髙木 麻紀子

タカギ マキコ

総合芸術学コース

担当授業

【学部】芸術学概論P/S、キリスト教芸術P/S、芸術学各論1/2/3/4

メッセージ

東京都出身。都立日比谷高校卒業。東京藝術大学美術学部芸術学科卒業。東京藝術大学大学院美術研究科修士課程修了。ストラスブール大学Master 2 Recherche(修士)課程修了。東京藝術大学大学院美術研究科博士課程修了。博士(美術)。2020年、『ガストン・フェビュスの『狩猟の書』挿絵研究』(中央公論美術出版)で第37回渋沢・クローデル賞奨励賞を受賞。2023年春に本学芸術学科に着任。

幼い頃より絵をみること、描くことが大好きでした。なかでも小学生のときに訪問したMOMA(ニューヨーク近代美術館)展で、ゴッホの《星月夜》とシャガールの《私と村》を目にしたときの感動はいまも鮮明に覚えていて、その後はしばらく思い出しながら似たような絵を描いていました。東京藝術大学の芸術学科を志したのも、美術史と実技(油画、日本画、彫刻、銅版画、コマ撮りアニメ制作もやりました!)の両方を学ぶことができるからでした。

専門はヨーロッパ中世の美術、特にフランスを中心とした中世末期の世俗主題の美術です。学部の卒業論文では一角獣のタピスリーを、大学院では14世紀南仏の有力諸侯、フォワ伯ガストン・フェビュスが著した『狩猟の書』の挿絵をテーマにしました。あまり馴染みのないテーマかもしれませんが、個人的には子ども時代に好きだった外国の絵本や絵画作品を彷彿とさせると感じており、どちらも完全にひとめぼれでした。研究を深めるため、専門家の先生がいらっしゃるフランスのストラスブール大学に留学し、この経験が現在の自身の考え方、世界の見方を形成するのに少なからず影響を与えているように思います。

ストラスブールを中心都市とするフランス北東部のアルザス地方は、かつて独仏間の動乱の最前線であったという辛い過去を持つ地域でもあり、間借りさせてくださった年長のアルザス人女性が語る話しのなかにも、ふとした瞬間に、その傷跡が垣間見られることがありました。異文化間を行き来し相互理解を深めることは決して容易ではないと実感しましたが、そうしたなかで芸術学を学ぶことは、自分とは異なるバックグラウンド、思想、価値観を持つ人々に対する理解や寛容の心を養うことにも繋がってゆくと考えており、またそのような視点を大切にして、みなさんと一緒にアートの世界の奥深さを楽しんでいけたらいいなと思っております。

researchmap