研究活動

フォーラム

2018年度 2017年度 2016年度 2015年度 2014年度 2013年度 2012年度 2011年度 2010年度
2009年度 2008年度 2007年度 2006年度 2005年度 2004年度 2003年度

2018年度

第1回 趙 星銀
(チョサンウン)
『大衆民主主義』再考
       民主主義は多数の支配である。歴史上、その「多数」は、群衆、人民、国民、市民などの多様な名 前で呼ばれてきた。その中で本報告が注目するのは「大衆」である。「大衆」という言葉が日本思想 史において政治的な語彙として使われ始めたのは、大量生産と大量消費、そして関東大震災を経験し た大正期のことである。そして戦後、日本の経済規模が戦前水準を回復した一九五〇年代半ばにおい て、「大衆」は多数者の政治的受動性を強調する「大衆社会論」の流行とともに再び論壇の注目を集 めることになる。  要するに、大正デモクラシーと戦後民主主義における「大衆」の問題は、民主主義を追求しなが ら、なお「多数の支配」そのものに内在する問題に対する憂慮と警戒をあらわすものである。本報告 は、大正期と戦後を貫く問題意識として「大衆」に注目し、それをめぐる議論の中で提出された「大 衆民主主義」の可能性と危険性を考察する。
第2回 半澤 朝彦 エチオピア・ジブチ訪問記
      アフリカで唯一独立を保ったエチオピアと、現在も実質的に植民地的なポジ ションにあるジブチを訪問しました。とくに後者には、日本の自衛隊が基地を賃借し ており、駐留恒久化の可能性もあります。自衛隊基地を訪問し、市内のテロ現場、ス ラム地域や、中国軍の巨大な基地にも接近しました。写真や動画を交え、歴史と現状 の交錯をお話ししたいと思います。
第3回 Tom GILL 絆の日、争いの日:英国南西部五月祭
      五月一日は世界的に祭の日である。19世紀の末から「国際労働者の祭り」となっているが、そのずっ と前、異教時代からヨーロッパの各地に肥沃祭として祝っていた。祭の日は吉兆な日で村や町は共同 体の絆を祝う機会であると同時に暴力・喧嘩の日にもなることがある。日本各地の喧嘩祭もそうであ るが、英国にも興味深い事例がある。主にコーンウォール州とサマセット州で行われる二つの「木馬 祭」に着目して、「祭」の問題性を探る。
第4回 熊倉 正修 日本のマクロ経済政策と民主主義
      標題の「マクロ経済政策」とは、主として財政政策と金融政策、そして金融政策と不可分の関係にある為替政策を意味している。今日の日本ではこれらがいずれも合理性と持続性のない形で運営されており、いつ問題が表面化してもおかしくない状況にある。今回の報告では、どのような意味において日本のマクロ経済政策に合理性と持続性が欠如しているかを説明した上で、その原因として民主主義の未成熟を指摘する。
第5回 竹下 千花子(UC) 避妊具IUDの開発と普及からみるリプロダクティブコントロールのあり方(1960~現在)
      IUDは発展途上国の人口増加防止の使命を背景に、主に米国で1960年代に開発され、その後様々な事情の下に発展と普及を重ねて来ました。この避妊具の歴史を追うことによって、地域や人種によって異なる女性たちのリプロダクティブコントロールをどのように成し遂げようと世界のリーダー並びに各個人が試行錯誤していたが見えて来ます。自著のThe Global Biopolitics of the IUD: How Science Constructs Contraceptive Users and Women's Bodies からかい摘んでお話しいたします。

