スマートフォン版を表示
2021年5月14日

教養教育センター付属研究所の安部淳研究員が、ほとんどオスを産まないハチの謎を解明しました

明治学院大学教養教育センター付属研究所の安部淳研究員が、理化学研究所数理創造プログラムの入谷亮介研究員、岐阜大学応用生物科学部の土田浩治教授、慶應義塾大学商学部の上村佳孝准教授、オックスフォード大学のStuart A. West教授とともに、オスを数パーセントしか産まないハチの謎を解明しました。

【ポイント】
・メリトビアというハチの仲間が極端に少なくオスを産む理由は解明されていませんでしたが、一緒に産卵する母親がお互いの子孫を効率良く残すための一種の協力行動であることを明らかにしました。
・メリトビアでは、一緒に産卵する母親どうしの血縁関係によって産むオスとメスの割合を調節し、血縁者の母親が一緒に産卵するときに極端に少なくオスを産んでいました。
・オスを少なく産むことにより、血縁関係のある息子どうしの配偶相手をめぐる無駄な競争を避け、その分多くのメスを産めるため、お互いの子孫の数を増やせることが、DNA解析および数理的理論解析によって示されました。
・母親どうしは血縁関係を直接認識することはできず、近くに分散した(血縁者と遭遇しやすい)か、遠くに分散した(血縁者と遭遇し難い)か、という自己の経験にもとづいて間接的に血縁関係を推定していることが示唆されました。

本研究成果は、米国東部標準時2021年5月10日(月)午後3時(日本時間5月11日(火)午前4時)にPNAS(米国科学アカデミー紀要)にオンライン掲載されました。

今回メリトビアで確認された母親数と母親間の血縁関係による性比の調節は、世界で初めての例です。そのような調節が、相手個体との血縁関係を直接認識するのではなく、自身の分散方法の違いによって決定されていることも示されました。この発見は、ハチの行動や性比調節の理解に留まらず、生物がどのようなときに自己中心的に振る舞い、どのようなときに協力的に振る舞うのかという社会行動全般の理解に応用されることが期待されます。

共同プレスリリース https://www.meijigakuin.ac.jp/corporations/release/PDF/MG_210511.pdf

明治学院大学教養教育センター付属研究所 http://mgu-cfla.cc-town.net/ila/introduction/