樋口 楓子さん
美術史学研究コース



- 明治学院大学芸術学専攻を選んだ理由(院進学の理由)や、明学芸術学専攻の魅力を教えてください。


私は学芸員になるのが夢で、大学入学前から大学院に進学しようと考えていました。学部時代も芸術学専攻だったので美術史をはじめ様々な授業を履修していたのですが、先生との距離が近く、知りたいと思ったことを追求できる環境だったことをよく覚えています。大学院ではそれが顕著で、生徒と先生で授業をつくっていくという印象が強いです。自分の興味や関心をより深く追求できる環境は、芸術学専攻の大きな魅力だと思います。



-研究テーマについて教えてください。


中世に制作された日本の肖像画について研究をしています。歴史の教科書にも多くの肖像画が掲載されているため、歴史上人物の名前を聞かれたら、その人の顔をパッと思い浮かべることができるのではないでしょうか。肖像画はある特定の人物のイメージ形成に大きな役割を持っていますが、描かれた人物や制作者が不明なものも多く、後世の研究で像主(描かれた人物)が変わることもしばしばあります。私は、主に中世に活躍した土佐派の絵師たちが制作した肖像画を研究しており、制作者が土佐派の絵師なのか、また時代によって面貌表現がどのように変化していくのかを調べています。



- 今後の目標はなんですか。(進路予定など)


卒業後の進路としては博物館・美術館の学芸員を考えていますが、より深く研究を続けるために博士課程への進学も視野に入れています。私の場合、中世の日本美術について研究しているので、博士課程に進学して研究を続けながら、より専門的な知識を身につけることも、学芸員を目指すために必要なことではないかと思っています。



進学を考えている方へのメッセージ


大学院への進学を考えている方の中には、明確な目標があって進学を考えている人もいれば、進学に興味はあるがよくわからないという人もいるかと思います。私は目標があって進学を決めましたが、実際に院生として1年間過ごしてみて、とても辛いことが多かったです。学部の時よりやることは多い、研究も順調に進まない、そのうえ時間もない。正直、何度か進学を後悔しましたが、それ以上に得るものが多かったです。興味や関心の幅が広くなったのは勿論ですが、何か一つの課題に対して考え続ける力、思考を止めない力は、進学しなければ身につかなかったことだと思います。大変なことも多いですが、大学院でしか経験できないことも沢山あるので、一つの進路として考えてみてはいかがでしょうか。