から大量出血するとコールタールのような真っ黒い便となり緊急処置が必要です。
消化器病学のことを“ウンコロジー”と茶化す人もいますが、便は健康の大事なバロメーターです。一日一回はそっと見てあげてください。


校医 永田茂之