光は暗闇の中で輝いている(ヨハネによる福音書 第1章第5節)
皆様、クリスマスおめでとうございます。
今年は新型コロナウイルス感染症の勢いが収まらない中ではありますが、こうした形で皆様とご一緒に降誕節を祝うことができ、大変うれしく思います。 本日の聖書の言葉は、「光は暗闇の中で輝いている」です。クリスマスと光にまつわるお話をいたしましょう。
クリスマスはイエス・キリストがお生まれになった日です。ただ、かの有名な数学者・物理学者・天文学者のニュートンも、12月25日生まれなのをご存じでしょうか。西欧には「クリスマス生まれの子供は特殊な才能を授かる」という言い伝えがあります。そのもっとも有名な例がニュートンでしょう。
ニュートンは18歳でケンブリッジ大学に進みます。ところが大学を卒業した直後の夏、ロンドンからケンブリッジにかけてペストが大流行し、大学はほぼ2年間、封鎖されてしまいます。
そう、いまの私たちと極めて似た状況に出遭ったのです。仕方なくニュートンは故郷のウールスソープに戻り、2年間、数学、力学などの研究を一人で続けました。そしてこの2年間に彼は『万有引力の理論を打ち立てる』『微分積分学を作り上げる』そしてもう一つ、『ニュートンの光学』という、その後の世界を根底から変えることになる大発見を3つも成し遂げました。自然科学ではこの2年のことを《奇跡の年》と呼んでいます。
太陽の光を三角プリズムに通すと虹色のきれいな光に分かれます。こうした現象から光の本質は何だろうかと、科学的に研究し始めたのはニュートンからだと言われています。 ニュートンが病気の蔓延をどう見ていたかは分かりません。出口の見えない《闇》と見ていたのでしょうか?彼があえて光の本質を考えるようになったのはなぜでしょうか?暗い時代に彼が《光の研究》を始めたのは偶然でしょうか?
ただ、病気の蔓延で社会が閉塞状態にあった2年間とニュートンの《奇跡の年》は、ぴったり一致しているのです。このことは「今の状態が続いても希望を持っていいんだよ、ニュートンのような例もあるではないか」と、私たちに教えてくれているような気がいたします。改めて皆様に、クリスマスの言葉をお伝えします。
We wish you a Merry Christmas and a Happy New Year.