2017年度

第1回 孫 占坤 国際法における先住民族の権利保護
  ~サーミ条約(案)の意味するもの
      「先住民族の権利に関する国際連合宣言」が採択されてから10年が経つ。「自決権」が「権利」として明記された同宣言の下、世界各地における先住民族の訴えや闘いは一層活発化している。本報告は現在、北欧三国(ノルウェー、スウェーデン、フィンランド)で進行中の「サーミ条約」案の作成過程を通して、先住民族の権利保護に関する国際法の役割とその限界を指摘するつもりである。
第2回 戸谷 浩 ブダペシュトを引き剥がす:
 眼に見える歴史と忘れ去られた歴史
      人はどのようにして歴史を感じ、考えるのであろうか。30年以上見つめてきたブダペシュトに場を借りて、市内各地区に埋め込まれた歴史の層を「引き剥がし」、今を生きる私たちが歴史を知る、歴史観を形成するとはどのようなことなのか。騒がしい「政治の時代」だからこそ、今一度考え直してみたい。
第3回 Chia-ning Chang (UC) Transnational Performance in Li Xianglan’s Wartime Films
      My talk explores ideological contradictions embedded in Japanese wartime “propaganda” films by focusing on the transnational performance of Yamaguchi Yoshiko (a.k.a. Li Xianglan, 1920-2014), the most acclaimed actress to emerge from Japan-occupied Manchuria since 1939. Known for her mesmerizing cinematic roles in a series of so-called “national policy” films (kokusaku eiga) in the late 1930s and early 1940s, Yamaguchi successfully transformed herself from an innocent Japanese-born Manchurian girl into one of the most dazzling celebrities across both shores of the Pacific during the waning years of the war. My paper elucidates the dramatic structure of her cinematic roles in her so-called “continental trilogy” (tairiku sanbusaku), usually seen as emblematic of blatant Japanese propaganda cinema.
第4回 浪岡 新太郎 公教育を担うムスリム私立学校の成立と運営:フランス・リヨン大都市圏東部貧困者集住地区デシーヌ アル・キンディ校の事例
      民主主義国家において宗教的多元主義は基本的価値であり、国家は私学助成や宗教法人などを通じて 市民の信仰の自由を保障する。他方で、国家は、そのアイデンティティが人権などの 基本的価値を侵害することを警戒している。警戒の下、どのように市民は信仰の自由の保障を 獲得しているのだろうか。この警戒が特に顕著になるのが欧米のムスリムである。 報告では厳しい警戒にも関わらず私学助成を獲得したイスラーム私立学校の事例を扱う。
第5回 熊本一規 漁業権で埋立・ダム・原発を止める
       埋立等の事業は漁民・住民の権利を侵害するため、権利者の同意取得が必要である。
しかし、事業者は詐欺同然の手法で同意を取っている。
1976年に志布志湾の住民運動に関わって以来、漁民・住民の権利で埋立・ダム等の事業を止めることを追求し、
実際に止めることのできた事例も約20例を数える。
報告では、いくつかの事例に即して、その経緯、事業を止める論理等を報告する。
取り上げる主な事例は、新石垣空港計画、諌早湾、上関原発計画、辺野古埋立計画。

2016年度

報告内容は研究所年報20号
第1回 野口 久美子 カジノ産業に見る先住民自治の歴史と現在
―北米カリフォルニア先住民の事例より―
第2回 阿部 望 現代の北欧社会経済モデルの可能性
第3回 岩村 英之 通貨同盟と同盟国政府の財政規律
- 通貨同盟から財政同盟への進展の可能性 -
第4回 末内 啓子 カナダの第42回総選挙(2015年10月19日)についての一考察
第5回 Luke Roberts
(UC)
The Lives of Samurai Women of the Edo Era
第6回 司馬 純詩 国境バザールの(経済学)理論的整理
  ―香港中英街等をめぐって

2015年度

報告内容は研究所年報19号
第1回 メレック・オータバシ
(サイモンフレーザー大学)
乱読の癖:明治大正のエリートと子供時代の読書経験
第2回 森本 泉 グローバル化と包摂/排除をめぐって
  移民になったネパール楽師カースト・ガンダルバの事例
第3回 アレキサンダー・ヴィーシィ 近世森林管理と出入を通してみる寺院と村落の関係
  —高尾山薬王院文書を中心に
第4回 重冨 真一 地域社会の組織力をどう見つけるか
  ―参加型農村開発の手法開発に向けて―
第5回 John KIM(UC) Ethnicity and Empire
: The Japanese Racial Equality Proposal at the Paris Peace Conference
第6回 李相佰
(リーサンベック)
通貨統合なき共通通貨の試案
  ―外国為替市場を利用した電子通貨の発行と流通―

