東日本大震災の直後から、明治学院大学はボランティアセンターを中心とした復興支援プロジェクト「Do for Smile @ 東日本」を立ち上げ、これまでに延べ約1,000名の学生を派遣して活動を展開してきました。
その中でも、岩手県の大槌町吉里吉里では、学校の清掃や保育園で園児たちのケアをお手伝いするといった支援から始め、やがて避難所からの買い出し、さらに廃材を薪に再生して販売するプロジェクトへの協力、そして、一度は津波ですべて流されかけた「吉里吉里語辞典」をデジタルデータで復元し、その上にそれぞれの言葉が使われていた生活背景を掘り起こしながら音声データもつけ加えてデータベース化するなど、吉里吉里の文化そのものを復興し、将来に繋げてゆく作業にまで、ボランティア活動の幅は広がり、また深まっています。
そのような大槌町との親密な関係を、緊急時の支援を越えた未来志向のボランティア活動として発展させたいという願いをこめて、このたび大槌町と明治学院大学はボランティア活動に関する協定を締結しました。
調印式は3月28日午前11時から大槌町の仮設庁舎で行われ、大槌町からは碇川豊町長、高橋浩進副町長、佐々木彰副町長が、明治学院大学からは大西晴樹学長、社会学部教授の浅川達人ボランティアセンター長補佐、三上耕一ボランティアセンター次長が出席しました。
調印にあたっては、復興活動、地域経済の振興、地域文化の保存・継承、人材交流、教育および人材育成、まちづくり等について、両者の将来に渡る関係の強化が確認されました。また、その後の挨拶では、大西学長が「大槌町がボランティア学生を受け入れてくださったことで、ひとりひとりが大学の授業だけでは得られないものを獲得し大きく成長している。そのことに感謝している。」とお礼を述べると、碇川町長は「大槌では明治学院大学の学生は信頼されている。“Do for Others” という教育理念がボランティア活動をつうじて発露しているのだと思う。」と応じました。
調印式には現地からも同窓会岩手県支部長の篠谷隆さん、校友会岩手県代表の高橋潤さん、そして2001年の卒業生で現在大槌町職員の藤原英志さんが同席し、共に調印を喜び合いました。さらに、大西学長と浅川ボランティアセンター長補佐、そして三上ボランティアセンター次長は、調印式の前後に学生たちがお世話になっている現地の施設等を訪問し、感謝を伝えるとともに今後の協力をもあらためて依頼しました。
協定はまず3年間を期限とし、その後見直されてゆきますが、震災後一年を経て締結されたこの協定がボランティア活動の深まりと共に、大槌町と明治学院大学とのほんとうの絆となることを願わずにはいられません。