芸術学科は「芸術を座学で学ぶ」珍しい学科だと思います

汐月 里穂さん
演劇身体表現コース

明治学院大学芸術学科と今のコースを選んだ理由、魅力的なところを教えてください。

小学生の時に劇団四季の『ライオン・キング』を観たときに、俳優と観客が劇場に存在することで生まれる生のエンターテインメントに感動し、演劇が好きになりました。そして、大学でも演劇を学びたいと思い、芸術学科の演劇身体表現コースを選びました。芸術学科の魅力的なところは、「芸術を総合的に学べるところ」だと思います。私は演劇身体表現コースに所属していますが、その他に音楽、映像、美術、芸術メディアなどのさまざまな分野の授業を自分の興味に合わせて履修することができます。さまざまな分野の授業があることで興味の幅が広がり、他の分野で学んだことを自分の専門分野の学びに活かすこともできます。私は、演劇以外に芸術メディアの分野にも興味があったため、積極的に芸術メディア関連の授業を履修していました。また、演劇身体表現コースの魅力的なところは、「自由なところ」だと思います。演劇の中でも、ミュージカル、伝統芸能、衣装、メイク、舞台装置、身体表現など興味関心のあるものが人それぞれ違っています。しかし、演劇身体表現コースには豊かな感性を持った学生が多く、それぞれの意見や考えを尊重し合える風土があります。そのため、自分の好きなことを自由に追求することができる環境だと思います。

印象に残っている授業などはありますか?

1年生の時に履修していた「身体表現論概説」です。この授業は芸術学科に入って最初に受けた身体表現の授業でした。私は演劇身体表現について学ぶと思っていたのですが、「身体とは何か」というところから授業が始まったのが衝撃的でした。このように、演劇身体表現だけではなく日常の身体表現について学んだことで、自分の身体との向き合い方が変わったのと同時に、身体表現に対する考え方の幅が一気に広がりました。また、現在履修している授業で興味深いと思っている授業は、放送作家の鈴木おさむさんが講師を務める「芸術メディア論特講」です。テレビ業界の裏側を聞くことができると同時に、数々のヒット作を世に発信してきた鈴木おさむさんの企画の考え方を学ぶことができます。企画を考え方を学んだことで、0から1を生み出すことの難しさや面白さを学ぶことができています。

研究テーマや興味のあるテーマについて教えてください。

現在は、「ミュージカルの社会性」について研究しています。演劇は「社会を映す鏡」と呼ばれています。特に、ミュージカルは表面上は演技、音楽、美術、ダンスなどが合わさった総合芸術として華やかなイメージがあると思いますが、その裏には社会問題や社会的メッセージが描かれていることがあります。この二面性に興味を持ったことがミュージカルの社会性について研究するきっかけでした。具体的に、近年世の中で関心が高まっているLGBTQを扱った作品を取り上げて、ミュージカルの中でLGBTQがどのように描かれているのかを考えています。

学び以外に力を入れていることがあれば教えてください。

現在はボランティア活動に力を入れています。具体的に、地域で活動されている方々に取材して記事にすることで、地域の魅力を発信しています。現在は、横浜市のこども食堂を取材して情報紙を製作するプロジェクトに携わっています。地域活性化に興味を持っている理由は、私自身田舎出身で、地元に活気がなくなっていく姿を見ているなかで、地域の魅力を発信することで地域の活性化に貢献したいと思ったからです。

今後の目標は何ですか?(卒業後の進路予定など)

卒業後は、芸術学科で学んだことを活かして演劇やエンタメに関わる仕事に就きたいと思っていますが、一般企業への就職も考えています。今の時点では、大学で学んだことをこれから社会で活かせるのかはわかりませんが、芸術学科で自分の好きなことを学べたことは自分にとって大きな財産だと思っています。私は、芸術学科で芸術が持つ「人の心を動かす力」を改めて感じることができました。そのため、自分の行動や自分が生み出した物を通して、人の喜び、感動、笑顔を生み出し、人の心を動かせるような人間になりたいと思っています。

受験生に向けて伝えたいこと

明治学院大学の芸術学科は、「芸術を座学で学ぶ」珍しい学科だと思います。珍しいからこそ、他の学生とは違う学びを深められると思います。そして、芸術学科には自分の好きなことを学びにくる学生が多いと思います。そのため、一つのことに対して興味関心が強かったり、感性が豊かであったり、個性を持った学生がいます。コロナ禍に限らず、いつの時代も人々に癒しや勇気、希望を与えてきた芸術に魅力を感じたり、好きなことを追求したい学生は、是非芸術学科を受験していただきたいです。また、大学の4年間は人生の中でいちばん自由な時間であり、「人生の夏休み」だと思います。そのなかで、失敗を恐れず新しいことにたくさん挑戦してください。例え失敗しても、その経験がその後の人生に役立っていくと思います。そして、これから芸術学科を受験される学生が大学に通うときは、大学もコロナ前の状態に戻っていると思います。そのため、大学に通う中で人との出会いを大切にすることで自分の成長につなげてもらいたいです。学生に少しでも芸術学科の魅力が伝わっていたら嬉しく思います!