![]() ![]() 更新日2018年3月17日(土曜日) |
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過去のHeadLineNewsは社会評論に移しました。![]() ![]() ■ビット・コインについてもっと考える:コインチェック騒動始末記 2018年3月17日 ビットコインは,結局カジノのチップみたいなものです。カジノの客は,現金でチップを買ってカジノでバクチをします。チップ自体はカジノの中で掛け金として使えるだけで,それ以外で使えるわけでもなく,何の価値も持ちません。そこでの賭けによって大儲けができる人もいれば大損する人も出ます。損=得イコールです。損得がかけによって「合理的に清算される」ので胴元を信用しているのです。胴元はチップを客が買う時に,運営費や利益を指しい引いて交換しています。競馬の場合は25%程度が運営費や利益として差し引かれています。競馬や競輪などは国や市が胴元ですよね。個人がカジノを開設・運営すると罰せられます。 ではビットコインをなぜ信用されるのでしょうか。ビットコインががアルゴリズム,数式で運営されているので,ビットコインの購入者は信用しているのです。 ビット・コインは,1台のコンビューターが全てのデータを記録・管理する「中央集権型台帳」ではなく,「分散型台帳技術」(「P2P」)とも呼ばれる技術で結合されているそうです。そして「それぞれのブロックは暗号化された技術で鍵がかけられており,書き換えることができ」ないそうです。その鍵(カギ)を解いて新しいブロックを作った人は採掘人と呼ばれ,「ビット・コイン」をご褒美として入手できるようです。こうしてブロックは世界中の同意する参加者のコンピュータにつながり,特定の一人(国・中央銀行)でなく,参加者による分散管理,いわば「万人(参加意思のある)による管理ができる。こうして信頼が理屈がうまれ,信任を得ることができる,,というわけです。そのカギが,数式(Hash),アルゴリズムです。 信頼の鍵が数式だという問題です。 アメリカ特許法(たぶん日本でも)では,数式,アルゴリズムには特許が発生しません。独占できない。たしかに,インターネット生成史において,驚くべきことは,インターネット・プロトコル(TCP/IP)の生みの親であるV・サーフやR・カーン,WWWの開発者でWebの父と呼ばれたT・B・リー、ハイパーテキストを考案したT・ネルソンなど,インターネットの開発者たちは,仕様を公開し誰一人として権利(特許)を主張しなかった,そうです。多くのネットワーク関係者が共通認識をもち,一緒に研究開発を進めなければ,自身の研究も全体の研究も進まない,と認識していたからです。編成原理は分散=共有であり,独占はできないということです。ビットコインも分散=共有原理を体現している,かのようです。ビットコイン参加者は,数式アルゴリズムの美しさを信用しているのです。だがそれは部分です。 問題は運営です。運営は独占=占有で,分散=共有ではありません。例えば昨2017年5月10日午前11時46分にシステム障害が発生した際,コインチェックはその障害で発生した不利な取引(ビットコインの暴騰)を帳消(発生時以前にロールバック=戻した)にしました。法定通貨にとってかわることはないでしょう。運営が共有=分散されていないからです。 数式・アルゴリズムは,現代の「釈迦如来像」か「聖体顕示台」かも知れません。数式・アルゴリズム信仰はビット世界の信仰の対象かもしれません。ですが,私たちは,アトムの世界・物質の世界で生きています。 ![]() 『「失われた二〇年」からの逆照射 戦後日本経済分析』 (八朔社,2017年8月21日)2,400円+税 ISBN 978-4-86014-085-4 C3033 四六版 232頁 ■日本が今抱えて問題は何ですか。過労死・派遣労働・限界 ![]() 本書は,読みやすさを優先した為,引用文献やデータ等のページ数がありません。それらを以下に電子データで掲載しました。 引用ページ数 参考文献詳細 gyakushoushasanbun.pdf 引用した文章は,★で示しました。それ以外は本文にパラフレーズした参考文献です。 データ ファイル名: hassakuExcel.xlsx 引用される場合は原データ・加工データの出所を明示してください。 ============================================== ![]() (八朔社 2013年5月) 3200円+税 誰にでもわかってほしい。本書はそういう思いで,この10年ほどの間に書きためたものを,全体をできるだけ統一し,欠落しているところを補い,わかり易く書きなおして,全体を再構成した本である。こうした意図から研究書と一般書との中間を目指した。それが成功したか否かについては,読者の判断にゆだねざるを得ないが,非常に難しく目的を果たせなかった,のではないか。これが正直な気持ちである。 書評:宮本幹夫『明治学院大学国際学研究,』45号,127-131頁。 増田壽男「書評」(『(季刊)経済理論』51巻4号,2015年1月,99-101頁)。 ![]() 「世界金融反革命としてのアメリカ株価資本主義」 経済理論学会,季刊『経済理論』54巻4号(2018年1月15日) 「戦後日本資本主義の構造としての非正規労働と過労死」 福島大学『商学論集』84巻4号,2016年3月 「戦後日本資本主義の基盤,その生成と衰微 経済理論学会季刊『経済理論』52巻4(2016年1月15日) 同上論文 全文版 |
このHPではブラウザの戻る![]() 1968年旧ソ連軍のプラハ侵略に抗議して焼身自殺したヤン・パラフのモニュメントの前で ===批判的思考の再構築を求めて=== このバーツラフ広場は,ハラフの死からおよそ20年の後に,再び歴史の舞台となった。世界で初めて議会選挙によって社会主義政権を打ち立てたチェコ人民は,その社会主義政権を平和的に退陣させたのである。チェコ・ビロード革命である。今ほとんどの人が,体制全体を揺り動かすような反体制の思想など抱くものではないと考えている。だからこそ,自立した精神世界をもち,現在の体制に批判的に向き合い,それを総体的に点検し,別のあり様を探し,提示することが求められている。 ![]() 『戦後日本資本主義の根本問題』(大月書店) シリーズ「戦後世界と日本資本主義」全7巻 第1回配本―戦後日本資本主義の特質を, 土地所有と冷戦体制から読み解く。 The Fundamental Problem of Japanese Capitalism after the Second World War 書評 黒瀧秀久 『経済』No182 2010年11月号 新日本出版社 山田鋭夫 『経済理論』48巻第1号2011年4月 桜井書店 山田鋭夫氏書評への涌井のリプライ 経済理論学会編『季刊・経済理論』第48巻3号(2011年10月) 新幹線(1964年東京大阪間開通),超高層ビル ![]() アメリカ冷戦体制に深く組み込まれ(対米従属)ていくにつれて,日本独自な経済構造が造形されていく。工業部門への労働力供給の役割をおわされた農業(農民)が基層におかれ,その犠牲の上に工業が成り立つ。その工業も大独占企業と中小零細企業という2層構造をもつ。土地の零細性ゆえに自立の道を断たれた農業。農民は非工業部門での所得で生計を維持するほかなく,また中小零細企業も下請として大独占に依存するほかない。だがそのいわば食物連鎖の頂点に立つ大独占企業も,原燃料・技術などの生産手段の依存と国内市場の狭さゆえの輸出のために,対米従属は決定的となる。 この「構成」成立に際して大きな役割を果たしたのが外資であるが,同時にそれを代位=補完したものが「土地所有」であった。戦後日本の蓄積「成長」はこの前近代の遺物=土地を資本(擬制資本)に見立てたのである。以後強蓄積の原資として土地は決定的な役割を演ずることになる。 大月書店 シリーズ 「戦後世界と日本資本主義」全7巻 ![]() 本シリーズは,2010年春から2011年秋までに大月書店から出版される予定の『戦後世界と日本資本主義』全7巻シリーズの第5巻 『戦後日本資本主義の根本問題』であり,シリーズの第1回配本である。シリーズ各巻の書名と執筆者は以下のとおりである。 第1巻21世紀型危機と日本経済―増田壽男(未刊) 第2巻 戦後日本資本主義分析史と展望―鈴木春二(第5回配本) 第3巻 戦後日本資本主義と平成金融恐慌―相沢幸悦(第2回配本) 第4巻 現代グローバリゼーションとアメリカ資本主義―柿崎繁(第4回配本) 第5巻 戦後日本資本主義の根本問題―涌井秀行 (第1回配本) 第6巻 戦後日本重化学工業の構造分析―吉田三千雄 (第3回配本) 第7巻 戦後日本資本主義における労使関係―藤田実(第6回配本 2017年6月25日) |