フランス文学科  /  大学院  /  2020年度の担当教授と講義内容

2020年度の担当教授と講義内容

博士前期課程

演習Ⅲ
杉本 圭子
【講義概要(春・秋学期)】スタンダール『赤と黒』の抜粋を原文で読みながら、文学批評の方法の基礎を学ぶ。 19世紀当時の作品の受容、20世紀の批評家による批評(アルベール・ティボーデ、ジャン・プレヴォ―…)、ヌーヴェル・クリティックによる批評(ジュネット、ジャン・ピエール・リシャール、ジャン・スタロバンスキー…)を順次抜粋で読み、作品批評の流れをつかむ。
演習Ⅳ
畠山 達
【講義概要(春・秋学期)】 ボードレール『悪の華』を読む。『悪の華』を通して、詩の読み方、詩法、解釈の多様性を知る。汲み尽くすことのできない文化的・政治的・文学的背景を詩から読み解く。
演習Ⅵ
慎改 康之
【講義概要(春・秋学期)】 フーコーの言う「規律権力」と個人の自己同一性とのかかわりについて、Michel Foucault, Surveiller et Punir(『監獄の誕生』)をフランス語で講読しつつ考察する。春学期は第4部「監獄」第1章「完全かつ厳格な制度」を読む。秋学期は第4部「監獄」第2章「違法行為と非行性」を読む。
演習Ⅶ
湯沢 英彦
【講義概要(春・秋学期)】19世紀末から20世紀初めに書かれた代表的な美術評論を読んでいく。 春学期は、Paul Signac, D’Eugène Delacroix au néo-impressionnisme およびMaurice Denis, Théories, 1890-1910 ; du symbolisme et de gauguin vers un nouvel ordre classiqueの2作品が中心となる。秋学期は春学期に引き続き、20世紀初頭に書かれた代表的な美術評論を読んでいく。中心となるのは、以下の著作である。Guillaume Apollinaire, Les peintres cubistes Henris Matisse, Écrits et Propos sur l’art なお、マチスのテクストを読む準備として、色彩とデッサンに関する古典的な議論も参照する。
特殊研究Ⅲ
有田 英也
【講義概要(春・秋学期)】多彩な活動で知られるジャン・コクトーの人と作品については、プレイヤッド版作品集が出版された2000年代以降に新しい知見が現れている。この授業では、コクトーの小説代表作『恐るべき子供たち』を、新しい研究視角に位置づける。秋学期は『恐るべき子供たち』後半の講読。作者の阿片中毒と作品執筆を結びつける方法や、主要登場人物の再現に注目する研究に目配りしながら、同作の文学史的意義について考える。
特殊研究Ⅳ
朝比奈 弘治
【講義概要(春・秋学期)】 研究テーマがどのようなものであれ、フランス文学専攻の大学院で学ぶためには、まずフランス語の読解力が必要不可欠である。この授業では研究の基礎となるフランス語の力を高めることを第一の目標とする。したがって特別のテーマは定めず、受講者がそれぞれの関心に応じて持ち寄ったフランス語のテクストを順番に読んでいく。そうした作業を通して、読解力ばかりでなく、それぞれの学生が自分の研究を深めていくことを期待している。
特殊研究Ⅵ
石川 美子
【講義概要(春・秋学期)】「批評」の手法について考える。文学作品や絵画作品などを、作家や思想家たちがどのように分析・批評しているかを読みとり、考察してゆく。まず各人が、作品(小説、絵画、写真、演劇など)を読んで(ながめて)分析し、短評としてまとめる。互いの短評を読んで、意見を述べ合う。それから、その作品についての作家(批評家など)のテクストをフランス語で精読し、作品批評とは何かを考える。文学作品としてはヴェルヌ、フロベール、ロブ=グリエ、モリエールなどの作品を読み、絵画作品としてはファン・アイク、ベラスケス、「受胎告知」などを見てゆく予定である。
特殊研究Ⅷ
永井 敦子
【講義概要(春・秋学期)】アンドレ・ドーテル(André Dhôtel:1900-1991)の短編小説の精読をします。ドーテルの作品には、しばしば日常的な生活のなかに潜む、人間の常識や知性ではわりきれない世界を垣間見る瞬間が描きだされます。そうしたドーテルの自然観、世界観を読み解き、そこに幻想小説のひとつの形を見出したいとおもいます。
秋学期も引き続きアンドレ・ドーテルの短編小説の精読をします。ドーテルは哲学を学び、哲学の教師をしていました。子供向きの童話や清純な恋愛小説にも、彼の哲学的思考を読み取ることができます。そこで短編小説集Idyllesのなかから、特に言葉をめぐる思考が展開されている作品を選び、彼の考える言葉と人間と世界の関係について、考えてみたいと思います。