法科大学院等専門職大学院形成支援プログラム

明治学院大学法科大学院は、文部科学省が選定する「法科大学院等専門職大学院形成支援プログラム」に、下記二件を申請しともに採択されました(平成16年度)。

① 「遠隔授業システムとITを活用した実務教育-臨床実務および実務関連科目の充実のために-」(単独プロジェクト)

② 「公設法律事務所を活用した臨床法学教育」(國學院大學、東海大学、獨協大学との共同プロジェクト)

※本プログラムは平成18年度より「法科大学院等専門職大学院教育推進プログラム」に名称が変更されました。

「遠隔授業システムとITを活用した実務教育 -臨床実務および実務関連科目の充実のために-」(単独プロジェクト)

目的

本学は、基礎学力の獲得と実務能力の養成を重視し、段階的・体系的な教育を行っておりますが、これをさらに深化させることで、学生が主体的に法知識と法実務の結合をはかるようしむけることで、創造的思考・実践力のある法曹の育成を目指しています。

本プロジェクトは、学生の主体的な取り組みを促進するうえで、時間的、空間的制約を打ち破り、かつ、双方向・多方向の議論を可能にする、ITを活用した教育に有用性があることに着目し、法的思考力の育成と、理論と実務の架橋とを効果的に実現するために、ITを活用した法曹養成教育を行うことを目的としております。

具体的内容

①ローヤリング、エクスターンシップ、リーガルクリニックにおける実務教育(理論と実務の架橋)の効果を上げるためのテレビ会議システムを利用した遠隔授業システム

- 白金校舎の法廷教室、桂坂校舎の講義室およびリーガルクリニックを実施する東京弁護士会が設立した弁護士法人渋谷パブリック法律事務所にテレビ会議システムを導入し、三地点で連携して実務教育をするものです。

②法的思考力育成のため、ディスカッションメソッドの効果を高めるIT模擬裁判システムとPCネットワーク環境の整備、並びにIT利用の双方向的教育システムの導入。

- 上記のテレビ会議システムを利用しながら、模擬裁判形式による法的思考力の育成教育を行い、また、教室の全員の学生がPCを用いて教師あるいは他の学生の質問に答え、意見を表明できる双方向的教育システムの導入を図るものです。

平成16年度の成果

 白金校舎の法廷教室、桂坂校舎の講義室、および渋谷パブリック法律事務所の三箇所にテレビ会議システムを導入し、三地点間で遠隔授業を実施する体制を整え、その実施に着手しました。

平成17年度の成果

 白金校舎の講義室にもテレビ会議システムを導入し、白金校舎の法廷教室を核として、桂坂校舎の講義室、白金校舎の講義室ならびに渋谷パブリック法律事務所の複数の地点間で遠隔授業が実施できる体制が整い、異地点間の質疑応答を違和感なく行える教育環境を物理的に実現することで、授業における試験的利用を進めてきました。

「公設法律事務所を活用した臨床法学教育」(共同プロジェクト)

目的

このプロジェクトの目的は、理論に裏付けられた法的思考と熟達した実務技能を有し、社会・法制度に対して弛まぬ現状改革の姿勢を持つ法曹を養成するための有効な手段として、リーガルクリニックを活用することにあります。あわせて、法科大学院教育のリーガルクリニックを担いうる法律事務所は希少資源であり、これを遠隔の地でも有効に活用するメソッドの追求と開発は、わが国の法科大学院教育におけるリーガルクリニックの定着にとり、きわめて重要な意義をもっており、公設法律事務所を活用した臨床法学教育に積極的にかかわるとともに、リーガルクリニック教育の更なる可能性を模索することにあります。

國學院大學内に東京弁護士会が開設した弁護士法人渋谷パブリック法律事務所が扱う実際の案件を素材に、担当弁護士の指導のもと、法律相談・事件処理等の実習を行うことで、技術・作法の修得のみではなく、法的紛争の解決のために必要な事実分析能力、法的構成能力、文書作成能力等を実践的に養成することを目的としています。