Yone Noguchiの名前で知られた野口米次郎( 1875-1947)は、 日系アメリカ文学者の嚆矢であった。19世末のアメリカ西海岸文壇に 野口は英語で詩を書く日本詩人として 登場した。 12年の滞米後日本に帰国し、慶應義塾の英文科で教鞭をとるかたわら、日本と英米をつなぐ翻訳、翻案作品を多数 執筆した。 本講義では、彼の翻訳、翻案作品をとりあげ、そこからみえてくる彼の「日本」文学・文化論(それをジャポニズムと呼ぶ)のありようと、その 変容をあとづけてみようと思う。 1910-20年代英米モダニズム詩学と 1930-40年代 日本の戦時ナショナリズムをつないだのが、野口のジャポニズムであった。具体的 には、ポーの翻案から始まった英語詩と英語俳句、英語狂言の翻案、 SF小説の日本語翻案、 浮世絵を文字で語り直す浮世絵論とその本のつくり方などの話題について取り上げること になるだろう。 講師:宇沢 美子 慶應義塾大学 教授 司会:富山 英俊 (明治学院大学) |
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開催日 | 2019年 12月 16日(月) |
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時間 | 16:45-18:15 |
会場 | 白金校舎 本館 1255教室 |
主催 | 文学部英文学科 |