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コラム「キャンパスCLINIC」

自律神経を 整えてみませんか?

白金通信2022秋号

体調不良は自律神経が原因?
  なんとなく調子が悪い…と感じる時は、自律神経が乱れている可能性があります。自律神経は、私たちの身体の機能をコントロールしてくれる神経です。自律神経には2種類あり、身体をアクティブモードにする交感神経と、リラックスモードにする副交感神経があり、この2つの神経のバランスをうまくとることで、私たちの体調は整います。昼間は交感神経、夜間には副交感神経が優位になる生活ができると、体調が良くなりますので、今回2つの神経のバランスを整えるためのポイントをいくつかご紹介します。ぜひお試しください。

朝・昼・夜の生活のポイント
  【朝】私たちには体内時計があり、1サイクルは24時間よりも少し長いといわれています。しかし私たちは24時間の世界で生活していますので、放っておくとだんだん後ろにずれてしまいます。自律神経と体内時計はリンクしていますので、朝の活動で体内時計をリセットし24時間の世界に合わせると、自律神経が整います。体内時計をリセットするためには、決まった時間に起き(遅く起きたい日は普段の起床時刻+2時間までを目安にしましょう)、起きたら光を浴び(カーテンを開けましょう)、朝食(大豆製品・乳製品・バナナなどがおすすめです)をとりましょう。これらの活動を行うことで、私たちの体内時計は1日を正しく刻み始めます。

  【昼】昼は適度な運動をしましょう。ストレス解消になりますし、睡眠の質を高めて自律神経を整えます。激しい運動ではなく、無理なく続けられるウォーキングがおすすめです。日中に眠気があり仮眠をとりたい場合は、(物足りなく感じられるかもしれませんが)20 ~ 30分が理想です。カフェインは効果が出るまで30分ほどかかるといわれているので、カフェインを含む飲み物を飲んでから30分未満のお昼寝をすると、起きた時に目が覚めやすい状態になっているのでおすすめです。

 【夜】夜といえば睡眠です。良い睡眠をとることができれば自律神経が整いますので、睡眠の質を上げるための取り組みをご紹介します。まず、シャワーではなく、湯船にゆっくりつかって身体をあたためるようにしましょう。カフェインやタバコは目を覚ましてしまうので、カフェインは寝る4時間前、タバコは寝る1時間前にはやめましょう(禁煙もできるとなお良いですね)。アルコールは寝つきが良くなるような気がしてしまいますが、実は睡眠を浅pくしてしまうので、眠るためにお酒を飲むということはやめてください。寝る前にスマホやパソコンを使用される方は多いと思いますが、目に光を入れてしまうと身体が朝と勘違いしてしまうので、寝る前の操作は控えましょう。お部屋のライトを暖かい色のものに変える、外の光がお部屋に入らないように遮光カーテンを使用する、というのも良い取り組みです。ほかにはストレッチをしたり、ゆったり過ごせるような音楽やアロマを使ったりして、リラックスするのもおすすめです。いくつか睡眠の質を上げるための取り組みをご紹介しましたが、いろいろ試してみてもなぜか眠れない時がくるかもしれません。そのまま寝ようと頑張ってしまうと余計に目が覚めてしまうので、その時は諦めてお布団から出てゆったり過ごしましょう。お布団=寝ようと意識してつらい場所…とならないように、眠くなってからお布団に入るようにしてくださいね。

自律神経を整えて健康に
 今回、自律神経を整えるためのポイントを、朝・昼・夜ごとにご紹介しました。まずは1つだけでも良いので、ぜひ試してみてください。いろいろ取り組んでみたけれど、やはり体調が悪い…などお困りの際には、遠慮なく健康支援センターまでご相談ください。



廣里治奈先生 (明治学院大学内科校医)

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