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-海外ワークキャンプ- 現地を再訪問しました



家を建てた5年後はどうなっているのだろうか?宗教部行事として初めての海外ワークキャンプ(2002年9月)参加者が昨年集まった際に、5年目を記念して現地を再訪問する計画を立てました。参加予定の十数名は、仕事の都合などで少なくなり、小野真理子さん(03年社会卒)と滝川祐さん(05年政治卒)と私の3名が、9月中旬の3連休に再訪問しました。


場所は、フィリピンのセブ島の東、ボホール島隣接の小島パングラオ島。住宅建設の作業をした当時は、20軒ほどの家の他は広い野原が続く現場で、家の持ち主となる人たちと3軒の家を完成させました。

5年後のその場所は、242軒の家が立ち並ぶコミュニティになっていました。壁や窓枠はきれいに塗り替えられ、小さな庭には植栽が施され、室内の家具や置物は端正に配置されて、外観はミドルクラスの生活環境が整いつつあることが伺わせます。しかしながら、かつてのように扉も開けっ放しの家がある一方で、柵や門、戸口の錠でカベをつくる家ができ、5年は格差を生じさせた年月であったことを思い起こさせます。現場で遊んでいた子どもの多くは都会や外国に職を求めて家を出ており、「住」の確保だけでは生活ができない事実も目の当たりにしました。

今回は乗り継ぎの関係で、第2回ワークキャンプ地のマニラ郊外バナイにも訪問できました。ゴミ中継地に隣接する最貧困地域で、4年前の更地が62戸の住宅区画となり、質素ながら安らぎの場が築かれていたものの、児童の半数は中学で学べない教育環境で、本学院からのクリスマス献金を通じた奨学金の支援によって、貧困の連鎖から脱しつつある子どもたちの目には希望が映り印象的でした。

「通りすがり」のボランティアではなく、「顔のみえる」継続的な支援と地道な関係構築の必要性も痛感した再訪問となりました。

法学部教授 鍛冶智也


5年前、家の完成!しかし周囲はまだ殺風景


5年後の同じ家



生活感のあるコミュニティに



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