子どもの世界
開設にあたって なぜ、子どもたちの「心の問題」に取り組むのか
子どもの世界① 「先生が足りなくなる」時代が来るって本当ですか?
子どもの世界② 勉強が嫌い、やる気がない」という子どもたちが増えているって本当ですか?
子どもの世界③ 今、先生に求められている「LD、ADHDの子どもたち」に対する理解と教育
子どもの世界④ 自閉症の子どもたちが求めている理解と支援
子どもの世界⑤ 「不登校」を減らすために必要なこと

今、先生に求められている
「LD、ADHDの子どもたち」に対する理解と教育

 みなさんはLD(学習障害)やADHD(注意欠陥/多動性障害)といった言葉をご存じでしょうか? どちらも小学校入学前後の成長段階で発見される「発達障害」の一つで、これらの障害を持った子どもたちへの適切な支援のあり方を探ることが、現在の初等教育における重要な課題となっています。
 文部科学省ではLDについて、「基本的には全般的な知的発達の遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち、特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すもの」と定義しており、ADHDについては、「年齢あるいは発達に不釣り合いな注意力、及び/又は衝動性、多動性を特徴とする行動の障害で、社会的な活動や学業の機能に支障をきたすものである」としています。LDは文字の読み、書きなど学習に必要な能力がなかなか発達しないため、学業不振を生じやすく、学習意欲が低下しがちです。ADHDは自分の行動を上手くコントロールすることが難しく、授業中など着席していなければならない状態だとわかっているのに、どうしてもじっと座っていられない、つい席を離れてしまう、関心はあるのに注意が続かないといった極端に落ち着きがなく、まとまりのない行動を示してしまいます。
 LDの子どもも、ADHDの子どもも、知的な障害がないため、多くは通常の学級で学んでいます。けれど、こうした子どもたちが通常の生活や学習を行っていくにはさまざまな困難があるのも確かです。これまでは、こうした子どもたちは、教員の知識不足から、単に「やる気のないわがままな子ども」と捉えられることも多く、結果的にいじめの対象や不登校の原因になることも少なくありませんでした。

 そこで文部科学省では、2006年よりLD、ADHDの子どもを特別支援教育の対象とし、ほとんどの授業を通常の学級で受けながら、同時に障害に応じた特別な支援も行っていくよう指導しています。こうした特別な支援を受けているLD、ADHDの子どもはここ数年で急増していますが、発達障害についての専門知識を持った特別支援教育の先生はまだまだ不足しているのが現状なのです。
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明治学院大学 心理学部教育発達学科 2010年4月開設
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