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2014年度

報告内容は研究所年報18号
第1回 大川 玲子 チャム人の失われた呪術書をめぐって:
カンボジアのマイノリティ・ムスリムの現在
第2回 原 武史 皇后考
第3回 Michael Watson Cultural Canon and Marginalized Texts
第4回 李嬋娟(イ ソニョン) 人間が本当に利己的で合理的なのか
第5回 長谷川 毅(UC) ロシア革命下におけるペトログラードの犯罪と警察
第6回 李相佰(リ- サンベック) 合理性を前提にした市場メカニズム説明の限界:
日本経済史からの教訓

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2013年度

報告内容は研究所年報17号
第1回 賴 俊輔 インドネシアにおけるアグリビジネス改革:
パーム油バリュー・チェーンの分析から
第2回 中田 瑞穂 「民主化」後の東中欧―チェコとスロヴァキアの政党政治を中心に
第3回 森 あおい トニ・モリスンを追いかけて
第4回 合場 敬子 美の秩序への対抗:女子プロレスラーの身体が示唆するもの
第5回 田 暁利 中国における風力エネルギー開発の現状と課題
第6回 大岩 圭之助 「弱さの思想」序説

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2012年度

報告内容は研究所年報16号
第1回 平山 恵 ルワンダ復興の「援助」を再考する―貧困とHIV陽性を抱える人々の声から
第2回 土屋 博嗣 留学生と日本人学生の友人関係
第3回 Luke Roberts A Samurai’s Life
第4回 森本 泉 ネパール北西部マナンをめぐる社会変容トランスナショナルな生活戦略
第5回 Brian Guthrie Perspectives on English Writing Instruction
第6回 高橋 源一郎 「3・11」以降の日本の論壇

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2011年度

報告内容は研究所年報15号
第1回 齋藤 百合子 タイ人女性の人身売買とその後の社会再統合
第2回 涌井 秀行 The Light and Shadow of Japanese Capitalism after the Second World War
第3回 Tom Gill 宿痾としての都市風景:西ベルファストの壁画を見て
第4回 高原 孝生 Delegitimizing Nuclear Weapons: Will Japan Do Without the ‘Umbrella’?
第5回 半澤 朝彦 越境する音と国際政治

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2010年度

報告内容は研究所年報14号
第1回 ロバート・スワード Les Arts Sauvages Oceanie
Involuntary Sculpture and the Surrealist Object
第2回 孫占坤 先住民族の権利保護について
―自決権と集団の権利を中心に―
第3回 岩村 英之 通貨統合の政治経済学
第4回 勝俣 誠 地域研究と校外実習方法論序説
―国際学研究としての校外実習20年を振り返って―

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2009年度

報告内容は研究所年報13号
第1回 半澤 朝彦 「西洋音楽」演奏のグローバル化―音楽は「普遍的な言語」か?
第2回 A. ヴィーシィ ミクロ歴史を中心とした近世宗教史の新しい研究傾向
第3回 浪岡 新太郎 フランスにおけるシティズンシップとエンパワーメント:
イスラーム教育は市民教育と矛盾するのか
第4回 熊本 一規 日本の循環型社会づくりはどこが間違っているのか
第5回 末内 啓子 カナダ国際研究所(Canadian Institute of International Affairs, 1928-2007)の設立と国際関係研究―カナダの大戦間期における国際関係観形成の構造

