和田 ちはる

ワダ チハル

音楽学コース

担当授業

【学部】西洋音楽通史P/S、音楽学資料講読
【大学院】音楽学演習ⅠA/ⅠB、音楽学特殊研究ⅠA/ⅠB

メッセージ

横浜生まれ。東京藝術大学音楽学部楽理科、同大学大学院音楽研究科修士課程を経て、2010年3月、博士後期課程(音楽学)修了。主な研究領域はハンス・アイスラーをはじめとする旧東ドイツの作曲家たちと音楽文化、20世紀ドイツ音楽、音楽と政治。

子供のころから音楽が好きで、ピアノの他、小学校ではコルネットを吹き、中学高校ではオーケストラでヴァイオリンを弾いていました。高校を卒業して最初に進んだ大学では薬学を学び、卒業後は薬局で1年間働きました。それから、音楽家になるための大学というものに通ってみたくて、もういちど大学生になりました。きっかけはただの好奇心だったのですが、そこには予想以上におもしろいものがたくさんあって、そんなこんなで現在に至っています。

大学での勉強や研究は、高校まで以上に「おもしろい」「もっと知りたい」という気持ちと結びついているべきなのではないかと私は思います。同時に「本当かな」「何か変だな」という感覚も重要です。そういう気持ちこそが、新しい知識を吸収し、情報の吟味・再検討を通して自分自身の考えを深めるうえでの原動力だと思うからです。

音楽の歴史を学ぶ授業では、有名な作曲家や作品の名前をたくさん覚えることよりも、知らない音楽と出会うことや、いろいろな角度から音楽の歴史を眺めることに重点を置いています。文献を読む授業でも基本的な姿勢は同じです。何語でも、どんな専門領域でも、著者というのはふつう、自分の考えを伝えたくてその文章を書いているはずです。そして学術的な著作に対する誠実な態度とは、書かれていることを鵜呑みにすることではなく、読者がそれぞれの立場でそれに向き合い、それを手がかりにいろいろなことに関心をもち、そこから自発的に思考することだと思うのです。

        

ゼミ形式の授業は、各自の「おもしろい」を言葉で適切に他人に伝えるために必要なことを、実践を通して学ぶ場です。音楽について言葉で説明するのはとても難しいことですが、ここでは、言葉で言い表すことが難しいものを言葉の型にはめるのではなく、思考錯誤の末にいろいろな発見をすることを目指しています。

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