音楽学コース
担当授業
【学部】音楽理論演習1A/B、音響表現論演習A/B、音楽分析演習、卒論ゼミナール
【大学院】音楽学演習ⅢC/D、音楽学特殊研究ⅢAB
メッセージ
東京生まれ。東京藝術大学音楽学部附属音楽高校、同大学、同大学院作曲専攻修了後、パリ国立高等音楽院作曲科および楽曲分析科修了。1996~1997年IRCAM(フランス国立音響/音楽の探究と調整研究所)研究員。1992年よりパリ在住。
芸術文化について学び考えることは、人間や世界について知るための最も美しく豊かな手段ではないでしょうか?芸術とは、目に見える現実の裏に隠された「見えない真実」を探求したいという、人間の試行錯誤の過程だと私は思います。創り手が何をどのように考え、表現へと具現化させたかを探ることは、純粋に楽しいだけでなく、各自の思考体系を整えるためのヒントにもなるのではないかと思います。
私は3歳からピアノやソルフェージュ、4歳から作曲のまねごとをはじめ、高校から約15年間にわたって、音楽を専門とする機関で教育を受けましたが、実際にそれを職業とするようになってみると、専門的知識や技術もさることながら、物事をより俯瞰的に見渡し、確固とした独自のものの見方、考え方を確立することこそが、人間として、芸術家として、最も必要かつ重要なことだと思われるのです。
芸術は、それについて考えることで、一見無関係に見える物事のつながりを浮かび上がらせる「結び目」のようなものでもあります。
私は自分も創作に携わる者として、ある時は作者の立場から、ある時は鑑賞者として、その「結び目」を作り出したり、緩めたりしながら、世界の隠された連関や謎について考えをめぐらせてゆけるような講義をめざしたいと考えています。
人間にとって、聞いたことは10%、見たことは30%、自分で経験したことは80%身に付くと聞いたことがあります。学生の皆さんも是非、講義を聞くだけでなく、レポートや創作など、自分自身で考え、経験することで、より多元的に知識をふくらませてください。