スマートフォン版を表示
ホーム  >  図書館について  >  図書館の活動  >  【白金校舎図書館】貴重書展示「エジプトへの旅」展、開催中です

【白金校舎図書館】貴重書展示「エジプトへの旅」展、開催中です

2021年1月19日



明治学院大学の貴重書「旅とエグゾティスム」というコレクションがあります。
その名の通り「旅」と「エグゾティスム(exotisme:異国趣味)」を主題とした資料およそ80点を集めたものです。
フランスの旅行家ニコライによる『トルコ旅行記』(1580年刊、イタリア語版)や、
イギリスの農学者アーサー・ヤングによる『イタリア旅行記1789』(1796年刊、フランス語版)のほか、
フランス人宣教師シャルル・ヴォアが異国である日本の様子を記録した『日本誌』(1736年刊)など、
西洋から見た日本に関する重要な文献もたくさん入っています。

このコレクションの中でもひときわ大きく存在感のある資料が、
今回ご紹介する『上下エジプト紀行』(1802年刊)です。
美しく精密なエッチングにより、戦闘の模様や風俗、古代遺跡が記録され、
当時秘境であったエジプトの様子をヨーロッパに伝えたと言われています。
この旅行記を執筆したドノンは、画家でありながらナポレオン・ボナパルトと共にエジプト遠征に出かけ、
後にルーヴル美術館館長という地位を与えられました。

戦略的には失敗に終わったエジプト遠征でしたが、同行した学者たちにより、
エジプトの古代文化や地理に関する調査研究が行われ、エジプト学の出発点となりました。
「ロゼッタストーン」が発見されたのも、この遠征のときです。

今回の展示では、迫力のある『上下エジプト紀行』を中心に、
著者ドノンの功績とロゼッタストーンに刻まれた文字ヒエログリフにまつわる資料をご紹介します。

エグゾティスムという言葉には異国への憧憬という意味もあります。
未知のものへの憧憬と探求心を持ち「どこか」へ向かわざるを得ない人間の感覚は
いつの時代にあっても変わることのない根源的なものなのでしょう。

皆さんも貴重書コレクションと共に、時空を超えた旅に出かけてみませんか。

***************************************************************
展示場所:白金図書館2F 貴重書展示コーナー
展示期間:2021年1月中旬~4月下旬 (予定)
***************************************************************

*展示中の貸出資料リストはこちら