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2018年度の担当教授と講義内容

博士前期課程

演習Ⅲ
朝比奈弘治
【講義概要(春・秋学期)】春学期はソシュール言語学入門。20世紀初頭にソシュールが生み出したいわゆる「構造主義言語学」は、言語学の枠を越えて人文科学のあらゆる分野に大きな影響を及ぼした。ソシュールの基本的な用語と概念を知ることは、文学の研究においても大いに役立つだろう。授業ではソシュールとその後継者たちのテクストを抜粋で読み、考えてゆく。秋学期はフランス近現代のさまざまな小説の冒頭部分を読む。小説の書きだし(incipit)には、読者を作品世界に引き込むためのさまざまな工夫がこらされている。とりわけその作品の語りの位相は、最初の一文によってまず決定されると言ってもいいだろう。授業では各作家・作品の固有の特徴を検討すると同時に、読み比べることによって近代小説の流れを概観することにもつなげてゆきたい。
演習Ⅳ
石川 美子
【講義概要(春・秋学期)】文学と絵画における「風景」概念と描写について考察する。まず、古代から17世紀における「風景」の概念の誕生と変遷、「風景」をめぐる言葉の変遷を検証してから、文学作品における風景描写や、宗教画の背景としての風景描写などを分析してゆく。つぎに18世紀文学における風景描写と風景画批評を検討する。そして18世紀後半における「風景」と「崇高」と修辞学の結びつきを考えたあと、19世紀における風景文学と抒情的風景画の考察へとつなげてゆく。春学期はダンテ、ペトラルカ、ラブレー、モンテーニュ、ルソーなどの作家を、秋学期はシャトーブリアン、バルザック、ミシュレ、ユゴーなどの作品をあつかう。
演習Ⅴ
湯沢 英彦
【講義概要(春・秋学期)】Marc Jimmez, L'esthétique contemporaine, Klincksieck, 2004 を用いて、現代において美術作品を論じるときに必要な、基礎的な「美学」の諸概念について理解してゆく。ただし参加者の興味関心や研究課題に応じて、授業テーマは柔軟に変更してゆく。
演習Ⅶ
LEVY Jacques H.
【講義概要(春・秋学期)】物語のフィクションの性や文体の問題を論述の対象にした、最も重要とされているいくつかの論文を丁寧に読んでいく。同時に、近年、言語学、ナラトロジーや文芸批評においてどのような傾向や議論が見届けられるのか、幅広く紹介していく。
特殊研究Ⅰ
有田 英也
【講義概要(春・秋学期)】フランス20世紀の代表的女性作家コレット円熟期の小説『牝猫』を原文で読む。コレットは「身体的快楽」(=性愛)や「感覚的世界」などの常套句で語られがちだが、21世紀になって新しい散文のエクリチュールの創始者として再評価され始めているようだ。最新の研究にも目配りする。L'Herne特集号に「動物」という項目が立てられているように、コレットは動植物と人間の交歓を描いた作家としても知られる。原書講読と合わせて、「人間と動物」という観点からもコレットにアプローチする。
特殊研究Ⅲ
長谷 泰
【講義概要(春・秋学期)】本授業を大学院での通常の講義や参加者各人の専門的研究の枠をはずれた場にしたい。よって特別のテーマやテクストを前もって与えることはしない。参加者の読みたい、知りたいテクスト(文学にかぎらない)を一つか二つ、徹底的に読みこなし、しかも速読のコツを会得し、そこから、たとえ各自の専門分野外のテクスト、テーマであっても自己の土俵に引きいれて、各自の準備している論文の思考材料に接続しうるだけの応用・発想力を養うための実践的な場にしたい。要するに、基本的な読む力の養成(それがなければ、テクストに即した新たな視点や論点もおのずと発想されてくることはない)、医学なら基礎医学にあたるものがこの授業の内容である。
特殊研究Ⅳ
田原 いずみ
【講義概要(春・秋学期)】春学期は言語学の一分野、“意味論"(言語表現とその意味との間にある関係を明らかにする研究領域)がテーマである。意味論の中でも特に語彙のレヴェルに関する“語彙意味論”についてフランス語で書かれた文献の講読を中心に授業を行う。フランス語で書かれた文献を用い、毎回の授業は参加者の予習に基づく発表を主体に行う。秋学期は言語学の一分野、“語用論”(言語表現とその使用者や文脈の間にある関係を研究する分野)がテーマである。フランス語で書かれた文献を用い、毎回の授業は参加者の予習に基づく発表を主体に行う。
特殊研究Ⅵ
岩切 正一郎
【講義概要(春・秋学期)】春学期はRimbaud, 'Illuminations'を講読する。Baudelaire, Mallarmé, Verlaineの詩との比較対象も行う。秋学期は詩的言語使用についての考察を深める。詩のテクストの分析と解釈を学ぶ。
特殊研究Ⅶ
齊藤 哲也
【講義概要(春・秋学期)】春学期はおもに20世紀フランスの絵画の流れを概観していきます。さまざまな作品を個別に分析していくと同時に、これら作品をとりまく歴史的コンテクストや批評の問題もあわせて考えていきます。秋学期は、絵画と同時代の映画の関係を考察する。作品がつくられた歴史的コンテクストを重視した春学期にたいし、秋学期の授業では、さまざまなジャンルの作品を横断する、いわば表象文化論的アプローチに重点が置かれる。
特殊研究Ⅷ
永井 敦子
【講義概要(春・秋学期)】春学期は1940年代のシュルレアリスム運動の展開を、アンドレ・ブルトンなどそのなかにいた作家たちと、モーリス・ブランショ、ジョルジュ・バタイユ、ジャン=ポール・サルトル、アルベール・カミュら、グループの外からその活動への関心を示していた作家たちのテクストを読み、分析しながら検討します。秋学期は20世紀後半における特徴的な小説家のひとりである、André Pieyre de Mandiargues(1909-1991)のLe Musée noir (1946)から、短編小説"Le Passage Pommeraye"を読みます。この作品の構成や意味を分析し、作品が成立した背景などについても検討します。また、受講生にはこの作家の短編小説をひとつ選んで、それについて発表していただきます。
留学準備演習
LEVY Jacques H.
【講義概要(春・秋学期)】物語のフィクション性や文体の問題を対象にしたいくつかの論文を丁寧に読んでいく。同時に、近年、言語学、ナラトロジーや文芸批評においてどのような議論が行われている、幅広くフランス語で紹介していく。