斉藤 綾子

サイトウ アヤコ

映像芸術学コース

UCLA映画テレビジョン学部批評学科博士課程修了(Ph.D)。担当している授業は映像芸術学序説、映像芸術学演習、映像理論演習、卒論ゼミナールなどです。

私はもともと大学では心理学(精神医学・病跡学ゼミ)を学び、その後、酒類食品企業に就職、マーケティング本部というところに所属し5年半ほど働きましたが、働き始めて3年目くらいから日本脱出を試みてアメリカ留学するべく準備を始めました。退職後、米国西海岸のカリフォルニア大学アーヴァイン校に編入、たまたま面白そうだと選んだFilm Studiesで二つ目の学士を取得、その後UCLAの大学院、修士から博士課程まで進み、結局7年近くアメリカで勉強し、90年代半ばに帰国しました。映画学の中でも映画理論、特に精神分析映画理論、フェミニズム映画理論、ジェンダー批評などを中心に、ハリウッドのメロドラマ、日本の戦後映画、女優論など、様々なテーマの研究をしています。

担当している授業では、1年生対象の「映像芸術学序説」では、写真と映画を「視覚文化」と捉え、「見るということ」を学びます。「難しい」、いや「面白い」と学生の評価が分かれる授業ですが、理論的な概念や文章に触れることで、「わからない」愉しさを経験してもらいたいです。映像芸術学コースの専門科目である2年生の「映像芸術学演習」では、1年生の映画史通説を補強する形で、映画史と映画理論を交錯させる講義と、物語論や映画分析に取り組む学生の発表を中心に進められます。3年生対象の「映像理論演習」では、ジャンル、ジェンダー、記号論、など映画理論の基本論文を読み、また半期をかけ全員で一人の映画監督を詳細に検討していくこともあります。学部の授業では、学生が映画史や映画形式を分析的に考えるために必要な情報と方法論を学べるように心がけています。ただ映画を楽しむだけの受動的な観客ではなく、批判的な思考を獲得することも一つの目標としています。映画史を学び、好奇心と批評眼を身につけた映像芸術学コースの卒業生の多くは卒業後、映画関係の仕事に就いて活躍しています。

大学院での演習では、少人数の演習形式でさまざまなテーマを取り上げて、日英の文献購読、発表、ディスカッションをしていくという形式を取ります。今までに取り上げたテーマは、観客論、女優論、フェミニズム映画論、ジャンル論などで、理論と歴史、文化という広い分脈から映画を分析することを学びます。

とにかく、私の例を見ても人生どのように展開するかまったくわかりません。一番頭と心が柔軟で多感な大学時代に、多くを吸収し、多くに疑問を抱き、kindred spiritsを見つけ、芸術を愛し、楽しみ、破壊し、そして再び生産する時間と空間を作って、未知の領域に飛び込んで下さい。