座学だけでは得られない新しい視点・発見・知識を得ることができました

松本 理沙
芸術メディア論コース

明治学院大学芸術学科と今のコースを選んだ理由、魅力的なところを教えてください。

高校生の頃に、商品のパッケージや宣伝用ポスター等のデザインに興味を持ち、「将来は自分も人の心や行動に影響を与えるようなモノを創作したい!」と考えて、メディア・コミュニケーションやデザイン論、デジタルアート論などが学べる芸術学科芸術メディア論コースを選びました。

芸術メディア論コースの魅力は、ワークショップやフィールドワークで実際に頭と体を動かしながら学んでいくところにあると思います。授業のネタバレになってしまうので詳しくは言いませんが、いつも歩いている通学路をいつもとは違う目線で歩いてみたり、CMを分析してみたり、「名刺」の代わりとなるものを自作して自己紹介してみたり…。学校にある全ての自動販売機の下に落ちている小銭を一週間観察して、金額の変動を図にまとめたこともありました(笑)実際に体験したからこそ、座学だけでは得られない新しい視点・発見・知識を得ることができたと感じています。

印象に残っている授業などはありますか?

3年次に受けた「メディア産業論」という授業が印象に残っています。

簡単に言えば「アイデア」の作り方を学ぶ授業で、広告代理店に勤めていらっしゃる先生からご指導いただきました。この授業では毎週、日々の生活の中で気づいたことを報告する「生活日記」というものを提出していたのですが、この生活日記を見返したことでアイデアが浮かんだことも何度かあって、アイデア創出のためのヒントは日常の中に隠れているのだということを実感しました。後期には、実際に存在している企業のビジネスから問題点を見出し、それを解決するための策を考えて発表するという、マーケティングのようなことをしたのですが、このワークがとても楽しくて、私の進路にも若干の影響を与えたので、印象に残っています。

研究テーマや興味のあるテーマについて教えてください。

私は庵野秀明が原作・監督/総監督をつとめる『エヴァンゲリオン』シリーズが大好きで、今は『エヴァンゲリオン』シリーズの内容が94年~現代にかけて変化しているように感じることに着目して、そう感じさせる要因を解明するための研究を行っています。作品の内容の変化は、無論制作陣側の意識の変化等が影響していると思いますが、ファンの行動も何かしら影響を与えているのではないかと考えていて、90年代から現代までの『エヴァンゲリオン』ファンの行動を調査しながら考察しています。90年代の様子を知る『エヴァンゲリオン』ファンの方々にインタビューしたり、ネット掲示板のログや過去のアニメ雑誌を漁ったりしているのですが、どの作業も『エヴァンゲリオン』ファンである私にとってはたまらなく楽しいです。

学び以外に力を入れていることがあれば教えてください。

学び以外では、地域の吹奏楽団での活動に力を注いでいました。

(新型コロナ流行前は)コンクールも含め年間20回程度の本番があったので、忙しくも充実した日々を過ごしていました。社会人の方が多く在籍している楽団で、様々なバックボーンを持った人たちと交流できたのは良い経験だったと思います。団員の中には自営業者の方もいて、お店のマスコットキャラクターを制作させていただいたりもしました。仕事としてモノづくりをしたのはこれが初めてで、将来的にクリエイティブな職につきたいと思っていた私にとっては非常に有益な経験でした。

今後の目標は何ですか?(卒業後の進路予定など)

卒業後、私は企業のデジタルビジネスを支援する会社に就職します。消費者向け商材を扱う企業のWEBサイトやECサイト、SNSを企画運用することが主な仕事です。この仕事を通じて、企業のマーケティングを、価格等の損得を訴求するやり方から、持続可能な社会を共に創ることを呼びかけるやり方へと変革させることが、会社の、そして私自身の目標です。高校生の頃から「人の心や行動に影響を与えるようなものを作りたい!」と考えていた私ですが、今後は仕事の中で、人の価値観や行動に影響を与えるような企画づくりをしていきたいです。

「松本が企画したプロジェクトでものの考え方が変わったよ」なんて言われたら最高ですね。そう言われるような仕事ができるように、日々精進したいと思います。

受験生に向けて伝えたいこと

私は正直、芸術メディア論コースの授業で行うワークショップやフィールドワークに対して、最初は「なんでこんなことするんだ?」「課題ちょっと辛い…」なんて思っていました(笑)でも実際にやってみると、意外なことが分かったり発見できたりして、結果的にやってよかったと感じたんです。こういう、やってみると意外なことに繋がるということは、授業以外でもよくあることだと思います。ちょっと気になって入ってみたサークルで、自分がずっとやりたかったことが経験ができちゃったり、面白そうだからとってみた授業が、実は自分の将来やりたいことと深く繋がっていたり…。

「怪我の功名」なんて言葉もありますが、いつ何がどこで繋がるかわからないからこそ、受験生の皆さんには、色んなことに挑戦してみてほしいと思います。気になったら手をつけてみて、「違う」と思ったらやめて、また新しいことに挑戦してみる。こんな形でも、行動し続けることに意味があると思います。大学生活は4年間ですが、長いようであっという間に終わります。悔いの無いよう、毎日を積極的に過ごしてみてください。