フランス文学科  /  大学院  /  2022年度の担当教授と講義内容

2022年度の担当教授と講義内容

博士前期課程

演習III
畠山 達
ボードレール『悪の華』を読む
『悪の華』を通して、詩の読み方、詩法、解釈の多様性を知る。汲みつくすことのできない文化的・政治的・文学的背景を詩から読み解く。秋学期には院生による発表も行い、相互に批評、議論しあう。

演習IV
杉本 圭子
【春学期】ミュッセの短編小説『ミミ・パンソン』を読む
いわゆる「グリゼット(お針子)もの」の典型的な作品である本作を読みながら、当時のパリの若い男女をとりまく社会風俗、恋愛風俗のありようを探る。
【秋学期】「小説」形式についての考察
レアリスムからヌーヴォー・ロマンを経て現代にいたるまで、近現代の作家や批評家が小説というジャンルについて考察した文章を抜粋で読む。
演習VI
湯沢 英彦
マルセル・プルースト『失われた時を求めて』を読む
第二編「花咲く乙女たちの影に」における「バルベック海岸滞在」の部分を原文で厳密に読解しつつ、この滞在譚におけるさまざまな問題点を考察する。プルーストにおける「印象」の問題が具体的にどのように語られているかを理解することを目指す。
演習Ⅶ
慎改 康之
近代西洋における生と死
【春学期】ジャン=ポール・サルトルの『存在と無』を講読し、そこに提示されている死の概念について考察する。
【秋学期】ミシェル・フーコーの『社会は防衛しなければならない』を講読し、近代における生と権力との関係について考察する。
特殊研究Ⅰ
ジャック・
レヴィ
文学研究の方法と傾向
物語のフィクション性や文体の問題を対象にしたいくつかの論文を丁寧に読み、近年、言語学、ナラトロジー、文芸批評にどのような傾向が見られるのかを、フランス語と日本語で広く紹介する。
特殊研究III
朝比奈 弘治
パリと文学
【春学期】18世紀末から19世紀前半にかけてのパリを舞台とした作品を抜粋で読み、パリの近代化の歩みをたどる。原文のフランス語を正確に読むことを通じて作品に描かれた世界をしっかりと把握し、それぞれの作家の想像力の中でパリが果たしている役割を考える。
【秋学期】19世紀後半から20世紀にかけての、パリを舞台にした都市生活を描いた作品を抜粋で読む。パリにかかわる写真や映画についても考察の対象とする。
特殊研究VIII
石川美子
人物描写の方法について
【春学期】さまざまなジャンルの文学作品のテクストを精読し、それぞれの作家がどのように人物を描き出しているかを、歴史性、ジャンルごとの特徴、作家の特性などの観点から分析する。適宜、同時代の絵画作品も参照する。春学期はモンテーニュ、モリエール、マリヴォー、ルソー、シャトーブリヤン、バルザックなど、19世紀前半までを扱う。
【秋学期】ヴェルヌ、コレット、ヴァレリー、プルースト、サルトルなど、19世紀から20世紀までの作家を扱う。
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