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2007年6月12日

フランキ・ラデン講演会の報告です

  5月29日の5限に白金校舎3203教室で、インドネシアの作曲家・音楽史研究家のフランキ・ラデン・スジョルダルマ・ノトルディルジョ教授(現トロント大学)が、言語文化研究所の招待研究講座に招かれて、「インドネシア音楽と20世紀」と題して講演を行ないました。

  フランキ教授はバリ島のガムランに影響を受けた西洋音楽を、ドビュッシーからジョン・ケージまで次々と紹介され、じかに楽譜を当たりながら精細な分析を行う一方で、カナダやアメリカの音楽教育のプログラムにいかにガムランが組み込まれているかを、ヴィデオを通して紹介しました。また最後に、ガムランに想を得てフィルムのために作曲した自作の音楽作品を披露され、居合わせた100人ほどの聴衆に深い感銘を与えました。

  フランキ教授はまたインドネシアからの留学生の質問に答えて、国民国家を表象する音楽のイデオロギー的問題に言及しました。通訳はインドネシア研究家である三宅良美准教授(秋田大学)が担当されました。聴衆のなかには高橋悠治氏、野澤美香氏といった音楽家の姿も見られ、講演後に席を換えて親しげにして活発な意見交換が行なわれました。ともすればこれまで西洋偏重の傾向のあった本校芸術学科でしたが、アジアの大国インドネシアの文化をめぐるこの講演はきわめて有意義なものであったといえるでしょう。

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