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2008年10月11日

「ジュンコ・スクール」の1期生バオさんが本学留学生として来日しました

 明治学院大学3年生の時に交通事故で亡くなった高橋淳子さんの遺志を継いで、ご両親からの寄付によって、1995年、ベトナム中部のダナン近郊にあるディエンフォック村に、小学校「ジュンコ・スクール」が建てられました。そしてこの度、その1期生であるトラン・コン・バオさんがダナン工科大学から本学の留学生として来日しました。


 10月11日(土)に白金キャンパスで開かれた歓迎会は、淳子さんの遺志を継ぐ明学生によって結成されたジュンコ・アソシエーションが主催し、学内関係者が出席する中、バオさんは高橋淳子さんの父親である高橋廣太郎さんと初めての対面を果たしました。


 歓迎会の冒頭、大西晴樹学長は「悲しい事故から始まった活動だが、その努力が実って今日このようにバオさんをお迎えできたことは大変嬉しい。本学の創設者ヘボン博士の日本における奉仕的な活動は、決して一方的なものではなく、そこには日本人との間の豊かなコミュニケーションがあった。教育理念"Do for Others" の根底にはいつもこの双方向のコミュニケーションがある。バオさんも皆さんも、この一年間を通してより豊かな人間関係をつくっていってほしい。」と挨拶しました。


 つづいてジュンコ・アソシエーションの生みの親ともいえる国際学部の江橋正彦教授が「一昨年、当時の大塩学長にベトナムの大学との交換留学について相談し、その後、大学の国際交流センターの尽力で、ジュンコ・スクールの1期生を留学生としてむかえることができた。バオ君には是非ベトナムと日本との架け橋になってもらいたい。そして、それと同時に、夢と目標をもって生きるバオ君の姿に日本の学生も学んでほしいし、ベトナムの子供たちが”バオ君に続け”と、将来への希望を持ってくれれば嬉しい。さらにこのジュンコ・アソシエーションの活動をより大きく発展させるために、バオ君から将来アドバイス受けることを期待している。これらのことが全て実現しうるということ、それが今回のバオ君を迎えることの意義だ。」と歓迎しました。


 これに対しバオさんは「幼い日のジュンコ・スクールの印象は綺麗な学校ということ。それ以来恵まれた環境で勉強することができ、今は機械工学を学んでいる。日本では是非勉強したいと願ってきたが、言葉の問題もあって授業は難しく、ついてゆくのは大変だ。でも、最大限がんばってゆきたい。将来はエンジニアになって日本企業で仕事がしたい。留学生仲間やジュンコ・スクールの皆さん、そして留学生を世話してくれるバディに支えられているので安心している。ベトナムという国と、私の村と、私にしてくださったことに感謝したい。」と感謝の言葉を述べました。


 また、淳子さんの父親である高橋廣太郎さんは「娘を亡くした私の失意が、江橋先生が与えてくださったきっかけによって、このような喜ばしい結果に変わった。そのことに感謝している。バオ君の来日も嬉しいが、周囲の人々がまるで自分のことのようにして彼を支えていることにさらに深い喜びを感じている。その人の輪の中で、バオ君には充実した留学生活を送ってもらいたい。」と激励しました。


 バオさんはこれから、日本語や日本文化などの講座を受講しながら1年間の留学生活を送ることになります。


 高橋淳子さんが所属していたゼミの江橋正彦教授と明学生によって1995年に設立された「ジュンコ・アソシエーション」は机、椅子などの備品を寄贈する活動の他、教科書や制服を買うことができない子供たちへの支援も継続し、2007年にNPO法人化した後も、さらなる活動を展開しています。


JUNKO Association(ジュンコ・アソシエーション)
http://www.junko-association.org/aboutjunko.html
挨拶する大西晴樹学長
歓迎の言葉を述べる江橋正彦教授
初めて対面したトラン・コン・バオさん(左)と高橋廣太郎さん(右)

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