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大学院修士論文中間発表

2015年8月3日

7月22日、水曜日。今年も例年通り、修士論文の中間発表が行われた。今年もアスファルトに陽炎がゆらめくような暑い日だった。

今年の発表者は5人。修士課程の3名に加え、博士課程の2名が発表した。
ギュスターヴ・ドレのバンド・デシネのコマ割の変遷、アルベール・カミュの作品における自殺の描写、アレクサンドル・デュマ・フィスの『椿姫』のヒロイン像、ベルリオーズを主軸に置いて考えるオペラ史における『アエネーイス』、60年代におけるニキ・ド・サンファルの身体表象の意義など、非常に多岐に渡る研究テーマが並んだ。こうした多様性こそが、明治学院大学大学院の面白い面であり、自身の専攻以外の領域や分野へのパースペクティヴを広げてくれるところだ。
一人一人の研究内容に対し、先生方はユーモアを交えながら、しかし真摯に向き合って下さり、発表者は各々、今後の課題や新しい切り口を見つけていたようだった。

さて、全ての発表が終わると、これもまた例年通り、中間発表夜の部と称すべき打ち上げが行われた。この打ち上げが中間発表の一部と言えるのは、緊張が解れ、先生方から、より掘り下げたお話が聞けたり、院生同士で議論し合えたり、昼の部で得たことを噛み砕き、消化する時間となるからだ。
よく、他の大学院の人たちから、「明学は先生方との距離が近くて本当に羨ましい」、と言われるが、この夜の部に参加する度にその言葉を思い出す。中間発表のピリッとした空気、そして打ち上げ会場でのざっくばらんな会話、このワンセットは、これからも明学仏文の伝統であってほしい。

人文系の研究では、自身の内面に向き合う時間が非常に多いと思う。しかし、ときにそれは閉鎖的で閉塞的な考えへと導いてしまう場合がある。先生方や院生同士の話し合いの場は、それまで見えていなかったようなもの、考えもしなかったようなことを見つけられる貴重な空間となり得る。毎年、中間発表のこのメリハリが院生に与えてくれる刺激のなんと大きいことだろう。 まだまだ酷暑は続くが、皆、体調管理に気をつけて修士論文提出までの残り5か月間を是非とも有意義に過ごして頂きたい。

Y.N

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