芸術学科の魅力は、なにより「人」だと思います

後藤 佳奈美さん
美術史学コース

明治学院大学芸術学科と今のコースを選んだ理由、魅力的なところを教えてください。

芸術を学びたい!だから明学の芸術学科に進みたい!と初めから思っていた訳ではありません。色々な大学の色々な学科を受験して、最終的に自分はどこに進めば4年間楽しく学べるかを考えて決めました。高校までとは違い、大学は自分の興味関心のあることをとことん突き詰めていくというイメージがあり、私の眼には芸術という分野が魅力的に映りました。昔から音楽が好きで楽器を吹いていますし、美術館や博物館にもよく足を運んでいたので、単純に「芸術学って楽しそう」と思ってこの学科に進みました。

芸術学科では2年生からコースが分かれるので、1年生の間にどのコースに進みたいのかを決める必要があります。私はどのコースも気になりすぎて、ほぼすべてのコースの必修科目を履修していました。授業や課題は決して楽ではありませんが、各分野の基礎を1年生のうちに網羅できるのが芸術学科のいい所です。なかでも私は美術史の授業を受けた後、知識を得るだけで絵画の見方がここまで変わるのか!と衝撃を受け、美術史学コースに進みました。もともと教会建築や印象派の画家に興味があったので、ジャンル問わず学ぶ意欲が湧いた西洋美術史学を専攻しました。

芸術学科の魅力は、なにより「人」だと思います。それぞれ好きなものを芯に持ち、やりたいことを楽しんでやっている自由な感じがあります。先生方も朗らかで、芸術愛が伝わる面白い授業ばかりです。

印象に残っている授業などはありますか?

3年次から履修していた学芸員資格課程の授業が印象に残っています。コロナの影響で全てオンライン授業になり、みんなで見学や実習に行くことが出来ませんでした。しかし、通常は入れない博物館の研究室から中継で繋いでくださったり、他大学の研究者の方のお話を伺えたりと、先生方が工夫してくださったおかげで非常に充実した授業でした。コロナ禍でミュージアムの使命・役割が問い直されている真っ只中で、海外の先行事例や日本のミュージアムの課題を調査し、グループでディスカッションを行ったりしました。はじめは探り探りのオンライン授業でしたが、だからこそ先生と生徒一丸となって授業を創っている感覚が楽しかったです。

年次に履修したデッサンの授業も大好きでした。友達の姿を描いたり、卵や瓶の質感を鉛筆で表現するのは難しかったですが、夢中になって完成させたときの達成感がすごいです。この授業をきっかけに、今でも趣味で写真の模写をしたりしています。

研究テーマや興味のあるテーマについて教えてください。

卒業論文のテーマは『舞台芸術におけるジェンダー観』、主にフランス近代の画家を中心に研究しています。3年次の演習の授業でベルト・モリゾやメアリー・カサットといった女性画家を分析したのがきっかけでフェミニズムの動きに興味を持ちました。ジェンダーの壁が分厚かった「劇場」の一場面を切り取った作品を見つめ、一見華やかな舞台にどんな社会の闇が隠れているのかを明らかにしていきます。音楽も演劇も大好きな私にとってぴったりなテーマを見つけられたな、と思っています!絵を見るだけでなく実際にオペラを聴いたり演劇を観に行ったり、常に興味が広がる感覚で楽しみながら取り組むことができています。

学び以外に力を入れていることがあれば教えてください。

一般の吹奏楽団でフルートを吹いています。サークルとは異なり幅広い年代の方々が集まって活動しているので、仕事や趣味など色々なお話を聞けるのが私のひとつの楽しみです。毎年吹奏楽コンクール、定期演奏会、地域のイベントなどたくさんの演奏機会があり充実しています。昨年度はコロナの影響ですべて中止になってしまい、練習ができない状態が続いていました。感染対策を徹底し徐々に練習を再開し、今年度は無事吹奏楽コンクールに出場、全国大会で銀賞を受賞することが出来ました。改めてステージで演奏できること、お客さんに聴いて頂けることの有難さをかみしめながら臨み、印象深い本番になりました。フルートを初めてあっという間にもう10年、こんなに続けるとは思っていませんでしたが…きっと死ぬまでやっていると思います(笑)。それくらい魅力のある楽器です。

今後の目標は何ですか?(卒業後の進路予定など)

まずは悔いのない学生生活を送って、4月からの新社会人生活で気持ちの良いスタートを切りたいと思います。卒業論文もそうですが、自分の興味関心のあることは時間のある今のうちに挑戦したいなと思っています。特に大学3.4年はコロナを言い訳になかなか動き出せていなかったので、全国各地の美術館・博物館や舞台演劇に足を運ぼうと計画している最中です。

コロナ不況での就職活動は不安との戦いでしたが、有難いことに内定を頂くことが出来ました。今は資格取得のための勉強に励んでいます。芸術学科で培った、モノを客観的に分析し相手に伝える力はどんな場面でも生かせると思っています。これから知らないこと・分からないことばかりで壁を感じることは沢山あると覚悟していますが、自分の興味を見失わずに粘り強く取り組むことを忘れずにいたいです。

受験生に向けて伝えたいこと

毎日の勉強本当にお疲れ様です。私は高校3年生の夏まで部活をみっちりやっていたので、今頃相当焦っていたと思います。明学を受験したときも手応えがなさ過ぎて絶対に落ちたと思ってたので、最後まで諦めない心が大切です!芸術学科は学生も先生も面白い人たちが集まっています。芸術が好きという気持ちがあれば、後悔は絶対しないし退屈することも一切ないはずです。コロナ禍で大学に通えない日々が続いた時も先生方の臨機応変な対応に助けられましたし、就活の悩みもキャリアセンターの方にWEBで相談に乗って頂き乗り越えることが出来ました。大学に進むにあたって皆さんが抱えている不安もきっと解決できると思うので、明学についてもっと知って欲しいなと思います。

芸術に限らず、私は大学生活を通して「興味がない・つまらないのは、ただ知らないだけ」と学んだので、興味がないと決めつけずに知らないことも自分から働きかければ必ず面白くなると思っています。自分の道を狭めることなく可能性は無限に広げて、より良い進路選択できることを願っています。