平岩 健 Ken Hiraiwa

平岩 健
教授

理論言語学 (生成文法・統語論)、 認知科学

英語と日本語の統語構造の詳細な分析を軸にしつつ、世界中の様々な言語のデータも鑑みながら、未だに謎に包まれている人間言語の認知的・生物学的メカニズムに迫ります。

素粒子のミクロの世界から広大な宇宙のマクロの世界まで、科学研究は私たちが存在する物質世界に潜む法則を明らかにしつつあります。もう世の中には解明すべき未知の世界は存在しないんじゃないかと思うかもしれませんが、まだまだ未知の謎で溢れている分野があります。それは「人間の脳とこころの問題」 (Mind and Brain) と呼ばれる領域です。この「認知科学」という分野は1950年代になって急速に発展しましたが、まだたかだか50年、物理学や生物学と比較するととても若い分野です。その認知科学の中でもとても謎めいているものの一つが「人間の言語」です。言語学は人間言語の普遍性と多様性のメカニズムを解明する研究です。

ヒトは何故みんな言語を持っているのだろう? ヒト以外の動物は何故言語を持たないのだろう? 6000以上ある人間言語は本当にどれもバラバラに違うのだろうか? それとも何か共通のメカニズムがあるんだろうか? といったとても大きな謎から、みなさんが今まで英語を勉強してきて必ず一度は思ったことがあるような「何故英語ではこう言うんだろう? 暗記するしかないの?」「何故こうは言えないの?」といった小さな (がしかし実は言語の認知科学にとってはとても重要な) 疑問まで、それに科学的に答えを見つけていこうとするのが私たち言語学者です。

もしちょっとでも謎に興味を持ったら、是非英語学コースの授業に出てみてください。そしてまだまだ分からないことだらけの最先端の研究に触れて、一緒に色々な謎に取り組んでみませんか? ささいなことに思えるかもしれないところに、実は人間言語のメカニズムを解く大きな鍵が隠されていますよ。

個人ホームページ : https://sites.google.com/view/kenhiraiwa
ThARL 琉球諸語理論言語学研究会: https://sites.google.com/view/tharl/

略歴

1974年生まれ愛知県出身。米国マサチューセッツ工科大学 (MIT) 大学院言語学科でPh.D in Linguistics (言語学博士) を取得後、日本学術振興会 (JSPS) 特別研究員 (東京大学) 、ニューヨーク大学 (NYU) 言語学科客員研究員、ヴィクトリア大学言語学科助教授 (カナダ) を経て、2009年9月より明治学院大学文学部英文学科専任講師、准教授を経て、2017年4月より同教授。