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2008年度

報告内容は研究所年報12号
第1回 秋月 望 東アジアの境界とテリトリー意識 ―高句麗ものテレビドラマの背景―
第2回 戸谷 浩 流れ来たる人々の影を追って ―スロヴェキアにおける筏流しと筏師―
第3回 岡部 光明 日本におけるコーポレート・ガバナンス
―その特徴、変遷、今後の課題―
第4回 竹尾 茂樹 地域研究と校外実習の接点
第5回 モハマド・ナギザデ アフガニスタン・イラク・イランの政治経済と核問題について
―西アジアにおける日本の隠れている資産とその役割―

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2007年度

報告内容は研究所年報11号
第1回 John H. Ino Can We Teach Brainstorming? …Lessons from the Silicon Valley
第2回 大木 昌 異性装をとおして見る近世ヨーロッパの民衆社会とジェンダー
  田 暁利 中国における持続的経済成長の課題
第3回 Anne Walthall 武家奉公と結婚
第4回 合場 敬子 変容する身体とジェンダー:プロレスができる身体への自己認識
第5回 柴田 有 文化としての科学――西条の酒蔵で
第6回 白石 渉 ドイツのコーポレートガバナンス・モデルは米国モデルに収斂するか

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2006年度

報告内容は研究所年報10号
第1回 森本 泉 ロンドンで見た7月7日のテロと在英ネパール人
  大川 玲子 イスラーム系ウェブサイトに見られる「法学裁定(ファトワー)」
――日常生活とクルアーン(コーラン)解釈
第2回 Hiroshi Ono ‘Specialization and Happiness’: 日米にみる結婚観の相違
第3回 網谷 龍介 社会規範の『ヨーロッパ化』の政治過程
――ドイツとオーストリアにおけるEU反差別指令の国内立法化――

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2005年度

報告内容は研究所年報9号
第1回 竹内 啓/涌井 秀行 人口から見た中国近・現代史
  平山 恵 人の声を聴く~政策提言に有効な社会調査の試行
第2回 高橋 源一郎 日本近代文学のmission
  Masako Ishii 父親の育児参加を規定する要因――日米比較から
第3回 M. Pasha Liberalism, Islam, and Securitization
  古市 剛史 ウガンダ・カリンズ森林の野生チンパンジー:生態学的研究と保護への取り組み
第4回 Bengt Stymne In Search of the Missing Link.
How Can a Region Nurture Successful Product Innovation?
  司馬 純詩 中国経済のウェハース構造

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2004年度

報告内容は研究所年報8号
第1回 涌井 秀行 敗戦悟論ねじれ考――チェコとドイツそして朝鮮日本
  橋本 肇 生殖技術の変遷と展望
第2回 阿部 望 Sustainable Development Strategies in the Nordic Countries
  半澤 朝彦 国連の国際規範形成機能とイギリス植民地の「孤立」ラッシュ:1945-1965
第3回 大岩 圭之助 地域通貨――スローでスモールなお金
  Anne Walthall From Peasant Daughter to Samurai Wife: the Letters of Yoshino Michi

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2003年度

報告内容は研究所年報7号
第1回 戸谷 浩 家畜を通して眺めたハンガリー社会
  トム・ギル シェルター文化の誕生――ホームレス自立支援法元年
第2回 末内 啓子 カナダの対外関係――国際救援組織の事例から
  森本 泉 トゥーリズムをめぐるネパール――ローカルな対応
第3回 熊井 茂行 『インカ帝国』はあったか?
  熊本 一規 川辺川ダム収用委員会における争点について
第4回 土屋 博嗣 日本語教育の現在
  勝俣 誠 日頃 私が社会科学分野で疑問に思っていること

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2002年度

報告内容は研究所年報6号
第1回 H. Plutschow Peace versus Human Nature
  大門 毅 Economic Costs and Benefits of Political Decentralisation ― or Lndependence? The Case of East Timor
第2回 平島 成望 インド農業の中期展望と日本ODA
  合場 敬子 身体と異性愛から解体されるジェンダー
第3回 古市 剛史 ヒトの誕生をめぐる最近の話題
  竹内 啓 地球温暖化と社会技術

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